NTTドコモ(以下、ドコモ)は22日、今春モデルの発表を行った。スマートフォン9機種、タブレット2機種、モバイルWi-Fiルーター1機種、ホームルーター1機種、テレビ向けスティック型端末が1機種というラインナップだ。今回の記事では、ドコモのラインナップの概要を紹介したい。
ドコモ春モデル・ラインナップ
発表会には堀北真希さん、渡辺謙さんも招かれた。
ドコモの春モデルの新スマートフォンは計9機種だ。すでにシャープ製「AQUOS PHONE EX SH-04E」は発売されている。残る8機種も順次リリースされていく予定だ。ラインナップのリストは下記の通り。
・Xperia Z SO-02E(ソニー製)
・スマートフォン for ジュニア SH-05E(シャープ製)
・ARROWS X F-02E(富士通製)
・ELUGA X P-02E(パナソニック製)
・AQUOS PHONE EX SH-04E(シャープ製)
・MEDIAS X N-04E(NECカシオ製)
・MEDIAS W N-05E(NECカシオ製)
・Ascend D2 HW-03E(ファーウェイ製)
・Optimus G Pro L-04E(LGエレクトロニクス製)
今回のラインナップでは、全機種がXiに対応し、うち1機種が下り最大112.5Mbps、残りの機種が100Mbpsの速度に対応する。112.5Mbps対応機はファーウェイ製の「Ascend D2 HW-03E」だ。
また、9機種中4機種が5インチサイズ・フルHD解像度のディスプレイを搭載する。さらに、8機種がクアッドコアCPUを搭載し、全機種がAndroid 4.1を採用する。そして、バッテリー容量は7機種が2,000mAhを超える。NFC対応機種も5機種ある。
昨年の夏モデル、秋・冬モデルと比べてスペックの偏りが少なくなり、ラインナップ全体としてスペックが底上げされ、均一化されてきた印象だ。どの端末をとってもそれなりに快適なパフォーマンスを発揮するレベルで、FOMAのフィーチャーフォンを使っていてスマートフォンへの買い替えを検討している方、もしくは2年前のスマートフォンを使っていて機種変更を考えている方にとっては、購入の良いタイミングかもしれない。
特に「Xperia Z」はデザインを含めてかなり魅力的で、ドコモ自身も推している。そして「MEDIAS W」も変わり種として面白い。しかも実際に使いやすい。
Xperia ZとXperia Tablet Z
2画面折り畳み型のMEDIAS W。“可変”端末として展示会場でも大きな注目を集めた。
タブレットは2機種だ。ソニー製の「Xperia Tablet Z SO-03E」とファーウェイ製の「dtab」。Xperia Tablet Zはこの春のラインナップにおいて注目のタブレットで、デザインはXperia Zと共通で、シンプルなストレートスタイルを持つ。また、ガラス素材を採用し、クリアな印象を見せるXperia Zと異なり、Xperia Tablet Zではマットな質感を採用し、若干の違いを持たせている。好みの問題だが、タブレットについては大きさもあるため、マットな質感の方が持ちやすく、かつ高級感が出ているようにみえる。Xperia Tablet ZはかなりオススメのAndroidタブレットだ。
Xperia Tablet Zの背面はマットな表面でオシャレかつ持ちやすい。
次にdtabだが、こちらはドコモが“対Kindle Fire”シリーズを意識して投入するエントリーモデルだ。キャンペーンを利用すれば、何と9,975円で購入できる。安いからといって基本スペックは悪くない。クアッドコアCPUを搭載するなどパフォーマンスは十分だ。ただ、デザイン・筐体は値段なりで平凡だ。とはいえ、かなり気になる製品だ。
dtabは超低価格タブレットとして普及するか?
ただし、キャンペーン価格で購入する場合、ドコモの回線契約及びspモード契約がすでにある方で、「dビデオ」を6ヶ月間契約できる方に限られるので注意が必要だ。そのため、基本的にはドコモのスマートフォン・ユーザーがお安く買えるキャンペーンということになる。標準価格は25,725円だ。
ドコモが春に投入するモバイルWi-Fiルーターはファーウェイ製の「HW-02E」1機種のみ。1月にLGエレクトロニクス製の「L-03E」を発売したばかりのドコモだが、L-03Eとは性格の異なるルーターを投入することになる。L-03Eは3,600mAhのバッテリーを搭載し、モバイルチャージャー機能を有するなど、かなり機能が“てんこ盛り”の端末だ。一方、HW-02Eは、L-03Eほどの機能はないものの小型軽量でお洒落な端末。ただし、1点、L-03Eを上回る機能があり、HW-02Eは下り最大112.5Mbpsに対応する。L-03Eは100Mbps対応なので、上限速度ではHW-03Eが上回る。
HW-02Eは3色のカラーラインナップが用意される。小型でオシャレだ。
バッテリー容量についてもHW-02Eはバッテリーを交換可能なので(L-03Eも可能)、予備バッテリーを持てば十分長時間の運用も可能だ。
最新のラインナップとしてはL-03EとHW-02Eで良い組み合わせだろう。特にルーターをルーターとしてしか使わない場合にはL-03EよりもHW-02Eの方が不必要な機能が削ぎ落された分、スマートかもしれない。
“春モデル”として紹介する機種ではないかもしれないが、ドコモは家庭用のルーター「Home Wi-Fi」をリリースする。この製品はレンタル提供される。ドコモが指定するパケット定額サービスもしくはデータ専用通信プランを契約している方であれば無料で借りることができる。それらのサービスを契約していない方の場合は月額315円で借りられる。そして2年間のレンタル期間が終了するとHome Wi-Fiは無償譲渡される。家に無線LAN環境がないドコモユーザーにとってはおトクなサービスとなる。
ドコモは「スマートホーム」構想を提案し、動画・音楽などのファイルサイズの大きなコンテンツをやり取りするネットワークとしてユーザーの家庭へWi-Fi環境を構築することをサポートするため、Home Wi-Fiを投入する。
SmartTV dstickはテレビのHDMI入力端子に接続するスティック型の端末だ。Wi-Fiを内蔵し、Wi-Fi経由で「dビデオ」「dアニメストア」「dヒッツ」などのドコモのサービスを利用し、各種コンテンツを楽しめる。さらに、「Twonky Beam」の技術を活かし、パケットビデオ社が開発協力した機能「SmartPlay by Twonky」を利用し、YouTubeの動画や、ホームネットワーク上のパソコン、スマートフォンに保存された動画・音楽をdstickを接続したテレビでワイヤレスで楽しむ事も可能だ。
dstickは3月以降にドコモオンラインショップで8,925円で販売開始となる予定だが、合計70,000名に無料提供されるキャンペーンも用意されている。このキャンペーンを利用して入手できればおトクだろう。キャンペーンサイトは下リンクだ。
dstick プレゼントキャンペーン | NTTドコモ
HDMI入力端子に挿したdstick。平均的なUSBメモリより少し大きい程度のサイズだ。電源はUSB端子から供給する。
ドコモが早くも今春モデルの新商品を発表しました。その数はタブレット等も含めれば10機種以上です。KDDIは「INFOBAR A02」のみを先行発表し、残るラインナップは未発表、ソフトバンクモバイルは昨秋に今冬・今春モデルを合わせて発表しているため、今後の新機種発表はまだ先になることでしょう。やはりラインナップの数に関してはドコモが頭一つ抜けています。しかし、矢継ぎ早に新機種を発表されるのはユーザーにとっては困り者でもあるかもしれません。例えば、冬モデルを買ったばかりのユーザーからすると、「え? もう次が出るの!?」という思いがしないでもありません。どうしても世間の注目は「最新」モデルに集まりがちですし、わずかな期間で「型落ち」した気になるのは寂しいものです。もちろん、しっかりと仕様を確認すると、秋・冬モデルも十分ハイスペックですが。しかし、個人的にはサイクルはもう少し長めでもよいのかな、と思う今日この頃です。
……という個人的考え抜きに新モデルのラインナップを見ると、その顔ぶれは魅力的です。なんと言ってもフルHDディスプレイ搭載機種がスマートフォンで4機種もあります。私は現在「HTC J butterfly」を愛用していますが、5インチ・フルHDの奇麗さは尋常ではありません。今回のドコモのラインナップでもそれは同様です。
機種変更を検討している方には今回の春モデルはぜひチェックしてほしいところです。
GAPSISがお伝えしました。次回もお楽しみに!