【Androidニュースのまとめ】 2012年6月23日 − 2012年6月29日

[PR記事]

 


先週は米Googleが毎年恒例の開発者向けイベント「Google I/O」を開催し、その会場でいくつかの新発表を行った。Androidの最新バージョン4.1(開発コード「Jelly Bean」)、7インチタブレット「Nexus 7」、メディアプレイヤー「Nexus Q」などだ。また、国内では総務省がプラチナバンド700MHz帯の割当を決定した。NTTドコモ、KDDI/沖縄セルラー、イー・アクセスが免許を取得した。



Google I/O 2012

(1) Android 4.1(Jelly Bean)




GoogleはAndroid OSの最新バージョン4.1(Jelly Bean)を発表した。今回のバージョンは現行の4.0(開発コード「Ice Cream Sandwich」)からのメジャーアップデートではなく、バージョンは5.xにはならなかった。アップデート内容には画期的な新機能は見当たらない。しかし、Android 4.xを実用上使いやすくする重要な内容がいくつか盛り込まれている。単にバージョンが0.1上がっただけ、と軽く扱ってはならない内容だ。






特に内部にまで手が加えられた高速化が肝だ。Android 4.1では、画面描画処理のフレームレートが60fpsに調整されている。タッチ操作の性能も向上され、ユーザーが端末を触る上でのレスポンスに関わるストレスが軽減される。さらに、ホーム画面のウィジェット配置処理も改善される。従来はウィジェット追加時には必要なスペースをユーザーが予めホーム画面を整理して空けておく必要があった。しかし、Android 4.1では、OSが自動的にサイズ変更やスペース確保を行ってくれる。


他にも、アイコン削除の操作がはじくジェスチャでできるようになったり、通知機能が拡充されたり、入力機能の強化など盛りだくさんだ。詳しくはこちらのリンク先(GAPSIS該当記事)もしくはAndroid Developersの公式資料(英文)で確認してほしい。

(2) Nexus 7

Google自身の製品ブランド「Nexus(ネクサス)」シリーズに初の7インチ・タブレットが加わることになった。7インチ、解像度1280×800のIPS液晶を搭載するタブレットで、OSには最新のAndroid 4.1を採用する。端末の製造メーカーは台湾のASUSで、発売は7月中の予定。価格は内蔵ストレージ容量違いで異なり、8GBモデルは199ドル、16GBモデルは249ドルだ。




Nexus 7はボディサイズ約198.5×120×10.45mm、重さ約340gと、モバイル性が高い点、そして低価格という点が魅力だ。しかも安価な割にスペックも高い。NVIDIA Tegra 3を採用し、高速パフォーマンスを実現する。ネットワークは3Gには非対応で、Wi-Fiオンリーだ。


Introducing Nexus 7 | YouTube


(3) Nexus Q





Googleは「Nexus」シリーズに全く新しい製品カテゴリを加えた。クラウドメディアプレイヤーだ。製品名は「Nexus Q」。この端末にもAndroidが搭載されているが、メディアプレイヤーとしての利用を考えたハードウェア設計がされている。Nexus QはGoogle PlayやYouTubeなどのネットワークサービスへアクセスして利用するハードで、Google Play上の動画や音楽などをストリーミング再生して楽しむことができる。当然、テレビなどの大型スクリーンに接続したり、他の機器との連携を図って利用する。


しかも、Androidスマートフォン/タブレットとの連携も可能で、例えばモバイル端末内の音楽データなどをNexus Qを介して楽しむこともできる。Nexus QにはWi-Fi、Bluetooth、NFCなどの通信機能が搭載されている。

発売時期は7月中旬の予定で、価格は299ドル。

How Nexus Q Works | YouTube

新製品

(1) ドコモ「ドライブネットクレイドル 02」





NTTドコモ(以下、ドコモ)は6月29日、「ドライブネットクレイドル 02」を発売した。この製品は5インチ・スマートフォン、7インチ・タブレットを利用しているユーザーが、その端末でカーナビゲーション・アプリを使う際に便利だ。クルマのダッシュボードに端末をしっかりと固定することができる上、クレイドル自体に内蔵されたGPS、加速度センサー、ジャイロセンサーなどのセンサー類を利用できる。


このクレイドルとドコモのカーナビ・サービス「ドコモ ドライブネット」を組み合わせることで、本格的なカーナビ・システムを手軽に構築できる。渋滞情報もVICS情報、スマートループ渋滞情報を利用できる。スマートフォン/タブレットとの通信はBluetoothを利用し、ワイヤレスで行われる。

通信サービス

(1) 総務省、700MHz帯の免許をドコモ、KDDI/沖縄セルラー、イー・アクセスに交付へ

プラチナバンドと称される周波数帯の一つ、700MHz帯の割当が決着した。総務省は6月28日、700MHz帯の3枠をNTTドコモ、KDDI/沖縄セルラー、イー・アクセスに割り当て、免許を交付した。利用できる帯域は、KDDI/沖縄セルラーが773MHz~783MHz、NTTドコモが783MHz~793MHz、イー・アクセスが793MHz~803MHz。

障害物などがあっても迂回して届くなど、携帯電話向け電波として利便性が高く、プラチナバンドと称される700MHzはこの3社に割当が決まった。各社は準備を整え、2015年1月以降に順次サービスを提供開始する予定だ。なお、同じくプランナバンドを称される900MHzはソフトバンクモバイルが利用認可を受けている。

(2) KDDIが夏の各種イベントに向けた通信対策を発表

KDDI、沖縄セルラーは今夏、全国各地で行われる夏祭りや花火大会などの各種イベントにおける通信対策を発表した。通常、大勢の人が集まる大規模イベントの会場などでは携帯電話が繋がりにくい状況が発生しがちだ。同社は予めその状況の発生が予想される夏のイベントに向け、対策を準備している。

臨時のWi-Fiスポット、車載型基地局、可搬型基地局などを出動させる予定だ。同社は各イベントにおける対策状況を下記リンク先ページにて公開しているので関心のある方はチェックしてみよう。

イベント対策|つながる自由。|au

(3) JALとANAが国際線の機内でWi-Fiサービスを提供へ

JAL(日本航空)は7月15日より国際線の機内でインターネット接続サービスの提供を開始する。サービス名は「JAL SKY Wi-Fi」で、Wi-Fi(無線LAN)のサービスになる。乗客は自分で持ち込んだノートPCやスマートフォン、タブレットなどのWi-Fi機器を専用のアクセスポイントに接続し、インターネットを利用することができる。サービスは有料で、1時間までで11.95ドル、24時間までで21.95ドルだ。JALカードなどの割引対象カードで支払う場合には1ドル~2ドル程度安くなる。

まずはニューヨーク線から提供開始となり、シカゴ線、ロサンゼルス線、ジャカルタ線と順次展開され、来春にはロンドン、パリなどの欧州線でも利用可能になる見込み。

一方、ANA(全日本空輸)も同種のサービスを提供する。こちらは来夏よりスタートする予定で、やはりWi-Fiスポットを設置する。乗客はノートPC、スマートフォン、タブレットなどのWi-Fi端末からアクセスし、インターネットを利用できる。対象機はボーイング777-300ER、767-300ER。料金体系などは未発表で、将来詳細と共に発表される見込み。

あとがき

Google I/O 2012が先週開催されました。Android 4.1、Nexus 7、Nexus Qなど、様々な発表が行われました。また、Androidプラットフォームの成長振りも紹介されています。昨年のI/O時の累計アクティベーション数は約1億ですが、今年は何と4倍の4億にまで伸びています。この数字はおそらく2013年には数倍になるはずです。驚くべき増加ペースです。とはいえ、最新バージョンのAndroid 4.1のインパクトはそれほど大きくなかったかもしれません。それでも、パフォーマンスの高速化はユーザーの満足度向上に直結する重要な要素ですので、4.1のリリースが待ち遠しいですね。

下に掲載したキーノートの動画の9:00辺りからご覧になってみて下さい。Android 4.1と4.0のアニメーション速度の比較実験が行われています。動画中、並べられた端末は右がAndroid 4.1で、左がAndroid 4.0です。

Google I/O 2012 – Keynote Day 1 | YouTube

GAPSISがお伝えしました。次回もお楽しみに!






  • ※お手持ちの端末や環境によりアプリが利用できない場合があります。
  • ※ご紹介したアプリの内容はレビュー時のバージョンのものです。
  • ※記事および画像の無断転用を禁じます。

執筆者