パソコン使いなら一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
avast!、AVG、Avira。この有名な3つのフリーセキュリティソフトを勝手にAAAなどと呼んでた頃が僕にはありました(痛)。
パソコン用無料アンチウィルスソフトとしても有名なAVGが、Android用アプリとして『アンチウイルスフリー – AntiVirus FREE』を提供しています。
ちょうどavast!とAviraにもスマホ版があったので、後で対決させてみたいと思います。
アプリ初回起動時には推奨設定を使用するかが尋ねられます。
電池が減った時に警告してくれたり、ウェブサイトに悪意あるツールが埋め込まれていないか監視してくれたり、SMSに変なものが混じっていないかチェックしてくれたり(国内では対応していないことが多いため比較的安全ですが、海外で主流といわれるマルウェアのほとんどがSMS(プレミアムSMS)を使うという統計もあるようです)といった設定を有効化するかということを聞かれます。
基本的に有効化しておいたほうが良いでしょう。
続いて利用規約、プライバシーポリシーを読んで理解したら「アクティベート」ボタンを押してアンチウィルスを有効化します。
スキャンが終わると脅威が2個見つかっていました。な、なんだってー!?
背筋に冷たいものを感じながら詳細を見てみると…、
見つかった脅威は「USBデバッグ」と「提供元不明のアプリ」が有効化されているという内容です。
順番に説明します。
「USBデバッグ」は、アプリケーションの開発者などが自分の作ったアプリをAndroid端末(実機)にインストールして動作確認を行う時などに詳細なログを得るために有効化する項目です。USBデバッグを有効化しただけで端末に誤作動が起こったり情報が漏れることはありませんが、問題は使い終わった後でUSBデバッグの無効化を忘れた場合です。
Android SDKの入ったPCとAndroid端末をUSB接続した際にUSBデバッグが有効化されていると、ADB(Android Debug Bridge)を認識します。これによって、たとえ端末にロックをかけていてもパソコンでコマンドを打つだけでAndroidを操作できるようになります。
まず滅多に起こり得ないことではありますが、万が一悪意ある第三者に端末を盗まれた場合、画面を点けた時に出てくる「ロック画面」が何の役にも立たなくなる可能性があるため、USBデバッグは使い終わったら無効化して(可能であれば再起動もして)おくことが推奨されています。
続いて「提供元不明のアプリ」という項目について。
Android用アプリは基本的に公式のマーケットであるGooglePlayにて販売・提供されています。が、ネット上にアプリのパッケージ(apkファイル)が転がっていることも多いです(例えばアップローダなど)。
こうした「GooglePlayを介さないアプリ」をインストール可能にする設定が「提供元不明のアプリ」です。
公式マーケットを介さないため、Googleがマーケット登録時に行う不正チェックなども当然行われておらず、危険度が極めて高い(全てが危ないというわけでなく、安全か不正かの判断がつかない)ものになります。
Android 4.2が登場してからは、こうしたアプリに対する対策も若干進みました。
「Google設定」という緑色のアイコンをしたアプリが突然端末に出現してびっくりされた方もいるんじゃないでしょうか。
この中に「アプリの確認」という項目があり、これを使うと、GooglePlayを介さずに直接アプリをインストールしようとした時にそのアプリのデータをGoogleのサーバに送信、不正がないかをチェックしてくれるようになっています。
とはいえ提供者が不明のapkなどもウェブ上にはザラに存在しますので、使わないに越したことはありません。必要ない場合は「提供元不明のアプリ」のチェックも外しておくことが推奨されます。
「保護」項目にある「アップデート」というのはウィルス定義ファイルの更新のことだと思われます。
「ウィルス定義ファイル」とは、その名の通りウィルスを定義する、つまり「こういうものがウィルスだよ!」という定義です。どんどん生まれ続ける最新の脅威に素早く対応するためにも、ウィルス定義ファイルは常に最新に保ちたいもの。
定義ファイルの自動アップデート間隔を指定できるソフトもありますが、そのような機能が見当たらない場合は基本的に一定頻度または定義が更新され次第即座に更新されると思いますので、下手に弄らないほうが良いでしょう。とはいえ、不安な場合は手動でアップデートしてみるのも良いかもしれません。
また、大抵のセキュリティソフトには定期的にスキャンをかける機能が搭載されています。
本アプリの場合も、左側の画像(保護項目)の3番目にありますね。
これも同様に、できる限り頻度が高いほうが安全ではあります。しかし、スマホなどに採用されているFlashメモリは基本的に消耗品であり、読み込み、書き込み回数が増えれば増えただけ”寿命”が縮みます。
フルスキャンを実行する場合メモリに大きな負担がかかるため、例えば1日に1回とかにしてしまうとパフォーマンスにも影響を与えかねません。
本アプリでは「日に1回」「週に1回」「なし」から頻度を選べますので、デフォルトの「週に1回」が適していると僕は思います。
この他、「パフォーマンス」項目にはタスクキラーやバッテリー消費チェッカー、データ使用状況確認項目などもあり、電池残量や通信容量が嵩んだ時にアラートを鳴らす機能もついています。
トラフィックモニター(データ使用量の確認)は通知領域に表示させることもできます。
また、通信容量が指定した値を超えるとアラートを鳴らす「データプラン設定」では、例えば「1ヶ月間で2GB」「1週間で200MB」など、期間と容量を細かく指定することができます。
OCNやIIJなどのMVNO SIMを利用する場合にも”上限”値を指定できますので、幅広い方のお役に立つと思います。
「プライバシー」項目を開いてみると、上2行に「PRO」と書かれた項目がありました。
端末ではなくアプリ個別にパスワードロックをかけることができる機能と、アプリをSDカードにバックアップする機能です。
この2つはアンチウイルスプロ(1399円)を買わないと使えない可能性がありますが、表記されている通り14日間お試しできるみたいです。興味がある方はぜひ。
更に、このページから「カテゴリ別のデータを消去」を選ぶことで、特定のデータのみを選択的にクリーンアップできるようになります。
端末に紐付けたアカウント情報や通話履歴、SMS/MMSの送受信記録、ブラウザの履歴などを「これとこれだけ消したい」と思った時に威力を発揮します。
1つ上の「デバイス内データを消去」でフルワイプも可能です。
冒頭で書いた通り、『アンチウイルスフリー(AVG)』と『Mobile Security & Antivirus(avast!)』と『Avira Free Android Security』の3つをインストールした端末に3種類のニセウィルス(テスト用アプリ)をインストールして、きちんと検知するかどうか調べてみました。
検証に使用したニセウィルスは以下のものです。
・Antivirus TESTVIRUS – Google Play の Android アプリ
・Zoner AntiVirus Test – Google Play の Android アプリ
・EICAR Anti-virus Test – Google Play の Android アプリ
1つ目、『Antivirus TESTVIRUS』は上の画像の通り。セキュリティアプリ3つが共に検出しました。
2つ目の『Zoner AntiVirus Test』をインストールした際の結果は次の通り。
これも3つとも検出しました。
3つ目の『EICAR Anti-virus Test』の結果は次の通り。
こちらも3つとも検出成功。
AVGもavast!もAviraも、ロングヒットの秘訣は決して無料だからというだけでなく、きちんとした実力があるからこそということでしょうね。
とはいえ、こうしたセキュリティアプリは「100%安全を保証する」ものではありません。
先程もチラッと書きましたが、脅威というものは今この瞬間にも続々と生まれ続けています。アンチウィルスはそうした脅威に常に対応するために毎日更新を続けてくれています。
道にお金を落とす人がいれば拾う人もいるように、悪意あるプログラムやコードを作る人がいれば防ぐ人もいるということです。
テクノロジーがどんどん進歩し、数年前よりもはるかに「ネット」が身近になった現在、こうしたアプリで自分や友達、家族のプライバシーをしっかりと守りながら安全快適な環境で使うことを心がけましょう。