マジック:ザ・ギャザリング、略してMTGの世界は「多元宇宙」という現実世界もビックリのスケールで展開されています。
霊気/Ætherが満ちたこの世界には無数の次元(プレイン)と呼ばれる世界が存在します。現実に当てはめるなら、無限に広がる宇宙空間に点々と散らばった銀河系のようなもの。
プレインズウォーカーはこれら複数の次元(プレイン)を渡り歩く能力に覚醒した者を指し、MTGでは大抵の世界の主人公はプレインズウォーカーとなっています。
ここはそんな壮大な世界観を持ったゲーム『マジック2014』の入り口。好奇心旺盛なプレイヤーをマジックの渦の中にご案内します。
まず最初にご案内する場所はこちら。本ゲームのチュートリアル1戦目です。
ここではデュエルを行う場(フィールド)の基本的な構造と、ターン制バトルの基礎について学ぶことになります。
ライフおよびライブラリー
対戦の基礎中の基礎になる、プレイヤーのライフとデッキの置き方です。
デュエル(対戦)はお互い20点のライフを持った状態でスタートします。
MTGで組み上げたデッキは「ライブラリー」と呼ばれ、場の右側に置きます。対戦時はお互いに自分のライブラリーをシャッフルし、開始時に上から7枚のカードを引きます。
この7枚が「手札」となり、先行から順に手札のカードを場に出す(=魔法を唱える)ことで戦闘を進めます。
なお最初に7枚引いた際、手札が偏っており進行が困難になると判断した場合、一旦手札を全てライブラリーに戻してから再度シャッフルし、直前に引いた枚数(初回なら7枚)より1枚少ない枚数のカードを引くこともできます。これを「マリガン」といいますがこのような複雑なルールについては後々解説していきます。
友達同士で遊ぶ場合、先行・後攻はコイントスやジャンケンで決めると良いでしょう。
本ゲームを遊ぶ際まず最初に覚えておきたいこととして、(自身の手札に限らず)場に出ている全てのカードはダブルタップで拡大表示できます。対戦相手が唱えた魔法の効果を把握したい時にも役立ちますし、この状態からカードをプレイ(=場に出す)したりカードの特殊能力を使うこともできます。
チュートリアル1戦目では対戦相手が先行になりました。
対戦相手は自分の手札から「山」のカードを場に出し、それをタップ(90度傾けること。場に出したカードの能力を「発動」したことを宣言する行為)して赤いマナを1つ生成します。
そしてその赤いマナを使って「狂ったゴブリン」というクリーチャーを召喚しました。
このように、MTGのカード(魔法)はほとんど全てのものが唱える際に「マナ」を必要とします。
マナは土地カードから捻出することができるので、デュエルでは1枚でも多くの土地を場に揃えることが重要になってきます。
ただし、土地カードは自分のターン1回につき1枚しか出せないので注意してください。土地から出るマナの色や相関関係はアプリレビューの際に記載しています。
また本ゲームの戦闘の主役となる「クリーチャー・カード」は、場に出したそのターン内は「召喚酔い」という現象が発生しており攻撃することができません。攻撃はターンを一巡して次の自身のターンが来てから行います。
ようやく自身のターンになりました。
前述した通り本ゲームは土地がないと何もできないため、まずは手札にある「森」を1枚場に出します。カードを唱えたい時はそのカードを場に向かってスライドするといいです。
なお本ゲームでは、シーンによって唱えることのできるカードが黄色く輝いているので目印にしてください。
「森」は緑色のマナを1つ生成できるので、これでアナタは緑1マナで唱えられる呪文が手札にあれば使うことができます。……が、残念ながらこの画像では手札に1マナで唱えられる呪文がないので、これでターンエンド、次の対戦相手のターンに移行します。
このように、先行・後攻に関わらず1ターン目は地盤を固めて終わりとなるパターンが多いです。
対戦相手の2ターン目、更に1枚の「山」を出されたので相手は赤いマナ2つを使うことができるようになりました。
しかし唱えられるカードがなかったようで、そのまま戦闘に突入、場に出ている「狂ったゴブリン」が攻撃を仕掛けてきます。
MTGでは前述した通り各プレイヤーがそれぞれ20点のライフを持っており、これが0以下になると敗北(=対戦相手のライフを0以下にすると勝利)となります。
ライフを減らす方法は多々ありますが、最もオーソドックスなのがクリーチャーで殴ること。
これは対戦相手が召喚した「狂ったゴブリン」カードです。右下に 1/1 と書かれているのがわかるでしょうか。
これは「クリーチャー・カード」のみが持つパラメータで、 パワー/タフネス の値です。パワーが「攻撃力」、タフネスが「防御力」を表すと同時に、何らかの効果によってタフネスが0以下になったクリーチャーは破壊され墓地に落ちます。
MTGの「戦闘」概念では、アクティブ状態(=そのターンが来ている)プレイヤーが攻撃を宣言する際、必ず対象を対戦相手(プレイヤー)に取ります。
もうちょっとわかりやすく言うと、「(相応の特殊能力を持たない限り)クリーチャーはクリーチャーを攻撃できない」ということです。
攻撃側となるアクティブ・プレイヤーが攻撃するクリーチャーを指定し、指定されたクリーチャーが全て対戦相手めがけて突進を開始した際に、防御側となるプレイヤー(攻撃を指定されたプレイヤー)がクリーチャーをコントロールしている場合、「どのクリーチャーでどのクリーチャーを防御するか」を決めることができます。
クリーチャーとクリーチャーとの殴り合い(=戦闘)を行う際、その組み合わせは防御側プレイヤーが決めることがこのゲームの醍醐味のひとつでもあると考えられ、これによって「相手の主力クリーチャーを自分のザコクリーチャーで防御し、自分まで攻撃が通らないようにする」「1:1では倒せなくとも、相手の強力なクリーチャーに対し自分の場に出ている複数のクリーチャーが防御を行うことで双方のクリーチャーを破壊する」「わざとクリーチャーの攻撃を自分まで通すことで自分のコントロールするクリーチャーを死なせずに残し、次の自分のターンで反撃する(攻撃に参加したクリーチャーはタップされ、タップされているクリーチャーは次の相手のターンでの反撃(相手の攻撃)時に防御に参加できないため)」などのテクニカルな戦闘を実現させています。
更にクリーチャーによっては「回避能力」と呼ばれる特殊能力を持ったものがあり、戦闘をより複雑かつエキサイティングにしてくれます。
その最たるものが「飛行」です。
カード本文に「飛行」と書かれているクリーチャー・カードが攻撃してくると、防御側プレイヤーは自分がコントロールするクリーチャーのうち同じく「飛行」を持ったクリーチャーでしか防御できません。イメージとしては地上に展開した強力なクリーチャーをラクラク飛び越えて、空から直接対戦相手を奇襲できる能力ということになります。
回避能力も数十種類にものぼるため、後々紹介していきたいです。
ゲーム画面に戻って、「狂ったゴブリン」の攻撃に対しこちらにはコントロールしているクリーチャーがいないため、ダメージが自分まで通ります。
戦闘ダメージはクリーチャーのパワー分与えられるため、アナタのライフ20点から「狂ったゴブリン」のパワー1点を引いた19点が残ります。
ようやく自身の2ターン目が来ました。
すかさず「森」をもう1枚場に出して、緑色のマナ2つを生成できるようにしましょう。
すると手札にある「ルーン爪の熊」が召喚できるようになります。
カードの右上に書かれた「(1)(緑)」というのがマナ・コスト(それぞれをマナ・シンボル)と呼び、この「ルーン爪の熊」は(緑)マナ1つと「何色でもいいから」マナ1つの合計2マナ必要なクリーチャー・カードです。「森」を2枚タップすることで(緑)(緑)のマナを生成し、それを使って召喚します。
召喚酔いがあるためこのターンに攻撃することはできませんので、2ターン目はここでターンエンド、対戦相手の3ターン目に移行します。
対戦相手の3ターン目、またしても「狂ったゴブリン」が攻撃を仕掛けてきました。
しかし今度はこちらの場に「ルーン爪の熊」がアンタップ状態で存在しているため、防御に参加させることができます。
「ルーン爪の熊」に指をあて、そこから「狂ったゴブリン」までスライドすることで防御を指定します。
メッセージで隠れてしまいましたが、「ルーン爪の熊」はパワー/タフネスが「2/2」、対する「狂ったゴブリン」は「1/1」です。
戦闘ではお互いのクリーチャーの「パワー」の値を、相手のクリーチャーの「タフネス」の値から減算することで行います。
この結果「ルーン爪の熊」は1点のダメージを受け「2/1」に、「狂ったゴブリン」は2点のダメージを受け「1/-1」になります。
タフネスが0以下になったクリーチャーは「破壊」されます(=死亡)。破壊されたクリーチャーは場を離れ、そのコントローラーの「墓地」に移動します。
戦闘後、相手は追加で行動を行わなかったためターンエンド、こちらの3ターン目になります。戦闘でクリーチャーが受けたダメージはターン終了時に回復されるため、こちらのターンになった時に「ルーン爪の熊」は「2/2」に戻ります。
ここまでが「マナの生成」「クリーチャーの召喚」そして「戦闘」の一例です。たった1点のダメージを与え、1体のクリーチャーを倒すために交互に3ターンの行動が発生しました。
これを繰り返すことで対戦相手のライフを削りきると勝利、反対に削りきられてしまうと敗北となります。
ちなみに前述した通りプレイできるカードは黄色く輝きますが、難易度設定を低くしておくことでそのタイミングでプレイすると有効なカードは更に強く輝いて表示されます。
この場面では自分の場に「森」が2枚、更に手札から1枚の「森」を出すことで(緑)(緑)(緑)を生成できるようになるため、(2)(緑)の「ケンタウルスの狩猟者」に矢印が表示されると共にカードが激しく輝き、「プレイできるよ」ということを教えてくれています。
最初はこれらのヒントを頼りにすると良いでしょう。
さぁ待ちに待ったこちらの3ターン目、「ルーン爪の熊」の召喚酔いが解けたため攻撃できるようになりました。
幸い先ほどの戦闘で対戦相手のクリーチャーを破壊しているため、少なくともクリーチャーによってブロックされる危険はほとんどありません。絶好のチャンス到来というわけです。
戦闘フェイズで攻撃に参加させたいカードをタップすると自動的に対戦相手を対象に取ります。
攻撃に参加させたいカードすべてを指定したら、画面左側の「攻撃!」アイコンをタップして攻撃を宣言します。
攻撃を宣言した段階で、攻撃に参加したカードは(相応の特殊能力を持たない限り)強制的にタップされます。
相手が妨害呪文などを唱えてこなかったため、「ルーン爪の熊」のパワー2点分のダメージが対戦相手まで通り、これでライフは19対18になりました。
攻撃に参加した「ルーン爪の熊」は対戦相手の次のターンでもタップしたままの状態になるため防御に参加させることができませんが、こちらには「ケンタウルスの狩猟者」がいるので1体は食い止めることができます。
召喚酔いは攻撃やタップを伴う能力の起動にのみ影響され、そのクリーチャーがアンタップ状態である限り防御には即時参加させられるということも覚えておいてください。
あとはこの手順を繰り返して対戦相手のライフを削っていきます。
長くなってきたので続きは次の機会に。次回はゲームの基礎第二弾、「ターン」の制度について詳しく解説予定です。お楽しみに。