【Androidニュースのまとめ】 2010年12月19日 - 2010年12月24日

[PR記事]

 

12月も残すところ1週間となり、Androidプラットフォームにとって激動の2010年も終わりを迎えようとしている。

世界各国で同じように大きな注目を浴び飛躍を遂げたAndroidは、2011年にはさらに勢力を伸ばし、魅力的な端末、周辺サービスや有力アプリが登場してくるはずだ。そういった期待感を持って今年を終えられることはユーザーにとっても嬉しい。

2010年はまだ1週間あるとはいえ、大きなニュースや話題は今週で最後だろう。各社の仕事納めを間近に控え、年末年始はニュースも少なくなるはずだ。ひと時の休息前の一週間の動きを今週も振り返っていきたい。

【新端末の発売】


(画像 左から001DL、IS06、003Z、IDEOS)

先週は米国で「Nexus S」、国内ではNTTドコモ向けの「REGZA Phone T-01C」、ソフトバンクモバイル向けの「GALAPAGOS 003SH」、イー・モバイルから「HTC Aria」が発売になったが、今週も引き続き新たな端末が登場した。

21日に米DELL製の5インチ・タブレット「DELL Streak 001DL」がソフトバンクモバイルから販売開始となった。この端末は2度に渡る発売延期の後にリリースされたので、予約していた方はヤキモキしていたことだろう。当初は10日、次に17日と発売日が1週間ずつ順送りになり、最終的には21日に発売。延期の理由はシステム不具合及びそのアップデート手順周りの問題の発覚だ。バタバタしたローンチになったが、DELL製のAndroid端末の登場はオーソドックスな仕様を求めるユーザーにとっては喜ばしいことだろう。Android 2.2を搭載し、5インチの大画面でウェブを楽しむことができる。

次にau向けのAndroidスマートフォン「SIRIUSα IS06」が23日にリリースされた。これは韓国Pantech製の端末。この製品もDELL Streak 001DLと同様に海外のグローバルモデルを国内に持ち込んだものになる。そのため国内向けのカスタマイズ範囲は少なく、UIもKDDIがAndroidスマートフォンシリーズで共通採用している「Ocean Observation」ではない。しかし、とてもオーソドックスな仕様で純粋なAndroid端末としてみた場合は魅力的なモデルだ。特にauのISシリーズの中では現時点で唯一のAndroid 2.2搭載機種になるので貴重な存在。

そしてクリスマス・イブの24日にはソフトバンクモバイルから中国ZTE製のスマートフォン「Libero 003Z」が発売になった。Libero 003Zは比較的エントリークラス向けの端末なのでスペックもそれほど高くない。特徴を打ち出しにくい端末だが、日本語、英語、中国語の3ヶ国語を完全サポートしている点を売りにしている。これらの3ヶ国語は表示のみならず入力にも対応しており、海外で活躍するビジネスマンや海外とのコミュニケーションを必要とするユーザーには良い機種になるだろう。

また、今週は他にも国内向け新端末の話があった。MVNOとしてNTTドコモの回線網を使った通信サービスを手掛ける日本通信からAndroidスマートフォン「IDEOS」が発表された。日本通信は中国Huawei製のIDEOSを英携帯電話量販店eXpansysとの協業によって輸入し、自社の通信サービス「b-mobileSIM」とともに提供する。しかも、世界初のモバイルIP電話サービス対応機種としての展開が計画されている。これは、「050」で始まるIP電話をIDEOSで使えるようにするというもので、2011年1月中旬以降にサービスインの予定だ。お小遣い程度の低価格で利用できる点も注目を集めた理由の一つだろう。

【ゲーム】


(画像 左:Dungeon Defenders 右:Angry Birds)

今週はAndroidアプリ市場におけるゲーム分野でも新しい動きや話題があった。一つは米ゲームメーカーEpic Gamesが開発するゲームエンジン「Unreal Engine 3」を使ったアプリが初めて登場したことだ。Unreal Engine 3は美麗なグラフィックを表現できる有力ゲームエンジンで、Epic Gamesはモバイル向けにiOS版とAndroid版の開発に取り組んできた。

このエンジンをゲームデベロッパーTrendy Entertainmentが採用し、一つのゲームに仕立て上げて23日にリリースした。タイトルは「Dungeon Defenders: First Wave」だ。Dungeon Defendersは「Tower Defence」系の要素とアクションRPGのジャンルを融合させたゲームで、ヒットする可能性を秘めたアプリとして早くから注目されていた。Android Marketで2.99ドルで配信されている。

Unreal Engine 3の登場はAndroidプラットフォームにリッチなゲームアプリを揃える有力な助けになる。2011年はUnreal Engine 3を使った美麗グラフィックのゲームが多数リリースされるだろう。

次に興味深い話題はフィンランドのゲームデベロッパーRovioの躍進だ。Rovioは2009年12月にiPhone向けに「Angry Birds」というゲームをリリース。このゲームはその後、Palm webOS、Android、Nokia N8/C7向けにも展開され、累計5,000万以上のダウンロード数を記録した。RovioはiPhone向けにはAngry Birdsを有料で提供し、莫大な売上げを上げている。それに加えて、無料提供しているAndroid版でも注目すべき収益を上げている。同社はAndroid版にはAdMobのアプリ内広告を導入。この広告収益が月間100万ドル以上になることを明らかにした。

Androidは今年、プラットフォームとしては大きな成長を見せたものの、有料アプリ市場の充実化の動きは遅れている。これには幾つか理由がある。1つはAndroid Market上の有料アプリは24時間以内に返品できるようになっていたからだ。24時間もあれば大抵のゲームアプリは十分に遊び尽くせるため、有料ゲームアプリは収益を上げにくい環境にあった。そして、いかにプラットフォームが飛躍したとはいえ全体的なパイは米AppleのiPhoneと比べるとまだまだ小さい。数が出ないことには収益を上げにくく、有力デベロッパーの参入も望みにくい。

とは言え、Rovioの例は特別だとしても、収益を上げられる環境が整い始めてきたことは確かだ。GoogleもAndroid Marketの有料アプリの返品期限を24時間から15分間に大幅短縮した。おそらく2011年には有料アプリ市場も大きくなるだろう。その兆しが見え始めている。

【CES 2011とMobile World Congress 2011】

2011年1月6日から米ラスベガスで世界最大級の家電見本市「CES 2011」が開催される。翌月14日からはスペイン、バルセロナで無線業界最大のイベント「Mobile World Congress 2011」が開かれる。これらのイベントで発表される製品の予告が今週いくつかの企業から行われた。

その中で一番の話題になったのは米Motorolaの最新タブレットだ。同社は1月6日にAndroidを搭載した革命的な製品を披露すると発表した。挑戦的なティザー動画まで用意している。この動画ではiPad、GALAXY Tabを前世代の端末と切って捨て、自らの端末を革命的な製品だと評している。実際の仕様は現時点では不明ながら、Androidの次期最新バージョンである「Honeycomb」(開発コード)を搭載し、NVIDIA Tegra 2 デュアルコア・プロセッサを採用する見込みだ。Motorolaの自信が確かなら、非常に快適な動作を実現したタブレットになっていることだろう。


(Motorolaのタブレット新製品ティザー動画)

次に米大手通信事業者Verizon Wirelessと台湾HTCの話題が注目を集めた。両社はそれぞれ1月6日に4G対応端末を発表すると告知した。この2社の発表がリンクしているとの確証はないものの、HTCがVerizon Wireless向けに次世代通信規格LTEに対応したAndroidスマートフォンを準備しているとの噂は絶えない。噂通りであれば両社は1月6日にこの端末を発表するはずだ。

そして、もう1点大きなニュースがある。日本ではこの話題の方が関心が大きかったかもしれない。

ソニー・エリクソンが2月13日にスペイン、バルセロナで「Xperia」ファミリーの新機種を発表すると告知した。この日はMobile World Congress 2011の開催前日にあたる。おそらくデモ機はMobile World Congress 2011にも出展されるだろう。しかも、ファミリーに加わる機種の数は1つではなく複数と見られている。セールス的な成功を収めた「Xperia X10」(国内ではNTTドコモから「Xperia SO-01B」として販売)の後継機種や、PlayStationとの融合を図ったモデルが発表される可能性が考えられている。

ともかく、1月と2月の両イベントでは多くの端末が発表されるだろう。

Android情報サイトGAPSIS編集長GaAppsがお伝えしました。






  • ※お手持ちの端末や環境によりアプリが利用できない場合があります。
  • ※ご紹介したアプリの内容はレビュー時のバージョンのものです。
  • ※記事および画像の無断転用を禁じます。

執筆者