Android(アンドロイド)特集記事

2010/08/10 Android(アンドロイド)特集記事

アンドロイドの論点 : 「アンドロイドアプリは儲かるのか?」

前回のアンドロイドの論点 : 「どうしてiモードの夏野剛氏は日本でアンドロイドが大きく普及すると考えるのか」が好評だったことを受け、アンドロイドの論点というテーマでまた記事を投稿させていただきます、gamellaです。今回のトピックはたまにいただく「アンドロイドアプリは儲かるのか?」という質問について、いろいろな観点から考えてみたいと思います。



アプリケーションプラットフォームとしてのアンドロイド
コンテンツプラットフォームとしてのiPhone

「アンドロイドアプリは儲かるのか?」という質問をうけたときに、まずはっきりさせておく必要があるのはアンドロイドはアプリケーションプラットフォームであるが、iPhoneやPlayStation、Xboxのようなコンテンツプラットフォームではない、ということです。これはどういうことかと言うと「アンドロイドアプリは儲かるのか?」という質問をするとき、その人はiPhoneなどと比較して考えて、アンドロイドアプリは儲かるのか?ということを考えていると思います。iPhoneアプリは個人でヒットを飛ばしたときは儲かるが、会社で大きく儲けるにはなかなか難しいマーケットだと思います。ただiPhoneはAppStoreでアプリを購入する、その売上の3割をAppleに支払い、残り7割が儲けになる、という非常に分かりやすいコンテンツプラットフォームです。

他方、アンドロイドはAppStoreのようコンテンツの購入場所であるストアが1つに決まっておらず、さまざまなストアを独自に展開することもできます。もちろんGoogleが運営するAndroid Marketという標準のストアがありますが、アンドロイドは独自に作成したアプリをAndroid Marketを通さずにインストールさせることを認めています。つまり、iPhoneのようなAppleのルールに縛られない独自のコンテンツプラットフォームを自社で作成することが可能なのです。

例えば、ドコモストアでは無料アプリのインストールのみを行い、有料アプリはAndroid Marketからインストールさせるということを行っています。

しかし、前回のアンドロイドの論点で触れたようにアンドロイド版iモードであるspモードが9月にサポートされ、その後、現在はAndroid Marketからインストールされている有料アプリが、ドコモが用意するストアから通信料からの支払いでインストールできるようになるそうです。この部分がiPhoneのモデルとは根本的に違っており、企業にとってみればiPhoneはコンテンツプロバイダーがコンテンツをAppStoreで売って儲けるというスキームであるのに対し、アンドロイドは可能であれば自分でコンテンツプラットフォームを作成し、それを発展させていける可能性を持ったプラットフォームなのです。このあたりは個人でアプリケーションを作って販売する分にはほとんど変わりませんが、企業が勝負をかける場合は、そのプロモーション戦略や課金システムの根本的な部分まで変わってくるということで、今後より面白い発展がありえる部分だと考えています。

そもそもアプリ単体で儲けるということは根本的に難しい

また、「アンドロイドアプリは儲かるのか?」という質問に対して回答を考えるうえで、はっきりさせておかなければいけないことは、アプリケーション開発というものは基本的に儲からないものだ、ということです。と言うのも、ソフトウェアというものは何か目標となるソフトウェアが存在している場合、そのソフトウェアの水準まで真似をして到達するということは、新しく有用なソフトウェアを作るよりも著しく簡単なのです。よって、ソフトウェア開発で儲ける方法は基本的に二通りしかありません。他が真似する気もおきないダントツのブランドを築くか、コンテンツとして稼ぐか、です。

他が真似の出来ないソフトウェアをつくるというのはイバラの道です。前述の通り生半可なソフトウェアではすぐに真似されてしまい、体力のある企業ならばダンピングまがいの値段で市場に投下されます。Photoshopのような圧倒的なブランドをもつソフトや、ニッチな市場でデファクトスタンダードとなってしまったため新規参入が非常に難しいということはあるかもしれませんが、アプリケーション単体で儲けるということはかなり大変なのは皆様御存知かと思います。

最近の流れをみるとアプリケーションと考えず、そのソフトウェアをコンテンツとして考えてお金を稼ぐというのがスマートフォンでもだいぶ主流になっているのではないかと思います。コンテンツとして稼ぐというのは、アンドロイドのような端末ではソフトウェアを売るというより、コンテンツを作成して消費時間をユーザーから奪うと考えた方が正確でしょう。前回のアンドロイドの論点で述べたソーシャルゲームプラットホームというものはまさしくこの分野になります。継続的にユーザから消費時間を奪うことができれば、ゲーム内課金や広告を挿し込んだりすることでユーザの消費時間をお金にする道が見えてきます。現在ブラウザゲームはそのような状況ですが、今後スマートフォンでもこの分野の競争が激化してくると思われ、すでにモバゲーは海外で日本の人気コンテンツ「怪盗ロワイヤル」を「BanditNation」として展開しており、さらにこれらをアンドロイドにも広げスマートフォン版モバゲーを海外で展開しようとしています。以下のDeNA大塚氏へのインタビューは非常に参考になりますので、一読をおすすめします。

エロコンテンツプラットフォームとしてのアンドロイド

最後にエロコンテンツプラットフォームとしてのアンドロイドについて考えてみましょう。iPhoneでは全面禁止となったエロコンテンツ。最後の砦あるアンドロイドでエロコンテンツがどれくらい盛り上がるか、興味がある人も多いのではないかと思います。

例えば、日本の携帯コンテンツ産業の特徴として電子コミックではレディースコミックなどが売れるというものがあります。このエロコンテンツと親和性が高いという点もアンドロイドの見逃せない点です。過去にiPhoneにおいて性的コンテンツが一斉に取り締まられた事件がありました。あれ以降iPhoneで扱う電子書籍の制限もかなりきつくなりました。アメリカの出版業界では実際の書籍とiPhone版を比較して、iPhone版はイスラム教の女性の肌を出す行為を禁じる戒律になぞらえ中東版と呼ばれているそうです。

エロコンテンツというのはコンテンツプラットホーム側としては、常に一定の需要があり、ユーザーもお金を払ってくれる非常にありがたいコンテンツです。ただ、いったんエロコンテンツに手を出すと、エロを扱うという色がプラットホーム側についてしまうため、その導入には非常に慎重になる必要があります。iPhoneは企業への導入、iPadへの教育機関への導入を積極的に進めるためにも、あのタイミングでエロコンテンツをプラットホームから削除する必要がありました。一方、アンドロイドが非常に有望と思われる点が、Flashをサポートしていることです。HTML5がFlashにとってかわるというのがアップルの主張でしたが、個人的にはHTML5で最も難しいテーマの1つが動画を不正コピーから守るDRM機能であると思います。DRM機能というのは、強ければ強いほど企業にとっては都合が良いのですが、ユーザにとっては不便なものになります。この企業側にとっての便益とユーザにとっての不便のちょうど落しどころを決める必要があるのですが、HTML5においてこのDRM機能の提供はもうちょっと時間がかかりそうです。この現状を考えるとすでにFlashをサポートしているアンドロイドは、この点においてDMMのような企業が一気に参入してくる可能性もあると考えられます。 英語ですが以下の記事がこのあたりの状況を詳しく説明しています。

このテーマは次回に続きます

「アンドロイドアプリは儲かるのか?」というテーマは、いろいろ論点の多いトピックです。次回はAR、クラウドなど新たな分野のアプリについて論じてみたいと思います。







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コメントありがとうございます (6)

 

  1. 名前:高木 新平 Takagi shinpei : 投稿日:2010/08/11(水) 03:57:12

    なるほど。アンドロイドの論点 : 「アンドロイドアプリは儲かるのか?」

  2. 名前:薫平のブックマーク 2010-08-11 | 薫平BLOG : 投稿日:2010/08/11(水) 23:06:23

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