この週最大の話題は2月28日に開催されたKDDIの新製品発表会だろう。同社はWiMAX対応スマートフォン「htc EVO WiMAX ISW111HT」とAndroid 3.0搭載タブレット「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」を発表した。
その他にも多くのニュースがあるので、紹介していきたい。
今回は先週と記事の構成を変え、企業別に話題を紹介していきたい。というのも、今週は多数の企業からバラバラにニュースが流れたというよりも、いくつかの企業から複数のニュースが多数発表されたからだ。
【KDDI】
KDDIは2月28日に新製品発表会を開催し、台湾HTC製スマートフォン「htc EVO WiMAX ISW11HT」と米Motorola製タブレット「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」を発表した。さらに、Androidマーケットでのキャリア課金を3月31日から導入すること、IS03のバッテリーを単体で充電できる充電器「IS03電池充電器」を3月4日に発売すること、シャープ製スマートフォン「IS05」のCPU仕様を変更して3月10日にリリースすることも発表された。
htc EVO WiMAX ISW11HT
htc EVO WiMAX ISW11HTは昨年夏に米通信事業者Sprint Nextelから発売された端末をベースとしたもので、国内初のWiMAX対応Androidスマートフォン。auの3Gネットワーク及びWi-Fi(IEEE802.11b/g/n)もサポート。計3種のネットワークを介したデータ通信が可能だ。3回線全てに接続できる状況下ではWi-Fiが優先され、次にWiMAX、最後に3Gとなる。ただし、3Gは新800MHzと2GHz帯にしか対応しない。従来の800MHzは非対応なので注意して欲しい。
WiMAXは利用月のみ料金が発生するオプションサービスで、月額利用料は525円。パケット定額サービスの契約は必須ながら、WiMAXを僅か525円の上乗せで利用できるのは魅力的。
OSはAndroid 2.2、CPUはQualcomm Snapdragon 1GHz、ディスプレイは4.3インチ、カメラは8メガピクセル、端末のサイズは67×122×12.8mmで、重さは約170g。発売時期は4月上旬以降の予定。
MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M
KDDIはXOOMの国内販売を発表した。しかも、3G非対応のWi-Fi版だ。auの回線契約をする必要はないので、Wi-Fiでの運用がメインというユーザーには嬉しい話だろう。XOOMは世界初のAndroid 3.0搭載端末で、米国では通信事業者Verizon Wirelessから2月24日に発売された。KDDIは4月上旬以降に販売する。
仕様はOSがAndroid 3.0、ディスプレイは10.1インチ(解像度1,280×800)、プロセッサはNVIDIA Tegra 2 デュアルコア 1GHz、内蔵ストレージ容量は32GBなどとなっている。4月以降に米Adobe Systemsからリリース予定のFlash Player 10.2にも対応する。
Androidマーケットでのキャリア課金を3月31日に導入
KDDIはAndroidマーケット上の有料アプリの支払いで「auかんたん決済」を利用できるサービスを3月31日に導入する。対象アプリは日本円の価格設定がされたものだけだが、利便性は高まる。利用に際しては特に申し込みの必要もなく、アプリの購入時に支払い方法で「auのアカウントに請求」を選べばいいだけだ。ただし、セキュリティパスワードの入力は必要。
IS03電池充電器
KDDIは3月4日に「IS03電池充電器」を発売した。これはIS03のバッテリーを単体で充電できる充電器。通常IS03の内蔵バッテリーは端末にセットした状態でなければ充電することができない。バッテリーを複数持っている方は同時に複数を充電することは難しかったが、これを使えば2個同時に充電可能になる。希望小売価格は2,835円。
IS05
KDDIは3月10日にシャープ製スマートフォン「IS05」を発売する。IS05は当初Qualcomm MSM7630(800MHz)を搭載する予定だったが、MSM8655(1GHz)に仕様変更された。OSはAndroid 2.2で、端末のサイズは112×55×14.1mmでIS03と比較するとややコンパクト。ディスプレイは3.4インチで、解像度は854×480。
【ソフトバンクモバイル】
コンテンツ利用料金をケータイ代とまとめて支払いできるサービス
ソフトバンクモバイルはAndroid Market外のコンテンツの購入においても、ケータイ代とまとめて支払うことのできるサービスを提供する。対応コンテンツは音楽、動画、SNS、ゲーム内アイテムの購入など、多岐にわたる。コンテンツ・プロバイダにとってはスマートフォン向けに有料コンテンツを提供する際に、ソフトバンクモバイルのキャリア課金を利用できるようになるので、ユーザーへ利便性を訴求しやすい。
Libero 003Zのホワイトモデル
昨年12月24日に販売開始となったZTE製スマートフォン「Libero 003Z」に新色が登場する。3月6日にホワイトモデルが発売になる。
【HTC】
HTC Desire、Desire HDに対してAndroid 2.3へのアップデートを提供へ
HTC Nipponは3月1日にプレス向けイベントを開催し、製品戦略を発表した。その中で、既存端末へのOSアップデート計画への言及もあった。同社は「HTC Desire」及び「HTC Desire HD」に対してAndroid 2.3へのアップデートを提供する方針を持っている。時期は未定ながらキャリアの認定を受け次第リリースされる見込み。
Androidタブレット「HTC Flyer」
Androidタブレット「HTC Flyer」を国内投入する方針を示した。現在通信事業者への売り込み中とのことで、まだ確定ではないものの、リリースされる見込み。搭載OSはAndroid 3.0ではなく2.3。2.3はタブレット向けに最適化されたOSではないが、HTCは快適な操作性を実現するために「HTC Sense UI」をタブレット向けに調整した。また、HTC Flyerの最大の特徴はスタイラスによる手書き入力に対応している点。さまざまなシーンで手書き入力によるメモを取ることができる。
ディスプレイは7インチで解像度は1,024×600。プロセッサはQualcomm Snapdragon 1.5GHz、内蔵メモリは1GB RAM、ストレージ容量は32GB。端末のサイズは195.4×122×13.2mmで、重さは約415g。
【サムスン電子】
GALAXY SII、英国で3月中旬以降に販売開始
サムスン電子が2月13日にスペイン・バルセロナで発表したハイスペック・スマートフォン「GALAXY SII」が早くも市場に投入されることがわかった。英国の複数の量販店が3月中旬もしくは下旬以降に初回出荷分の販売を開始する。Android 2.3を搭載し、デュアルコア・プロセッサを採用した最新ハイスペック端末のリリースには大きな注目が集まるだろう。
GALAXY Tabに新モデル登場へ
サムスン電子はGALAXY Tabに関するプレスイベントを3月22日に米フロリダ州オーランドで開催する。同地では同日から無線技術製品の見本市「International CTIA WIRELESS 2011」が開かれる。CTIAではGALAXY Tabシリーズの新モデルが展示されることになるだろう。なお、新モデルは8.9インチのディスプレイを搭載した製品だと考えられている。
【その他の話題】
パナソニックが携帯ゲーム機「The Jungle」の開発を中止した。The JungleはAndroidをベースとしたシステムになる予定だったため、Androidユーザーからの関心も高かった。しかし、日の目を見ることなくお蔵入りとなってしまった。理由は市場の変化と同社の戦略方針によるもの。
今週もGAPSISのGaAppsがお伝えしました。来週もお楽しみに!