東北地方太平洋沖地震発生から3週間が経過したが、未だに被災者の方が置かれた状況の改善に大きな進捗はなく救済活動も劇的な進展はない。福島第一原発の状況も安穏とできるものではない。
しかし、様々な業種で企業活動は平時に戻りつつあり、Android界隈の話題も少しずつ復活してきた。今週はNTTドコモ、Amazon、ソニー・エリクソンの話題を中心に一週間のニュースを振り返っていきたい。
【NTTドコモ】
(1) 国内初Android 3.0搭載タブレット「Optimus Pad L-06C」発売
NTTドコモはLGエレクトロニクス製のタブレット「Optimus Pad L-06C」を3月31日に発売した。Optimus Pad L-06Cは国内初のAndroid 3.0(開発コード「Honeycomb」)搭載タブレットだ。CPUは米NVIDIA Tegra 2 デュアルコア1GHz、ディスプレイは8.9インチ(解像度:1280×768)と、最も基本となるハードウェア構成要素はレベルが高い。デュアルレンズ仕様の5メガピクセル・メインカメラも装備し、3D写真や動画を撮影することもできる。これらの映像はHDMI出力を介して3Dテレビに映し出し、立体で楽しむことも可能。
(NTTドコモ向け LG Optimus Pad L-06C)
また、LGエレクトロニクスは国内の「Optimus」シリーズ機種のユーザー向けに独自のコンテンツマーケット「LG World」をオープンした。ゲームや電子書籍などのアプリ、韓国ドラマなどの動画が配信される。
(2) スマートフォン事業強化へ組織変更を実施
NTTドコモは3月28日、スマートフォン事業強化へ向けた組織変更を発表した。4月1日付けで「スマートコミュニケーションサービス部」を設立する。この部署はこれまでiモードサービスの開発に取り組んできた「コンシューマサービス部」と、黎明期からスマートフォン事業を推進してきた「フロンティアサービス部」の内部組織である「スマートフォン事業推進室」が統合する形で誕生する。
組織変更の効果は同社が今後提供するスマートフォン向けサービスに現れるだろう。例えば「iコンシェル」など、iモード向けサービスのいくつかがスマートフォン向けに調整され、投入される見込み。
(3) スマートフォン向けに基地局データを使った位置情報提供へ
NTTドコモは3月31日からspモードに対応したスマートフォン向けに、同社の基地局データを使った位置情報の提供サービスを開始した。一般的にスマートフォンではGPS機能を使って端末の位置情報を掴むが、GPSは地下・屋内などでは正確な測位が難しい。基地局データはこの欠点を補うもので、地下、屋内などでの位置情報の把握がより正確になる。ただし、基地局データは対応サービスやアプリからしか利用できない。
31日時点では、ゼンリンデータコムの「直感ナビ」、ジョルダンの「乗換案内」、マピオンの「マピオン」が基地局データ取得・利用に対応している。
(基地局データの利用イメージ「NTTドコモ報道発表資料」より)
(4) 夏モデルの新製品発表会を4月中旬から5月以降に延期
日本経済新聞はNTTドコモが2011年夏モデルの新製品発表会の開催を、4月中旬から5月以降に延期すると報じた。理由は震災の影響だ。同社の携帯電話回線網は東北地方を中心に、一部で障害が残っており、完全な復旧には時間がかかる。商品配送の遅延も生じている。これらの影響を考慮し、5月に開催を延期する。同社は当初、スマートフォン市場の拡大及び商品サイクルの早まり傾向から、例年より早い4月中旬に開催する予定だった。
(5) Androidマーケット上の有料アプリの支払いでspモードのコンテンツ決済サービスを選択可能へ
NTTドコモは3月31日からAndroidマーケット上の一部の有料アプリを、spモードのコンテンツ決済サービスを使って購入できるようにした。ただし、”一部の”アプリのみが対象で、具体的には日本円での価格設定がされているものだけになる。それらのアプリに限って、NTTドコモの月々の携帯電話代金と合算して支払うことが可能だ。
(支払い方法選択画面例。「DOCOMOのアカウントに請求」を選び、spモードの4桁のパスワードを入力する。)
【Amazon】
米Amazonはオンラインストレージサービス「cloud drive」と音楽ストリーミングサービス「cloud player」の提供を開始した。cloud driveには、mp3、aacなど音楽ファイル、画像や動画など様々な形式のファイルを無料で最大5GBまで置くことができる。音楽ファイルに関しては、cloud playerを使ってストリーミング再生することも可能。ユーザー自身の音楽コレクションをcloud driveに保管しておけば、インターネット接続が可能な場所であれば、パソコン/スマートフォン問わずにいつでも・どこでもコレクションの楽曲を楽しむことができる。
cloud playerはAndroidスマートフォン/タブレットもサポートし、アプリ「Amazon MP3」に機能が搭載されている。Amazon MP3を使えば、cloud drive内の音楽ファイルを再生できる。しかし、現在cloud playerは米国のみでの提供。
【ソニー・エリクソン】
(1) Xperiaファミリー2011年モデルの一部機種で合法的なブートローダーのロック解除が可能へ
ソニー・エリクソンは2011年に販売するXperiaファミリーのうち、一部の機種で合法的にブートローダーのロックを解除できるようにすると発表した。しかも、安全にロックの解除が行える。対象となる機種は「Xperia arc」「Xperia pro」「Xperia Play」「Xperia neo」の4つ。ただし、通信キャリアによるSIMロックが掛かっていないものに限定される。
ブートローダーのロック解除にはAndroid SDKのFastbootツールを利用する。
(2) Xperia X10に対してAndroid 2.3へのアップデートが提供へ
ソニー・エリクソンはXperia X10に対してAndroid 2.3へのアップデートを提供する方針を明らかにした。同社は以前、Xperia X10におけるOSのバージョンアップはこれ以上ないとしてきたが、突然の方針転換だ。背景には同社がXperia Play、Xperia arcなどの2011年モデルの開発から得られたノウハウがある。同社は2011年モデルの開発を進める中で、Xperia X10にもAndroid 2.3を載せることができることがわかったという。
Xperia X10には、Xperia arcなどの2011年モデルに搭載されるAndroid 2.3をベースとしたシステムが提供される。
【その他の話題&あとがき】
全国の放射線情報を一覧形式で簡単にチェックできるアプリ「放射線チェッカー」がリリースされた。水道水や雨水のデータも確認できる。非常に便利なアプリなので、放射線情報が気になる方にはおすすめだ。以下のAndroidマーケットのページからダウンロードできる。
放射線チェッカー – Android マーケット
Mozillaからウェブブラウザ「Firefox 4」の正式版がリリースされた。タブ、テーマ、アドオンなど様々な機能が搭載されている高機能ブラウザだ。デスクトップ版との各種データの同期も可能。ハイスペック端末でないと動作が重い可能性があるが、期待できるブラウザだ。以下のAndroidマーケットのページからダウンロードできる。
Web ブラウザ Firefox 4 – Android マーケット
HTCが4月12日に英国でプレスカンファレンスを開催する。デュアルコア・プロセッサを搭載するスマートフォンやタブレットが複数発表される可能性があり、注目が集まっている。将来的に日本で販売されるモデルもあるかもしれない。
GAPSISのGaAppsがお伝えしました。来週もお楽しみに!