10月に入り、スマートフォンメーカー各社がグローバルにあちこちで新機種の発表を始めています。まず、シャープが「AQUOS R」シリーズに続く新たなフラッグシップモデル「AQUOS zero」とベーシックスマートフォン「AQUOS sense2」を発表しました。国内SIMフリー市場で強さを見せるファーウェイは「HUAWEI nova 3」を、韓国LGエレクトロニクスは背面にトリプルカメラを搭載する「LG V40 ThinQ」を発表しました。
新製品
(1) シャープ、AQUOS zero
シャープは以前から通信キャリアでの発表前に新製品を発表するのが常ですが、今回もNTTドコモやKDDI、ソフトバンクが新製品のラインナップを明らかにする前に新機種を公開しました。
その一つがフラッグシップモデルとして登場する「AQUOS zero」です。シャープのスマートフォンは近年AQUOS Rシリーズがフラッグシップモデルに位置付けられていましたが、今回はRシリーズから新たにzeroに変わりました。ヒットしたRシリーズに続き、AQUOS zeroも売れそうです。
日本のスマートフォン市場においてシャープはもはや完全復活しましたね。モノが良いと売れる、という単純な理由ですが、今回のAQUOS zeroも同じ理由からヒットの予感を感じます。
AQUOSのスマートフォンとしては初の有機ELを採用しました。シャープといえばIGZO液晶ですが、今回は有機ELです。しかも全面が若干曲面を描く、曲面ディスプレイです。もちろん見にくいほど曲がっているわけじゃなく、ほんの少しで、逆に操作性が良くなっています。ディスプレイサイズは6.2インチと比較的大型ですが、縦横比が縦長なのでボディはそれほど大きくなく、しかも何と146gという超軽量です。このディスプレイサイズでこの軽さというのは驚異的です。
それでいて3,000mAhという大容量バッテリーを積んでいます。Snapdragon 845、6GBメモリ、128GBストレージと、基本スペックも良く、カメラもです。ただし、現時点ではまだどのキャリアが取り扱うのかは明らかになっていません。
(2) シャープ、AQUOS sense2
シャープはAQUOS zeroに加え、「AQUOS sense2」も発表しました。こちらはいわゆるベーシックなモデルで、エントリー、ミドルエンド向けと言っていいでしょう。しかし、その実、ハイエンドを求めるユーザーですら満足させられるかもしれないほどの仕上がりです。普及価格帯での提供となるはずで、こちらも相当ヒットするかもしれません。
AQUOS zeroと違い、AQUOS sense2はIGZO液晶を採用していますが、旧機種の「AQUOS sense」搭載ディスプレイと比べて明るく省電力になっています。明るさは体感できるレベルです。ディスプレイのサイズは5.5インチで、解像度は2,160 x 1,080ドットです。
また、ベーシックモデルですがカメラではAI機能を活用していて、AIがうまい具合にシーンを認識して各種設定を調整してくれるAIオート機能があります。従来のオート機能も選べますので、その時々で選びたいですね。実際に実機を使って見た感じでは、AIオートの方がインスタ映えを狙ったようなちょっとコントラストの強い絵になる印象で、従来のオートはリアル寄りで少し地味な絵作りです。
プロセッサはSnapdragon 845ではなく450ですが、少し触った程度では十分快適な印象です。
(3) ファーウェイ、HUAWEI nova 3
すっかりSIMフリースマートフォン市場で強固なポジションを確立したファーウェイですが、「P」シリーズ、「Mate」シリーズ、そして比較的若者をターゲットとした「nova」シリーズと、複数のブランド展開をしています。今回発表されたのは「HUAWEI nova 3」です。
価格は54,800円(税抜)で、いわゆるエントリー向けとハイエンドの間くらいの価格帯です。それでいて見た目はハイエンド機と変わらぬ品質で、中身も十分にハイエンドに近いグレードとなっています。また売れると思わせられる新機種です。
注目は背面と前面、どちらにもデュアルカメラを採用している点です。前面デュアルカメラはインスタグラムを中心に自撮りをする機会が多い方には特に喜ばれる特徴でしょう。Pシリーズなどと違い、「Leica」との共同開発カメラではありませんが、もちろん高い品質を誇っていて手軽に綺麗に撮れます。
前面のデュアルカメラは2400万画素の通常センサーと200万画素の深度測定用センサーで構成されます。背景をボカした写真を手軽に撮れるので、自撮り写真が相当綺麗になります。もちろんカメラではAIも活用しています。
ディスプレイサイズは6.3インチで、メモリは4GB、ストレージは128GBです。
(4) LG
LGエレクトロニクスは米国で「LG V40 ThinQ」を発表しました。おそらく日本市場でも登場すると思いますが、もちろんまだその辺りは未発表です。LG V40 ThinQは背面カメラがトリプルカメラ構成になっていて、前面カメラはデュアルカメラになっています。
もうスマートフォンのカメラのレンズの数はすごいことになってきていますね。クアッドカメラ搭載機種などもあるので、本当にどこまでいくのか、という感じですが、LG V40 ThinQのトリプルカメラはレンズとセンサーの構成を見ると便利は便利そうです。
画角が異なるレンズを採用しているので、色々なシーンで色々なとりわけが出来ます。45度、78度、107度です。もちろんカメラ機能にはAIも活用していて、各種設定を自動で行ってくれます。
前面のデュアルカメラも80度、90度のレンズを使っていて、広角での自撮りもできるようになっています。背景をボカしたりもできるので、かなり使えると思います。
Snapdragon 845、メモリ6GB、ストレージが64GBもしくは128GBとハイスペックなので、おそらく日本で発売になったとしてもそれなりの価格帯になると思いますが、注目の機種の一つだと思います。
あとがき
ついに秋冬、来春に向けた新機種発表ラッシュ期間の始まりです。今回の新機種で素晴らしいと思うのはシャープですね。AQUOS R登場以前のシャープは正直な話、他社の製品と比べて際立った魅力があったとは思えませんでしたが、AQUOS R以降明らかに良くなって来ていて、それは今回もです。グローバル展開しても戦えると思えるほどです。AQUOS zeroに大注目です! また、HUAWEI nova 3もバランスよくまとまっているため、おそらく売れるのでしょう。
今週もGAPSIS編集部がオクトバさんに出張してお伝えしました! 次回もお楽しみに!!