米Motorola Mobility(以下、Motorola)は17日、「Moto G」シリーズの新モデル3機種を発表した。「Moto G Plus」「Moto G」「Moto G Play」で、今夏販売開始となる予定。また、米Googleは開発者向けイベント「Google I/O」を開催し、幾つかの発表を行った。注目はパーソナルサポート機能「Google Assistant」とその関連機器/アプリだ。
新製品
(1) Moto G
Motorolaが発表したMoto Gの新モデル3機種は、Moto G Plusが上位グレードの機種で、Moto Gがその下、そしてMoto G Playはディスプレイサイズの小さな機種となる。もちろん、現時点では日本市場に投入されるかどうかは分からない。
(左から順にMoto G Play、Moto G、Moto G Plus)
Moto G PlusとMoto Gのベースは同じで、ディスプレイは5.5インチのフルHDで、CPUはQualcomm Snapdragon 617。Moto G PlusとMoto Gの違いはカメラ性能、指紋認証センサーの有無くらいで、大部分は共通だ。
一方、Moto G Playはディスプレイが5インチと他の2機種と比べるとやや小さめ。解像度はHD。CPUはSnapdragon 410。
(1) Google AssistantとGoogle Home
Googleが今回発表したものはいくつかあるが、近いうちにかなり便利な機能として登場しそうなものが「Google Assistant」だ。これはユーザーの生活をサポートするパーソナルアシスタント機能で、人工知能やクラウド技術など様々な技術を使って開発されている。
(Google Home)
これまでのGoogleの音声コマンド操作は「OK Google」の後に簡単なフレーズを入れて話しかけて検索やちょっとした操作をするだけだったが、Google Assistantが導入されると自然言語での会話を介して、より広範囲なサポートを頼むことができるようになる。
スマートフォン等のAndroid機器のほか、専用機器の「Google Home」を使っても利用できる。Google Homeを部屋に設置していれば、「OK Google」に続いて話しかけるだけで対応家電のコントロールができたり、スケジュールや天気を教えてくれたり、様々なサポートをしてくれる。
Google Homeは今年の後半にリリースされる見込み。
(2) AlloとDuo
Google Assistantが活用される機器はGoogle Homeだけではない。メッセージングアプリ「Allo」でも活用される。このアプリは今夏リリース予定で、Google Assistantを積極的に活用している。
(Allo)
一般的なメッセージングアプリと同様、他のユーザーとのチャットスタイルでのメッセージのやり取りができるのは当然として、会話の途中でGoogle Assistantとの会話も可能となっている。例えば、今上映されている映画のリストを調べたり、明日の天気を調べたり、といったことをGoogleに聞くことで調べてもらい、それらの情報をチャットをしているユーザー同士で手軽に共有できる。
また、Alloでは、返信の候補を提示する機能もある。
会話の流れを理解し、手軽に返信できる「Smart Reply」という機能で、相手のメッセージに対して、候補となる返答をいくつか提示してくれるので、その中から選ぶだけで会話を続けることもできる。特に相手が写真を送った時などは手軽だ。
さらに、Googleは今夏リリース予定のアプリをもう一つ用意している。
それが「Duo」。このアプリは、回線速度がそれほど速くなくてもビデオ通話をできるアプリ。解像度は最大でHD。しかも、非常に大きな特徴として、通話に出る前に相手のスマートフォンにプレビュー映像を送ることができるようになっている。すなわち、相手は今掛かってきた相手のカメラに写っているものを確認してから出ることができるわけだ。これはビデオ通話を安心して行う上で、非常に魅力的な機能だと言えそうだ。
(3) Spaces
Google I/Oを前に、同社は情報共有アプリ「Spaces」をリリースした。このアプリは特定のテーマに対して手軽に情報共有、コミュニケーションを行うことができるもので、Google I/Oでも活用された。
何らかのテーマごとに手軽にコミュニケーションを取ることができるので、何かの趣味やイベント等で情報共有をしたい時に便利だ。これまで、そうしたコミュニケーションには各種掲示板やSNSなどが使われてきたが、Spacesはより手軽にできる印象だ。普及が進めば、かなり便利な存在になるかもしれない。
通信事業者
(1) au 2016夏モデル 新商品発表会
先日のNTTドコモに続き、KDDIも今夏商戦向けの新商品発表会を開催することを明らかにした。auの夏モデルは「Xperia X Performance」と「Galaxy S7 edge」は発表済みで、後者に関してはすでに販売開始した。残りの機種が発表される見込みで、開催日は5月31日。
ちょうど台湾で開催される「Computex Taipei」とも時期が重なるので、HTCやASUSなどの台湾メーカーの製品が投入される可能性にも期待が募る。いずれにしても、プレスイベントを開催するということは、少なくとも数機種は新たに発表されるものと期待される。
(2) ドコモ、ネットワーク利用制限の規約を変更へ
NTTドコモは6月1日より「ネットワーク利用制限」の対象を拡大する。不正入手された端末が振り込め詐欺などに使用されることを防ぐために行われている制限で、制限が掛けられた端末ではNTTドコモのネットワークを利用できなくなるが、その対象範囲が拡大する。
ネットワーク利用制限が掛けられているかどうかは、専用のウェブページで端末の製造番号を入力するだけでよく、◯△×で状態表示が行われる。
6月1日以降に購入した端末からは、△表示の対象が拡大し、分割払いで購入した端末は料金支払いが完了するまで△表示となる。以前は一定期間のみ△表示だったが、今後は残債が残っている限り△のままとなり、万一滞納した場合には×になる可能性がある。すなわち、×の対象も拡大し、分割支払いの滞納も含まれるようになる。
あとがき
前回の記事の時には、auとソフトバンクの発表会は開催されない可能性が高いのかもしれないと思っていましたが、auは発表会を開催することを明らかにしました。開催するからには最低でも数機種は用意しているのでしょう。楽しみにしたいところです。
特にauの場合は、auだけのオリジナルブランド/機種がありますから、その辺りでも期待したいところです。一方、ソフトバンクも今後、新商品発表会を開催するかもしれませんが、少なくとも5月23日時点ではまだ明らかにされていません。ソフトバンクにはSoftBankとY!mobile、2つの通信ブランドがありますから、最近は両ブランドの合同発表会を開いていますので、今夏向けの発表会の開催も期待したいところです。
GAPSISがお伝えしました。次回もお楽しみに!