LINEリサーチ:オンライン授業への対応率は高校生で1割強、大学生も5割弱にとどまる。さらに、一定数の高校生・大学生がアルバイトによる収入減で困っていると回答

このたびLINEリサーチでは、新型コロナウイルス感染拡大により、高校生および大学生の生活や気持ち、アルバイト状況などにどのような変化が出ているかを調査、その結果が発表されました。

※調査結果の詳細はLINEリサーチの調査メディア「リサーチノート」でご覧いただけます

高校生編:https://research-platform.line.me/archives/35015909.html

大学生編:https://research-platform.line.me/archives/35015867.html

<高校生編>

■高校は約9割休校(4/15時点)

4月15日時点の調査では、高校生の約9割が、学校が一斉休校していると回答しました。

■休校中の高校からのサポートは、プリント等の配布やネットを通じた課題指示がメイン、オンライン授業は約1割

約9割が休校になっている今、学校からの学習サポートとしてはどのようなことが行われているか聞きました。

約6割が学校から「休校期間用のテキストやプリントが配布」されていると回答。次いで、「学校から宿題や課題がネット(ホームページやメールなど)を通じて出される」が約5割となりました。

「オンライン学習での自習をすすめる」は3割弱、「オンライン授業が行われている」学校は1割強となっており、まだまだオンラインではなく、プリント配布やメール等でのやり取りがメインとなっていることがわかります。

学校のサポートですが、国公立の高校と私立の高校では、一部違いが見られました。

私立高校では、テキストやプリントの配布よりネット(ホームページやメールなど)を通じて課題が出される割合が高く、また「オンライン授業が行われている」割合は、国公立の約3倍(国公立9% 私立26%)となり、よりオンラインでの対応が進んでいることがわかります。

学校からの学習サポートとしてのオンライン授業は全体では1割強、私立の高校で3割弱という結果ですが、高校生の自宅でのインターネット環境については、比較的整っていることがわかります。

「わからない」などの回答もありますが、「家でインターネット回線を使っていない」という回答はわずか2%となっていました。

■高校生のオンライン学習・授業を受ける環境は、スマートフォンが7割

オンラインで自宅学習をする場合、高校生は何を使って行っているのでしょうか。

オンラインでの自習やオンライン授業が行われている高校生に聴取しました。

すると利用するデバイスは、スマートフォンが約7割。次いでタブレット、ノートパソコンが約2割となりました。

今後、オンライン学習やオンライン授業の導入を進めるにあたり、スマートフォンでの学習を想定した対応は重要になってくるかもしれません。

■自宅での過ごし方は、「ネットやアプリ」「ゲーム」をする時間などが増え、約5割弱が「やる気が起きないことが増えた」と回答

新型コロナウイルスの影響で、休校や外出自粛要請などがあり、生活に大きな変化が出ました。

実際に、高校生たちはどのような生活変化や気持ちの変化を感じているのでしょうか。

まず、「増えたこと」は女性では「ネットやアプリを見たり遊んだりしている時間」が約8割。

「寝ている時間/夜更かしすること」が次いで7割強と生活の乱れも出てきていることが見受けられます。

男性は、「ゲームをしている時間」が6割強で最も増えたと回答。次いで、「ネットやアプリを見たり遊んだりする時間」が約6割と続きました。

反対に、生活の中で減ったことは、「外出する回数」「友達と会う回数」「運動」が上位となりました。外出自粛、休校の影響が大きく出ています。っs

男女ともにランキングは同じでした。

生活の変化とは別に、気持ちの変化も聴取しました。

その結果、男女ともに「やる気の起きないことが増えた」が1位となっています。

ただ、ランキングの顔ぶれを見てみると「今まで時間がなくてできなかったことをする良い機会だと感じるようになった」や「時間のゆとりができてうれしい」や「ひとりの時間ができて気楽」など、この状況を前向きに感じている部分も見受けられます。

■「勉強の遅れ」「運動不足」が生活の中で“困っていること”の上位

高校生が現在の生活で困っていることについては、「勉強の遅れてしまいそう」と「運動不足・太ってきた/太りそう」が共通して上位にあげられました。これも休校と外出自粛の影響が出ていることが考えられます。

それ以外には、「ネットやゲームをずっとしてしまう/やめられない」「夜遅くまで起きていて、昼すぎまで寝てしまう」と生活が乱れていることを本人たちも気にしている様子がうかがえます。

■アルバイトの状況は、約半数がシフトが減り、約6割が収入の減少

高校生のアルバイト状況にはどのような影響があったでしょうか。

高校生のアルバイトをしている割合ですが、もともと1割強が新型コロナ感染拡大前にアルバイトをしていたという結果になっています。

アルバイトをしている1割強の高校生のアルバイトの目的については、「趣味や好きなことに使うため」が最も多く8割強となっています。

しかし一方で、「学校の費用にあてるため」「自分の生活費にあてるため」「同居している家族の生活費にあてるため」といった生活必要度の高い目的の回答も1~2割ずつみられました。

新型コロナウイルス感染拡大後、半数が「アルバイトのシフトが減った」と回答。

約1割が「アルバイトをやめることになった/やめざるをえなくなった」と回答しています。

新型コロナウイルスの影響による具体的な収入の変化は、減少した人は約6割。減収額は平均で約30,000円(下部左円グラフ)となっています。

さらに、それを「生活費や学費目的でアルバイトをしていた高校生」に絞ると(下部右円グラフ)、収入が減少した割合が7割弱となっています。

全体と比較すると2万円~5万円未満の減収割合が高くなっています。

アルバイトが学費や生活の支えの1つになっている場合では、今回の減収が生活に与える影響がかなり大きいことがうかがえます。

前項で上げた『生活の中で困っていること』についても、生活費・学費目的でアルバイトをしていた高校生では全体とは傾向が違いました。

「趣味」や「貯金」のためにアルバイトをしている高校生と比較すると、「政府や自治体などから、学生向けのお金や生活面でのサポートが欲しい」が約6割と高く、最も困っていることとなりました。「収入が減りそう/減っている」も高い結果となっています。

<大学生編>

■大学は約9割休校(4/15時点)

4月15日時点の調査では、大学は約9割が一斉休校との回答でした。

■大学の5割弱がオンライン授業を実施。一方、特にサポートなしが4分の1

約9割が休校になっている今、大学からはどのような対応が行われているか聞きました。

「オンライン授業が行われている」が最も高く5割弱、次いで「学校から宿題や課題がメール、ネット等を通じて出される」が3割弱となりました。

一方で、約1/4にあたる24%の大学生が、休校中の大学から「特にサポートはない」と回答。学校学部にもよるところかと思いますが、サポートなしの割合が高いのは心配です。

■大学生のオンライン学習・授業の環境はノートパソコンが7割強

オンライン授業を受講する場合、大学生は何を利用しているのでしょうか。

オンラインの自習やオンライン授業を受けている大学生に聴取したところ、利用するデバイスはノートパソコンが7割強。次いでスマートフォンが6割弱となりました。

大学生になるとノートパソコンを利用できる学生が多くなってはきますが、高校生と同じくスマートフォンでの受講割合も高く、オンライン学習や授業ではスマートフォンでも受講のしやすくしなくてはいけないことは引き続き考えていく必要がありそうです。

■生活の変化では「ネットやアプリ」「ゲーム」が増え、気持ちの変化では「やる気が起きないことが増えた」が5割弱

大学生の生活の変化で「増えたこと」は、女性では「ネットやアプリを見たり遊んだりしている時間」が約8割。

「寝ている時間/夜更かしすること」が次いで8割弱と、生活の乱れも出てきていることが見受けられます。

男性も女性と同じく「ネットやアプリを見たり遊んだりしている時間」が最も高く、次いで、「ゲーム」が約6割と続きました。

※高校生の結果と同じ傾向になっています。

反対に、生活の中で減ったことは、「外出する回数」「友達と会う回数」「運動」が上位となりました。

外出自粛、休校の影響が大きく出ています。

生活の変化とは別に、気持ちの変化も聴取しました。

その結果、男女ともに「やる気の起きないことが増えた」が1位となっています。

ついで、「不安を感じることが増えた」「寂しさ・孤独を感じることが増えた」が続きます。

外出することもできず、友達と会うこともできず、不安や寂しさを感じることも強そうです。

高校生は、「今まで時間がなくてできなかったことをする良い機会だと感じるようになった」が上位でそのほかにも比較的前向きな気持ちが多くみられました。

一方で大学生はやる気不振、不安や寂しさを感じることが多く、異なる結果となりました。

■大学生が生活で困っていること、「気分転換が難しい」「運動不足」が上位。収入への不安も

大学生が現在の生活で困っていることについては、「気分転換が難しい」と「運動不足」が共通して上位にあげられました。これも休校と外出自粛の影響が出ていることが考えられます。

それ以外には、「ネットやゲームをずっとしてしまう/やめられない」「夜遅くまで起きていて、昼すぎまで寝てしまう」と生活が乱れがちになってしまっている様子がうかがえます。

また、5位に「収入が減りそう」がランクインしています。高校生では、男性10位で7.7%だった結果ですが、大学生では、学費や1人暮らしの家賃の支払いなどのためにアルバイトをしている子も多く、困りごととして上位となりました。

■アルバイトの状況では、約7割がシフトが減り、8割弱が収入の減少

収入に不安を抱く割合が高い大学生ですが、アルバイトをしている人への影響を見ていきましょう。

まず、大学生でアルバイトをしている人の割合は約7割となっています。

大学生のアルバイト目的については、「趣味や好きなことに使うため」が最も多く8割となっています。次いで「貯金をするため」となりました。

しかし、「自分の生活費にあてるため」、「学校の費用にあてるため」という回答も3割強みられました。

新型コロナウイルスの感染拡大後、7割が「アルバイトのシフトが減った」と回答しています。短縮営業や休業などに伴い、このようにアルバイトを行っている人たちに影響が出ています。

新型コロナウイルスの影響によりアルバイトの状況に変化があり、収入が減少した人は8割弱。月の減収額は平均で約43,000円となっています。(下部左円グラフ)

その中でも「生活費や学費を目的としてアルバイトをしている大学生」に絞ると(下部右円グラフ)、同様に収入の減少は8割弱、減り幅もやや大きくなっています。 生活費や学費等を目的としてアルバイトをしている大学生にとっては、生活に大きく影響してくる状況だといえるでしょう。

【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査

調査対象:日本全国の15歳~21歳の高校生・大学生

実施時期:2020年4月15日~17日

有効回収数:高校生910サンプル 大学生835サンプル

※性別年代構成比を市場にあわせて回収、ウェイトバック

【「LINEリサーチ」について】

「LINEリサーチ」は、企業における事業開発・マーケティング活動の最大化を目的にした、スマートフォン時代のリサーチプラットフォームです。

約506万人のアクティブモニターのうち10〜29歳が53%を占め*、学生や若年向けの出現率の低い調査も実施可能です。

また、従来型の調査パネルと異なり、リサーチ興味度の薄い層にもコンタクトが可能なため、より一般的な意見を収集できます。

LINEのプッシュ通知で配信するため、ユーザーがリアルタイムで回答しやすいだけでなく、スマートフォン上で回答しやすい画面設計を行っていることで、効果的に調査を実施することが可能です。

* 2020年1月時点