「あなたにとって懐かしいゲームはなんですか?」という問いには、人によって(世代によって)、様々な答が返ってきます。そういう意味で、一口に「ゲーム」といっても世代で感覚がだいぶ違いますね。
今回取り上げるアプリは、そういう観点から言えば非常に「マニア向き」と言える内容です。40代以降の高齢(失礼!)ゲーマーの方には「懐かしい」というよりは「原点」とも言えるものです。
このアプリ、『Atari’s Greatest Hits』は、米アタリ社の黄金時代を築き上げた名作を網羅した、資料的価値もある逸品。
もちろん収録されているゲームは購入して遊ぶことだって可能です!
このマークは当時のゲーマーたちのステータス
アタリ社と言えばこのアタリマーク。実は富士山がモチーフとされていて、社名そのものも囲碁用語という、以外に日本とは縁のある会社です。
アタリ社の創業は1972年。当初はアーケードゲーム関係の仕事が主流でしたが、あの伝説のゲーム「ポン」の制作販売で一気に大躍進。
実は、その黄金期に、アップル創設以前のスティーブ・ジョブズ氏が働いていたりします。
アタリ社の急成長振りは凄まじく、その分会社が傾きかけると「アタリショック」という不景気まで起こりました。紆余曲折はありましたが、アタリ社は現在でもゲーム会社として存在しています。
世界中のゲーム会社に良くも悪くも影響を与えた存在
本アプリでは、そんなアタリ黄金期の傑作アーケードゲームと、家庭用ゲーム機「Atari2600」のゲームタイトルが、様々な資料と共に収録されています。
当然海外製アプリで、全文英語なのですが…アーケードゲームマニアな方には資料集的な意味合いも含めてチェックしておきたい1本です。アプリ本体だけなら無料ですしね!
まずはアーケードゲームから見ていきましょう。
ミサイルコマンド完全復活!敵のミサイルを迎撃せよ!
「ミサイルコマンド」
このゲームだけは実際に遊べます。内容は時代を反映しており、「敵国からのミサイル攻撃を迎撃ミサイルで防ぐ」という、現職の某大統領が聞いたら真っ青になりそうなゲームです。
昔のゲームセンターではこの「アップライト型」筐体が主流でした。販売は1980年とされており、操作にはトラックボールが採用されていました。
黄色と黒の筐体デザインが非常に強烈な「ポン」。全てのアーケードゲームの始祖と表現しても間違いではないでしょう。発売は1972年というのですから40年前の話です。
昔のアーケードゲーム、特にアップライト型の筐体を採用した物の多くが、派手なカラーリングを施されていました。
また、ゲームセンターだけに置かれた訳ではなく、当初は酒場などにも設置されていました。最近では聞かれなくなった「アーケードゲーム=不良」というイメージは、この頃からの流れです。
家庭用ゲーム黎明期の傑作ゲーム機
次は「Atari2600」のゲームタイトルです。こちらは我らがファミコン(1983年発売)よりも早く、1977年に発売された家庭用ゲーム機です。
ゲームタイトルはカートリッジ式、コントローラーや光線銃などの外部入力機器を備えていました。
ちなみに、このときに採用されたインターフェースは「アタリ規格」として、日本のゲーム機や家庭用PCにも数多く採用されました。
ミサイルコマンドを実体験しよう
先述しましたが、収録されているタイトルの中で「ミサイルコマンド」は実際にプレイ可能です。
ゲームルールはシンプルで、降り注ぐ敵のミサイルを迎撃するだけ。画面下段の操作パッドで照準を移動させられますし、そのままスワイプでも操作可能。
ミサイルボタンは全部で3つ。押すと該当する基地から発射されますが、発射可能なミサイルには限りがあります。
ミサイルは敵弾に命中すると爆発します。円状に広がる爆風を上手く使って、複数の敵ミサイルを誘爆させるのがポイントです。
基地が全滅するとゲームオーバー!非常にシビアなゲームです。
ちなみに収録されているアーケードゲームは購入も可能なので、往年の名作を思う存分楽しむこともできます。
正直、コアなゲームファン以外にはちょっとおすすめし難いアプリです。
しかし「アタリ」という言葉に甘酸っぱい記憶と、電子音独特のノイジーなサウンドを思い出してしまう方には、必携のアプリと言えるでしょうね。