Operaといえばブラウザ、そしてOperaブラウザといえば通信の軽量化が有名かと思いますが、遂にブラウザだけでなく全てのインターネット通信(一部例外あり)を軽量化してくれるアプリを開発したようです。
それが「Opera Max」、今回ベータ版のapkが日本からも入手できるようになっていたので、さっそく使ってみました。
端末が行うインターネット通信とは、何もブラウザだけに限ったものではありません。アプリのアップデート、RSSリーダーやSNSのリフレッシュ、匿名の使用レポート、クラッシュレポート、ウィジェットや天気などの定期更新、ほかにもいろんな時に通信しています。
「Opera Max」は、VPN技術を使ってそれらのインターネット通信時に自動的にOperaサーバーを通過させ、データを圧縮して通信要領を”最大50%”まで減らしてくれるとのことです。
ごくごく簡単にいうと、VPNとはインターネット通信における「仮想的な専用回線」です。
インターネットとは誰でも使える道路のようなものです。そこを車で運転するようにデータ通信が走るイメージです。
極端な話、もしも悪意のあるドライバーが後ろや隣にいたら車内を覗きこまれたり、尾行(追跡)されることもありますよね。
外出先からどうしても社内サーバーにアクセスしなくちゃならない、けれど企業秘密漏洩のリスクが大きい……しかし、そのためだけに毎回専用回線を引く余裕なんてない。
そこで活用されるのがVPNです。
VPNのイメージとしては、道路に自分専用のトンネルを作ってしまう感じ。これなら覗き見や追跡をされるリスクはかなり軽減できます。
しかし、VPNのイメージがトンネルなら、VPNを使用した通信をする時は必ずそのトンネルを通らなくてはなりません。つまりVPN接続を使用すると、データ通信の経路が統一されます。
複数伸びたUSBケーブルを束ねるように、あっちのサーバーへ、こっちのサーバーへと無数に伸びるデータ通信の経路を纏めてしまうわけです。
そのためVPN接続を使う時はこのような注意書きが出現します。きちんと確認して、信頼できると判断した場合のみ許可してください。
なお、Android OSの制限により、セキュリティ上の観点からVPN接続は端末を再起動すると無効化され、再度手動で有効化する必要があります。
また「Opera Max」を有効化すると通知が2つ出ます。片方はOpera Maxの設定画面から非表示にすることができますが、もう片方はAndroid OS側が制御している通知のためアプリから非表示にすることはできません。
VPNを有効にしている間は常にステータスバーにも鍵アイコンが表示されたままとなります。ちなみにこの通知をタップするとリアルタイムで通信量を見ることができます。
前述したセキュリティの向上に加えて、データ通信を圧縮できることからYouTube/Vine/Instagramなどで動画などを大量に閲覧できるようになります。
またその際、「Opera Max」はVPNを用いてあらゆる通信を軽量化してくれるため、ブラウザではなく専用のアプリから閲覧しても通信負担が少なく済みます。
またこちらのページによると、Opera Maxは「高額なパケット代が発生するデータの場合には最大限でデータを圧縮し、無料の場合には起動しません。」とのことです。単純になんでもかんでも圧縮するのではなく、パケット量軽減の主目的である利用料金の節約をきちんと計算して動作してくれるようです。
更に、「Blocked apps」から特定のアプリにチェックを入れることで、そのアプリにモバイルデータ通信を使わせない(Wi-Fi接続時にのみ通信を行い、それ以外では一切通信しない)ようにできます。
※冒頭で触れた例外について
プライバシー保護の観点から、HTTPSを用いた通信は専用サーバーを経由させず、圧縮されないとのことです。ChromeのSPDYプロトコルと同じですね。
また音楽ストリーミング利用時も、音質の劣化を防ぐためデータの圧縮は行わない方針のようです。
・Opera Max Global Test for Android ←apkダウンロードページ(野良アプリのため「提供元不明のアプリ」にチェックを入れる必要があります)
・スマートフォン用 Opera Max のダウンロード – Opera Software
・Opera Max FAQ – Opera Software
「Opera Max」はまだベータ版です。正式リリースはされていません。
Android用の全てのアプリと互換性が保証されているものではなく、もしかしたらアプリによってはVPN接続を使用すると正常に動作しなくなるものもあるかもしれません。
ベータ版の公開はそういった情報を集めるためでもありますので不具合等があったら積極的にフィードバックするようにしましょう。