ある日ふと気づくと、アナタはスマホを片手に電車に乗っていた。
周りにはアナタと同じようにモバイル端末を手にした人が大勢いる。皆一様に視線を落とし、黙々と指を動かしている。
メールを打っている人、ゲームしている人、電子書籍を読んでいる人、様々だ。
アナタはオクトバを見ている。少年の頃、親に買ってもらった本で遊んだことを思い出している。そうだ、昔はゲームができる本が売っていたんだ──。
あの懐かしい体験をもう一度。無料ゲームブックアプリ『展覧会の絵』、Android版創刊。
→ 続きを読む
今更説明の必要はないかもしれないが、ゲームブックとは読んで字のごとくゲームができるブックである。
知っているならこの章は飛ばして構わない。
Wikipediaによればその歴史は古く、1979年まで遡るそうだ。
随所に選択肢が登場するのがゲームブックの大きな特徴になっている。その選択次第で結末が変わってくるため、冒頭から順番に読み進めていく通常の書籍とは一味違った醍醐味がある。まさに読みながら遊べる本といえるだろう。
筆者も数年前にブックオフで立ち読みした記憶がある。その時は迷路を解いていく形式の本だったが、謎解き系でもミステリーやホラー要素の強いもの、ファンタジックな世界観のものと色々ある。あのドラゴンクエストもゲームブックになっているようだ。
今回紹介するアプリでは、アナタは記憶を失った吟遊詩人となる。果たしてどんな物語が待ち受けているのだろうか……。
→ 次に進む
アナタはいきなり喧騒の只中に放り込まれる。ずいぶん賑やかな場所のようだ。察するにどこかの国の市場のようだ。
周囲には溢れんばかりの人だかりが川の流れのように動き、それを囲むように列をなした行商人たちが次から次へと声をかけて回っていた。
アナタは自分のことがなにひとつわからない。気がついたら吟遊詩人だったので、それを続けているに過ぎないのだ。
今回訪れた街にアナタのことを知る人物はいるのだろうか?
→ 次に進む
なんとも運の良いことに、着いて早々に知り合いらしき人と出会った。
その人物は何やら煮え切らないことを言い、小さな宝石を差し出してきた。
その時の様子が絵となって収録されている。このレビューほど頻繁ではないが、ラノベ程度には絵の成分も含まれているようだ。
ここから先は話が分岐する。表示されている番号を押すと、その部分へとジャンプするのだ。これによってパラグラフ(段落)が1から一気に464に飛んだ。ゲームブックとは順番に読むものではなく、こうして飛び飛びに、たまに戻ったりもしながら自分なりのルートで読み進める本なのだ。
アナタはガーネットを手に入れた。
アイテムの説明が必要なら次に進む
説明が不要の場合は2つ先に進む
画面の下部を引っ張り上げると4つのボタンが出現する。
一番左のボタンを押すと、入手したアイテムや持ち物が確認できる。
Bookmarkボタンでは指定したページに栞を挟むことができ、いつでも栞を挟んだ部分から再開できる。
OPTIONでは文字サイズとボリュームを調節できるが、文字サイズを小さくしても大きくしても選択肢アイコンが文字に被ってしまい若干見辛いかもしれない(Nexus7/Nexus5で検証)。
一気に3つの選択肢が出現、物語は佳境へ突入する。東に行くなら397段落目、西に行くなら48段落目、北に行くなら475段落目にそれぞれジャンプしよう。
というわけでヘッタクソですが真似てみました。
往年のゲームブックは「◯ページに進む」などと書かれていて自分でそのページをめくる必要がありましたが、Androidアプリならタップ一発でジャンプしてくれます。途中のページが目に入ってネタバレになる心配もなく、集中してゲームを進められそうですね。
パラグラフ数を見てもかなりのボリュームがあるようなので、じっくりご鑑賞ください。