NTTドコモが2日に2011年度第2四半期の決算説明会を開催し、上期及び今後の取り組み、業績を明らかにした。ドコモは上期だけで363万台のスマートフォンを販売し、通期では従来目標に250万台上乗せし、850万台を目指す。また、2012年度後半にはXiのデータ通信速度を100Mbpsへ、公衆無線LANのアクセスポイント数の拡大も予定されている。今週はドコモの話題を中心にお伝えしたい。
【NTTドコモ、2011年度第2四半期決算発表】
(1) スマートフォン販売台数
3大キャリアの中で事実上Androidに最も力を入れているのがNTTドコモであり、新製品のラインナップもAndroidが中心となっている。加えて、世の中の流れがフィーチャーフォンからスマートフォンへシフトしているので、同社のスマートフォンの売り上げも伸びている。ドコモは上期だけで363万台のスマートフォンを販売した。昨年度は通期で252万台なので、今年のペースは圧倒的だ。この勢いは今後も予想されるので、ドコモは年度始めに立てた通期目標600万台を上方修正し、850万台とすることを決めた。
クリックで拡大(NTTドコモ決算説明資料より)
ドコモは最終的には2015年度を目途にスマートフォンの契約者数を4,000万件にまで引き上げる計画だ。
(2) 次世代通信サービス「Xi」
ドコモは昨年12月より次世代通信規格「LTE」のサービス「Xi」を提供開始したが、9月末時点での契約数は39万件に留まる。しかし、2015年度には3,000万件を目指しており、将来的には現在FOMAを利用しているユーザーのほとんどがXiへ移る見込みだ。同社は順次移行を促し、まずは今冬Xi対応スマートフォンを4機種投入する。これまではデータ通信端末のみだったが、スマートフォンがリリースされることで契約数が大きく伸びる可能性が期待される。
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また、Xi対応スマートフォン向けの料金プランも新たに用意された。
着々と進むXiの準備だが、データ通信速度面でも大きな飛躍が予定されている。2012年度後半には下り最大速度が100Mbpsに引き上げられる見通しだ。現行では75Mbps。また、カバーエリアも順次拡大する。2011年度末には人口カバー率25%、2012年度末には60%、2014年度末には98%に達する見込み。
(3) 公衆無線LANサービス
通信各社は近年、特に今年に入ってから公衆無線LANサービスの拡充に本腰を入れ始めている。パケット通信網がスマートフォンの普及拡大に伴いパンク寸前と言われていることも理由の一つで、各社はエリア拡大に注力している。ソフトバンクモバイルはすでに10万アクセスポイントを超える数を設置済みで、単純な数の比較では頭一つ抜けている。一方、ドコモも着実な準備を進めている。
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なお、ドコモは特定のプランを契約しているユーザーに対しては公衆無線LANサービスの月額使用料を2013年3月31日までは無料化している。
(4) 災害対策
東日本大震災以降、ドコモは災害対策への投資も進めている。大規模災害や停電時においても基地局が機能し、携帯電話がある程度利用できる環境を整えることが基本線で、大ゾーン基地局の設置、基地局の無停電化、バッテリー24時間化などへの取り組みが行われ、これらは12月末には一区切りつく予定。ほかにも、衛星携帯電話、衛星エントランス回線の充実、非常用マイクロエントランス回線設備の配備などにも30億円程度を掛け、2012年3月末までには完了する見込み。
クリックで拡大(NTTドコモ決算説明資料より)
また、首都圏での直下型の大地震を想定し、重要設備の地方分散も進められている。メイン設備は首都圏から動かないが、西日本(関西・九州)にバックアップ設備が新設される。全国顧客情報管理システム、パケット通信プラットフォーム、インターネット接続などのバックアップが整備される予定だ。
【新商品・業界ニュース】
(1) Motorola XOOM 2
米Motorola Mobilityは11月中旬以降に英国、アイルランドからタブレット新製品を順次リリースする。同社が今春リリースした「Motorola XOOM」の後継機種「Motorola XOOM 2」と「Motorola XOOM 2 Media Edition」だ。今回はディスプレイサイズ違いで2モデル用意される。前者のサイズは10.1インチ、後者は8.2インチ。しかし、解像度を含めた端末の基本的仕様は共通だ。
左:XOOM 2、右:XOOM 2 Media Edition
OSはAndroid 3.2で、将来的にAndroid 4.0へのアップデートが提供される予定。解像度は1280×800。プロセッサはTI OMAP 4430 デュアルコア1.2GHz、内蔵メモリは1GB RAM、16GBストレージ、カメラは背面に5メガピクセル、前面に1.3メガピクセルの構成。端末のサイズはXOOM 2が約253.9×173.6×8.8mm、XOOM 2 Media Editionが約216×139×8.99mm、重さは順に約599g、約386g。
旧モデルと同様に非常にオーソドックスなAndroidタブレットとなっている。
※Android端末からご覧の方は、下のリンクよりYouTubeアプリを起動してご覧ください。
・Introducing MOTOROLA XOOM™2 & XOOM™2 Media Edition
(2) カシオ、MEDIASシリーズとの連携機能を持つG-SHOCK「GB-6900」を発売延期へ
カシオ計算機はタイで発生した洪水の影響により、12月下旬発売予定だったG-SHOCK「GB-6900」を発売延期することを決めた。同社の工場、カシオタイでの生産活動が洪水のため停止し、予定通りに発売することができなくなった。新たな発売日は見通しが立ち次第アナウンスされる。
下に掲載した動画にはその連携機能を収めている。
※Android端末からご覧の方は、下のリンクよりYouTubeアプリを起動してご覧ください。
・NECカシオ製MEDIAS PP N-01Dデモ機の紹介
(3) Google TVが大幅アップデート。Android Marketが利用可能に
米Googleは11月第一週よりソニー製テレビ「Sony Internet TV」に対するGoogle TVプラットフォームの大幅アップデートを提供開始した。Google TVはAndroidベースのテレビ向けプラットフォームで、昨秋ソニーとLogitechから対応製品がリリースされた。今回、Sony Internet TVへのアップデートが提供されたことで、製品の魅力が大きく向上した。
今回のアップデートではホーム画面のカスタマイズが可能となり、検索機能も改善された。特にYouTube動画を探す際の検索性が向上している。そして最大の改善内容は、Android Marketのサポートだ。これにより、Google TVにAndroid Marketからアプリを追加インストールすることが可能となった。
【ソフトウェア更新情報】
(1) NTTドコモ向けXperiaシリーズ4機種、AQUOS PHONE SH-12C、REGZA Phone T-01C、Optimus bright L-07C
REGZA Phone T-01CとAQUOS PHONE SH-12Cには10月31日より、Optimus bright L-07Cには11月1日より、Xperia SO-01B、Xperia arc SO-01C、Xperia acro SO-02C、Xperia ray SO-03Cには11月7日よりソフトウェア更新の提供が開始している。
T-01C、SH-12C、L-07Cに対するものは基本的には不具合対策を主としたものだが、Xperiaシリーズ4機種に対するものは、機能アップデートなので、いくつかの機能が新たに追加、もしくは機能改善が図られている。
詳しくは下記リンク先ページより、該当の機種のリンクを辿って確認してほしい。Xperiaシリーズについてもその下のリンク先ページを参照。
・ソフトウェアアップデート | お客様サポート | NTTドコモ
・ニュース&トピックス | 会社情報 | ソニー・エリクソン
(2) KDDI向けREGZA Phone IS04
KDDIは11月1日よりREGZA Phone IS04に対する最新のソフトウェア更新を提供開始している。今回は、下記の不具合対策が主な内容。
・ワンセグを起動すると、予期せずエラーが発生する場合がある
・Cメールアプリの不具合対策
アップデートはパケット通信、Wi-Fi、パソコンを利用する方法などで行うことができる。詳細は下記リンク先ページで確認してほしい。
・ケータイアップデートのお知らせ | ケータイアップデート | au by KDDI
【あとがき】
ドコモのスマートフォン販売が好調なことが第2四半期決算発表によって明らかになりました。KDDIも上期に191万台のスマートフォンを販売しています。下期の端末販売においてはますますスマートフォンの占有率が上がりそうですね。
ところで、KDDIがラーメン Walkerと協力して面白いキャンペーンを始めています。「ラーメン王決定戦」です。期間中にauケータイやauスマートフォンを持って、対象ラーメン店に数多く行き、その回数を競うものです。ラーメン好きの方は参加してみてはいかがでしょうか?
今週もGAPSISがお伝えしました! 来週もお楽しみに!