DSDネイティブ再生に対応!注目のDAP「Calyx M」を買ってきました!

先月初頭、iriverのハイレゾ対応DAP「AK100II」をご紹介しましたが、早くも新しいDAPを手に入れたのでご紹介します!今回入手したのは話題のDAP、Digital & Analog社の『Calyx M』です!
ポータブルプレイヤーでは数少ないDSD128(5.6MHz)のネイティブ再生が可能、さらに最大448GBまでストレージを拡張可能な本プレイヤー。色々と問題もありますが、かなり良い製品ですよ!

まだβテスト版?

まずこちらの『Calyx M』、いわゆる家電量販店などでは現在販売されておりません。10月に開催されたフジヤエービックの「秋のヘッドホン祭2014」の会場にて限定特価品として販売され、その後フジヤエービック店頭もしくは通販で販売されています。私が把握している範囲では、国内で販売しているのはここだけです。
ちなみに価格は通常129,600円(税込)、数量限定の初回入荷分のみ11,800円の専用レザーケースが同梱されて99,800円(税込)です。

ただし、購入時のファームウェアのバージョンが0.96で、説明書もちゃんとしたものではなく、コピー用紙に印刷したものが10ページほど、さらには一定の操作をしないと充電すらままならないバグの存在など、βテスト版のような製品です。気軽に購入できるものではないかもしれません。(現在はファームウェアが1.0になり充電時のバグも解消されています)

まずは外箱を…

では、早速実機を見ていきましょう。外箱は…何の高級感もないダンボール箱です。

中にはCDが同梱されていました。これには、デモ用のハイレゾ音源が収録されています。
と、その下には何やら高級感のある黒い箱が。

どうやらダンボールの外箱はCDを同梱する為のもので、本体の箱はこちらが本命のようです。マグネット式の開閉口を開けると、ベロア調の袋に本体が包まれています。

スライド式ボリュームが良い!

そしてこちらが本体です!パッと見は最近のスマホのようですね。

裏面はこんな感じ。実は、すでに1週間ぐらい使用しているので、貼り付けてある保護フィルムは自分で貼ったものです。製品購入時にはフィルムはありません。スマホの5インチ用のものを少し切って貼り付けました。

筐体で目立つのがこのスライド式のボリュームです。このボタンは磁石でくっついており、取り外すことができますが、ポロポロ取れるというものでもありません。かなり強力に張り付いています。
これは「できるだけ筐体に隙間を作らない為」と「アナログ的な感触を活かす為」にこうしたそうです。
また、物理コントローラーは再生/停止・次曲・前曲がついています。出っ張りが無いため、カバーを付けると少し操作しづらいですね。

最大448GBもの大容量を持ち出せる!

本体上部には電源ボタンとSD・microSDカードスロットがそれぞれ1つずつ搭載されています。本機は内蔵ストレージとして64GB、SDカードが最大256GB、microSDが最大128GBで合計最大448GBもの大容量を可能とするDAPです!通常のSDカードに対応しているのは嬉しいですね。もちろん、microSDカードをSDカードアダプターにはめた状態でも使用できます。

下部には3.5mmイヤホンジャックがあるのみで、ラインアウトなど他の出力端子は備えていません。拡張性には乏しいですが、潔いとも言えるのではないでしょうか。

初回入荷分のみ付属する専用レザーケースはバンパータイプのものです。下部に『Calyx M』の文字が刻印されています。

大きさはほぼNexus 5と同じ!

大きさは135.5×70×14.8mmとなっており、137.84×69.17×8.59mmのNexus5と縦横はかなり近いです。
重量は230gと少し重めですが、持っていて疲れるという事はないですね。

実際に手に持つとこんな感じです。普段、5インチクラスのスマートフォンを使用している方は、違和感もあまりないと思いますよ。

それではここからは、ソフトウェアを中心に見ていきましょう。

Androidベースの使いやすいUI

電源ボタンを長押しすると起動します。この時、少しラグがあって不安になりますが、落ち着いて待ちましょう。ト音記号のブート画面がかっこいいですね。

ロックスクリーンはアルバムアートを下にスワイプするとロックが解除されます。『Calyx M』はAndroid OSをベースにしており、ところどころにAndroidっぽさが伺えるUIになっています。
全体的な動作はゆったりとしていますが、遅すぎてイライラするという程でもありません。日常的に使用できるレベルではあると思います。

美しい高解像度ディスプレイ!

再生画面です。 中心部にレコードを模したようにアルバムアートが表示されます。画面サイズは4.65インチで、サムスン製のOLEDディスプレイが使用されています。解像度はDAPとしては異例の1280×720で、スクリーンの美しさにも拘ったとの事です。

アルバムアートを長押しするとジャケット全体を表示します。

Androidっぽさもところどころに

左上のボタンをタップすると、サイドバーが出現します。この辺りはAndroidっぽいですね。時計のデザインからおそらくAndroid4.1か4.2あたりがベースになっているのではないでしょうか。
再生中および次曲のタイトルや、各ストレージの空き容量などが確認できます。

「設定」をタップするとスリープ時間やギャップレス再生、物理ボタンのロックなどが行えます。設定項目は非常にシンプルでEQなどはありません。

不具合もちょこちょこと…

楽曲選択は「フォルダ」や「アルバム」「プレイリスト」などから行えます。フォルダはいわゆる階層式ではなく全てのフォルダが表示されるので、親フォルダ→子フォルダのように辿る事はできません。
ここは是非改善して欲しいですね。私の管理方法では、フォルダとアルバムの違いがあまりないような状態です。

注意点としてSDカードを使用する場合、ファイルシステムはNTFSかFAT32である必要があります。exFATは認識しません。手持ちのSDがexFATの場合、NTFSかFAT32でフォーマットしましょう。
また、PCと接続する場合も環境によっては認識しない事があるようです。私も最初は認識してくれませんでした。環境によって対策方法は異なると思うので、どうしても接続出来ない場合は販売店で対応してくれるようです。

簡単に楽曲登録&検索!

楽曲タイトルを長押しするとプレイリストへの登録が簡単に行えます。「ジュークボックス」は「お気に入り」のようなもので、再生画面を左にスワイプするとすぐにアクセス可能です。

大量の楽曲を持っている方に嬉しいのが「検索機能」です。Android標準のキーボードがそのまま搭載されており、素早く楽曲検索が可能です。もちろん、日本語テンキーも使用できます。

バッテリーはもたない

バッテリーは3,100mAと大容量のものを搭載しています…が、公称再生時間が5時間とあまりもたないです。実際の使用でも44.1kHz/16bitのFLACを再生し続けて5時間もつかどうか、というところです。これは高解像度のディスプレイにも原因があるのではないでしょうか。
DSD64を再生し続けた時は、ギリギリ3時間という感じでした。長時間の通勤・通学では毎日充電が必要になるかもしれません。

しかし、モバイルバッテリーからの充電が可能で、充電中の再生もできるので、普段からモバイルバッテリーを持ち歩いている方は心配の必要はないかもしれません。

肝心の音は…?

それでは最後に音の感想を少し。

使用したイヤホンはくみたてlabの「KL-カノン」です。
AK100IIと比べると濃い目で、元気な音だと感じました。低域から高域まで滑らかに出ている印象で、いわゆる「モニター的」ではないと思います。とは言ってもモコモコするという事でもなく、解像度は高くクリアさも保っており、女性ボーカルの楽曲は特に美しく聴かせてくれます。低域についてもボワつく感じはなく、ドスドスと響くバスドラが気持ち良いです。
USB-DACとしても使用できるので、屋内外を問わずクオリティーの高い音楽を聴かせてくれるものと思います。

稀に発生する画面のチラつきやポップノイズなど完成度に疑問が残る部分もあります。が、それらを踏まえても、高音質DAPの購入を検討している方の選択肢の一つになるのではないでしょうか。

主なスペック


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