複数のTwitterアプリで書き込みできなくなる事象が発生→回復 渦中の『びよーんったー』作者に話を聞く

数日前より、Twitterで特定のアプリから投稿できない、読み込みも何もできない、といった声が聴こえるようになりました。それも1つのアプリではなく、複数のアプリで同様のことが起こっていました。(現在は正常に戻っているアプリもあります)

今の主要なアプリの状況と、この事態に早くから直面していた『びよーんったー』のデベロッパーの方にお話を伺いました。

これまでの流れ
5月16日 『びよーんったー』のProバージョンがSuspendとなり、TwitterのAPIを使用するすべての機能が使用不可能に
5月16日 『びよーんったー』一旦非公開へ
5月?日 『びよーんったー』難民が他のアプリを探し始める
5月?日 流入が多いアプリのPlayストアの説明文に『びよーんったー』から移行検討者向けの注意書きが表示される
5月25日 『びよーんったー』無印で書き込みができなくなる
5月27日 『tweecha』『twitcle plus』『MoonStrike』『Opentween』といったアプリで書き込みができなくなる
5月29日 10時頃から『tweecha』『twitcle plus』といった書き込み制限だったアプリの制限が解除
5月30日 『tweecha』『twitcle plus』が再び制限。『SobaCha』『feather for Twitter』『Yuugatter』『Bestia』『Justaway』『Twittnuker』『Sleeping( ˘ω˘)Syar』『Yukari』『KuroTwi』にも制限がかかっている模様。
5月31日 さらに『fuyutiger』『Cerisier』にも制限がかかっている模様。
6月3日 多くのアプリで制限が解除されるも、いくつかのアプリでは変わらず制限中

ここで1つ注意したいのは、『びよーんったー』Pro,LiteはAPI凍結となりすべての機能が使えなくなり、その他のアプリおよび『びよーんったー』無印版では書き込みのみできなくなっているという点。これはつまり問題点が違うということです。

書き込みができないアプリにおいては、書き込み失敗時にTwitterのエラーが表示されます。英語で書かれていますが、内容は「スパムのような自動投稿に見えるツイートのため投稿できない」ということです。
Twitterにおいてはスパムツイートが度々話題になりますが、Twitter側が何らかの対応策を取っており、その影響が出ているものと思われます。

これらに関しては、それぞれのアプリ側からTwitterへと連絡がされ、29日10時頃より制限が解除されているようです。

もっと詳しく知りたい方は

今回の件について、『びよーんったー』のデベロッパーさんを含め、多くのTwitterアプリ開発者の方がツイートしています。その反応などがTogetterにまとめられています。これらを読むと理解は深まると思います。

びよーんったーAPIKey規制の顛末 – Togetterまとめ
Twitter初夏のBan祭り(タイトル変更しました) – Togetterまとめ
2015年5月末に規制されたTwitterクライアントまとめ – Togetterまとめ

今回にかぎらず、Twitter側の仕様変更や障害でツイートできなかったりタイムラインが読み込めないなどが起きることがあります。くれぐれも、Twitter側の問題をアプリの責任にしてPlayストアで低評価をつけることはやめましょう。何か問題があった時はTwitter公式、使用アプリのサポートアカウントなどを確認し、他の手段で情報を集めることが重要です。

『びよーんったー』作者に聞く

続いて、今回の件について『びよーんったー』のデベロッパーの方にいくつか質問をしてみました。

■オクトバ:
まず今回の顛末についてですが、以下のように認識しています。間違いなどないでしょうか。

・びよーんったーPro、Lite版に書き込み規制がかかる(自動投稿の疑いがあるとのメッセージ)→Playストア非公開へ
・一括動作や自動ツイートが影響か?→該当部分を修正
・Twitterからの返信「Lite,Pro,無印はすべて同じようなアプリだから1つにまとめなさい」
・Proと無印は2年以上別プロジェクトで進めているし内部も全然違う
・そもそも広告のありなし以外は同じクライアントがたくさんある。これらは引っかからないのか?
・無印も書き込み制限→公開停止
・Twitterからは音沙汰なし
・新しいアプリを作って、それを最後にTwitterからは手を引く

■びよーんったー:

・びよーんったーPro、Lite版に書き込み規制がかかる

これについては,Suspendですので,全てのAPIが使用不可になりました.読み込み,書き込み,認証等も不可です.
これは想像ですが,Pro,Liteはユースケースのよる所が大きかったのだと思っています.
(書き込み制限ではなくSuspend対応ですので全てのAPIが使用できなくなっています)

・一括動作や自動ツイートが影響か?→該当部分を修正

Pro,Liteについては,自動ツイート部分の修正は行っていますが,ユースケースの問題が解消できないと判断したため,修正を適用するアップデートはしておりません.
(API自体が使用不可なのでこの状態解消されないのであればアップデートは行わず,公開を終了とするつもりでいます)

・Twitterからの返信「Lite,Pro,無印はすべて同じようなアプリだから1つにまとめなさい」

これはその通りです.無印とProについて違いを説明しましたが,「これらは表面上の違いでしかない.ユースケースの違いにはあたらない」と一蹴されました.

・Proと無印は2年以上別プロジェクトで進めているし内部も全然違う

はい,実際そのように開発をしてきました.ただ,機能的には類似している部分も大きいため(勿論違う部分も多くあります.),
Twitterからはそのように判断されたのだと思います.

・そもそも広告のありなし以外は同じクライアントがたくさんある。これらは引っかからないのか?

これは非常に疑問に思うところです.

・無印も書き込み制限→公開停止

はい,そのとおりです.これは,APIの停止ではなく,書き込みのみの制限です.
こちらについては一応Twitterから返信が来ており,対応しているので解消される可能性はあります

・Twitterからは音沙汰なし

Pro,Liteの方は異議申し立てメールから1週間ほど経ちますが返信ありません.

・新しいアプリを作って、それを最後にTwitterからは手を引く

そのように,開発しておりますが今後の規制の状況如何では,やむなく取りやめる可能性もあります.

これは質問とは別で,個人の見解ですが,Twitterは当初サードのアプリケーションによって持ち上げられたメディアだと思いますが,現在となっては,知名度が上がりメディアとしても成熟してきているため,成長期という期間を脱したのではと思います.そのため,Twitterブランドとしての公式アプリ,Webがベースとなるように移行していくという方針なのでしょう.

■オクトバ:
なるほど、私も少し誤解している箇所がありました。今回の件でTwitter側と何度かやりとりをしていると思うのですが、Twitterからの返信はどのようなものだったのでしょうか?

■びよーんったー:
無印については,14日以内に修正してメールを送るように指示がありました.
Pro,Liteは返信ありません.

なお,Pro,Liteの申し立てフローは以下のようになります.

規制当日 異議申し立てメール送信 (自動化の規制については修正しましたという旨を連絡)
2日後  ユースケースに反している旨のメールがくる. → 違いを説明
1日後  これらの違いは認められないとの返信 → 開発の経緯やさらに踏み込んだ説明を含む異議をメールで送信
以後音沙汰無し

です.

■オクトバ:
びよーんったーには「オートRT」「ふぁぼ爆撃」など、いあわゆる厄介系機能が搭載されていたと思います。今回の件はあれが原因だったのではないかとも言われていますが、どうなのでしょう。ああいった機能は必要だったのでしょうか。

■びよーんったー:
実装当初はユーザーからの要望にこたえる形で実装を行っていました.どのような要望に対しても最大限配慮を行うという方針で開発していましたので,オートRT系もその1つです.
正直自分は不要と思っています.自分でもユーザーの意見のみを見過ぎたが故に周りに対する配慮が足りなかったと反省しています.

■オクトバ:
アプリが凍結されてしまった後、ユーザーからは何か反応がありましたか?

■びよーんったー:
基本的には不具合報告のみでした.
凍結アナウンス後は,今後のフローについて教えてほしいという質問と励ましのメッセージが一定数ありました.
特に後者は非常に励みになります.

■オクトバ:
今後は新しいアプリを開発するとのことですが、その新アプリにおける機能、他と差別化できる特徴はなにかありますか?

■びよーんったー:
現在開発中ですので,詳しい事はお話しできませんが,びよーんの健全な部分?の考え方はある程度踏襲しつつ,自分の考える使い勝手が向上するような機能を最大限盛り込みたいと思っています.
UIや画面構成は大幅に異なると思います.
まあ,所謂厄介系ではないですね.通常のユースケースにマッチするような方向性を目指そうと思っています.

■オクトバ:
今回の件を受けて、Twitter、ユーザー、他のクライアントアプリ作者に向けて一言があればお願いします。

■びよーんったー:
Twitterの対応については,事前に予告してほしかったという思いはありますが,機能と状況から納得はしています.
びよーんったーを使用して頂いた方々にはこのような結果となってしまったこと.規制に伴い移行などご迷惑をおかけしたこと,また,他のクライアント制作者様におかれましては,ユーザーの流動によるサポート対応など,お手数をおかけしてしまい大変申し訳ありませんでした.
無印においては今後規制解除にむけ努力して参りますので,暫しお待ちください.

新アプリについては,動作部分以外ほぼ1から作り直していますので,少しお時間を頂くことになると思います.
もし,少しでも興味を持って頂けるのなら,お待ち頂けると幸いです..

■オクトバ:
ありがとうございました。

まとめ

Twitterはサービス開始当初から様々なサードパーティー製クライアントの力を借りてここまで成長してきました。画像の投稿やRT、引用ツイートなど、ユーザーの使い方や外部アプリの機能から公式に取り入れられたものも多くあります。
それがここ最近はそれら外部のクライアントアプリを締め付けるような変更が行われているのも事実です。代表的なものとしてはいわゆる10万トークン問題でしょうか。

たしかに公式を使ってもらわないと収益に繋がらないというのもわかりますが、これまで支えて共に歩んできた外部アプリを蔑ろにしていくようでは、この先どうなっていくのか心配でもあります。