前回はOPPO Digital Japan『HA-2』の外観を余すこと無くお伝えしましたが、今回は実際の使い方をご紹介します。
とは言っても難しい事は全くなく、オーディオ機器に触れた事が無い方や、機械が苦手な方も安心して使用することができますよ。
・ポータブルでも高音質を!OPPOの薄型ポタアン「HA-2」をお借りしました!【外観編】|オクトバ
『HA-2』のスマートフォンとの接続方法はいくつかあるので、順に紹介していきます。まずは最も簡単なこちらの方法からです。
使用するケーブルは、いわゆるmini-miniケーブルです。
このケーブルを『HA-2』上部のジャックに挿し込みます。もう片方はスマートフォンのイヤホンジャックに挿しておきましょう。
次に『HA-2』下部のスイッチを「C」に合わせます。
最後に『HA-2』のイヤホンジャックにイヤホンを差し込んで、ボリュームノブを回して電源をONにすれば準備完了です。
こちらが接続完了した状態です。少しゴチャゴチャしているかもしれませんが、使い勝手に影響はありません。見た目の好き嫌いはあるかもしれませんが。
しかし、この接続では『HA-2』の本領を発揮できないどころか少し問題があります。
音楽データから「音」を聴く仕組みをものすごく簡単に説明すると、デジタル信号がDAC(D/Aコンバーター)でアナログ信号に変換され、それをアンプで増幅したものがイヤホンやヘッドホン、スピーカーから「音」として出力されます。
DACやアンプはもちろんスマートフォンにも搭載されているので、この接続方法だと上図のようにアンプを2回通る事になります。これは決して悪いことではありませんが、あまり意味がないですし、場合によっては音に歪みが発生する事もあります。何より『HA-2』のDACを使用していないのでもったいないです。
という事で、次は『HA-2』が本領発揮できるデジタル接続を行ってみましょう!
次に使用するのはこちらのケーブルです。両側ともmicro USBになっています。
接続しました。ケーブルにクセがついていないと、スマホが浮いてしまうので付属のゴムバンドで留めるといい感じです。
再生モードは「B」に合わせます。
今回の接続では、DAC、アンプ共に『HA-2』に搭載されているもののみを使用する事になり、スマホはプレイヤーのコントローラー兼データ保存用のストレージです。
では実際に音楽を再生してみます。今回使用したアプリは、デジタル出力に対応しているアプリの中でも最も人気の高い、Onkyoの「HF Player」です。正式に対応を謳っているものではありませんが、動作確認は行われています。
Onkyo HF Player
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アプリをインストールしたら、まずは設定から「Onkyo USB HF Driverの有効」をONにします。
次に『HA-2』の電源が入った状態で、スマホと『HA-2』を付属のmicro USBケーブルで接続します。表示されるポップアップの「OK」をタップしてください。
このような画面になるので、「このまま続ける」をタップして準備完了です。
『HA-2』にイヤホンを挿してアプリの再生ボタンを押せば、音が聴こえるはずです。この時、スマホ側でボリューム操作はできなくなっているので注意してください。ボリューム調整は『HA-2』で行います。
この時点でスマホとは全く違う音に感動です!…が、『HA-2』と「HF Player」の本気はここからです。次はおまちかねの「ハイレゾ再生」を行ってみましょう。
試しに24bit/192kHzのハイレゾファイルを再生してみます。…できました!できました…が、実はこれ、ダウンサンプリングされています。「HF Player」の無料版では、88.2kHz以上のコンテンツは44.1kHzまたは48kHzにダウンサンプリングされるなど、いくつかの規制がります。
この規制は有料キーを購入する事で解除されるので、「ハイレゾ音源を聴きたい!」という方は是非購入しましょう。また有料キーを購入するとハイレゾ音源の再生だけでなく、アップサンプリング機能やDSDリアルタイム変換機能(※)なども使用出来るようになります。
※この機能の使用には、CPU 2GHz 4コアの以上の環境が必要です。
ONKYO HF Player Unlocker
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ロックを解除してハイレゾ音源などを再生すると…上部の表記が変わりましたね。また解除する事でDSDの再生も可能になります。
『HA-2』は384kHz/32bitまでのPCMデータおよび11.2 MHz(DSD256)までのDSDデータの再生が可能なので、これまでスマートフォン単体では聴くことのできなかった楽曲も楽しめます。
その音は一聴してスマートフォン単体とは別物で、音の厚みというのはあまり感じませんが、クリアで見通しの良い音だと思います。ボーカルは近めでポータブルという事もあり、雑音の多い外でもしっかりとボーカルが聴き取れるチューニングになっていると感じました。
本体側面のボタンでは「BASSブースト」「GAIN切り替え」が行えます。インピーダンスの高いヘッドホン/イヤホンを使用する際はGAINをH(ハイ)に、低音が物足りなければBASS+をONにして調節してみてください。
ここで注意して頂きたいのが、『HA-2』と「HF Player」の機能を混同しないようにしてください。無料版で機能が制限されるのは「HF Player」なので、『HA-2』をハイレゾ対応音楽プレーヤーと接続すればハイレゾ音源を楽しめます。逆に「HF Player」の有料キーを購入したからといって、スマホ単体でハイレゾが再生できるわけではありません。
多くのスマートフォンでは、ハイレゾファイルの“再生”そのものはできても、DACなどが対応していないので16bit/48kHzにダウンコンバートされます。もちろん、Xperia Z3Cなどの単体でハイレゾ再生に対応している物は別です。この辺りを勘違いしないようにしましょう。
では、「HF Player」以外で再生するとどうなるのか?以前オクトバでも紹介した「Ne PLAYER」で試してみました。こちらも外部DACを接続して、ハイレゾ再生ができるアプリです。
・Ne PLAYER : ハイレゾ再生に最適!ファイル管理も楽々な音楽プレイヤー!|オクトバ
結果から言うと、ダウンコンバートされたものが再生されました。とは言ってもイヤホンから出ている音を計測できないので、「アプリの表示上は」ですが。
しかも、スマホと『HA-2』をUSB接続しているにも関わらず、スマホ側でボリューム調整が行えました。おそらくスマホ側のDAC/アンプ部を通っていると思い、メーカーに質問したところ「HF Player以外で再生した場合、Androidは機種によってDAC/アンプ部を通るもの通らないものがあり、iPhoneはDAC/アンプ部を通る」との回答です。
やはり今のところは「HF Player」を使うのが無難なようですね。
『HA-2』とのUSB接続は“USB OTG機能搭載のスマートフォン”とあるので、Androidスマートフォンであれば4.2以上はほぼ全ての機種で接続可能で、一部の4.0〜4.1でも接続できるものがあります。現行のスマートフォンならどれでも利用できると思いますよ。編集部では4.2.2(HTC J ONE)、4.4.2(GALAXY S4)、5.0(Nexus 5)で動作を確認しました。
では次にiPhone 6と接続してみます。使用するのはこのLightning ケーブルです。
再生モードを「A」にしたら、あとはAndroidと同じです。CCK(カメラコネクションキット)も不要で簡単に接続できます。こちらも「HF Player」の全機能を使用するには有料キーが必要です。
さらに『HA-2』にはモバイルバッテリーとしての機能もあります。側面一番上の丸いボタンを長押しして、青いランプが点灯すれば準備OKです。
USB Aのポートに普段スマホの充電に使用するケーブル(USB A―micro USB)で『HA-2』とスホを接続すれば充電が開始されます。バッテリー容量は3,000mAhあるので、いざという時にも役立つでしょう。
『HA-2』のバッテリー残量は側面一番上の丸いボタンを1回押すと、インジケーターでおおよその残量が分かります。『HA-2』を充電する際は、スマホの充電ケーブルなどで行えます。
1時間半で満充電、30分で70%の充電が可能な「ラピッド・チャージ」を搭載しているので、充電時間が短く済むのも嬉しいですね。
薄型軽量で持ち運びやすく、ポータブルアンプとは思えないデザイン性の高さが魅力的な製品です。価格も39,000円(予定)と、DAC付きポタアンとしては手が出しやすい設定になっています。『HA-2』を持って、外でも高音質な音楽を楽しんでください。
次回はOPPOのポータブル向け平面磁界駆動方式のヘッドフォン「PM-3」をご紹介します!