今回はチュートリアルの2戦目を通じて「ソーサリー」カードの使い方を覚えます。
数あるMTGの魔法の中でもソーサリーは強力なものが揃っている部類なので、うまく使うことで相手をギャフンと言わせることができるでしょう。
とはいえ強力なだけに相応の制限もついていますので、使いドコロを誤らないように。
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ここに1枚のカードがあります。本ゲームの序盤でも比較的目にする機会のあるソーサリー呪文です。
「赤は火力」と言わしめる要素の1つで、5マナで5点のダメージを対戦相手に叩き込むことができます。
また「プレイヤーを1人対象とする。」と書かれているため多人数戦で好きなプレイヤーを対象に取れる点、更には自分を対象に取っても構わない点から、自分がダメージを受けた時に何かしらの効果が誘発する呪文をコントロールしている場合にも活用することができます。
たった1つの呪文がプレイヤーのライフの1/4を削れるんです。結構大きいでしょ?
極端な話、これを4回打てばゲームに勝てることも多いでしょう。
これがソーサリーです。
アクティブ・プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、自分に優先権があり、なおかつスタックが空のときに限り、ソーサリーを唱えることができる。
というのがソーサリー呪文を唱える際の条件です。(上記はMTG wiki/ソーサリーよりの引用です)
本ゲームのチュートリアルではまず先に対戦相手がソーサリーを唱えてきました。
「プレイヤーは自分のターンの戦闘前後にのみ、ソーサリー呪文を唱えることができます。ソーサリーは一度だけその効果を発揮し、その後墓地へと移動します。」と書かれています。
この「戦闘前後」というのが、ターンの説明で使用した「戦闘前メイン・フェイズ」「戦闘後メイン・フェイズ」のことを指します。
つまりソーサリー呪文は自分のターンのメイン・フェイズにしか唱えられないということです。
更にMTG wikiの記述、「なおかつスタックが空のときに限り」というのも重要で、これは今後のチュートリアルで学ぶ「インスタント」カードおよびインスタント・タイミングで発動できる起動型能力などの紹介時に詳しく解説しますが、MTGでは呪文を唱える(=カードをプレイする)と一端その呪文がスタックと呼ばれる領域に置かれます。インスタント呪文は、スタックに置かれている(解決前の)呪文に”対応”して唱えることができるカードですので、相手が唱えた呪文がスタックにある間(=解決される=その呪文の効果が発動する「前」)に対応して呪文を唱えることで効果を軽減したり打ち消したり反射したりすることができます。
というわけで、ソーサリー呪文を唱える条件の「なおかつスタックが空のときに限り」ということはつまり、相手が唱えた呪文に対応して自分がソーサリー呪文を唱えることができない、ということを意味します。
自分のターン内のみ、しかも常に先出しとなることがソーサリー最大のデメリットでもあり、逆にこの制限のおかげでソーサリー・カードは(他の呪文、特にインスタント・カードのマナ・コストと比べた場合)強力な効果を持つことがあります。
かつて白に存在した「ハルマゲドン」というカードは4マナで場に出ている土地(自分のも対戦相手のも)を丸ごと破壊できる人気のソーサリー呪文でした。何十枚土地があろうと問答無用で全て破壊できます。
チュートリアルに戻って、対戦相手が唱えたソーサリー呪文がこちら。吸血鬼が血を吸うイメージを呪文にしたもので、対戦相手に1点のダメージを与え自分に1点のライフを与えるものです。
これ1枚でライフの差が19対21と2点開きました。
対してこちらは数ターンの間は基本的な戦術しか取れなかったため、2/2の「ルーン爪の熊」を2体召喚して対戦相手を攻撃しています。
1体がまだ召喚酔いしていたので2点のダメージが通り、これでライフ差は19対19で並びました。
ここで対戦相手がクリーチャーを召喚しました。
「短剣広場のインプ」は1/1と小型ですが、「飛行」と「絆魂(はんこん)」という2つの特殊能力を有しています。
このように特定の能力を単語化したものをMTGでは「キーワード能力」といい、タイプ別に見ると数十種類にものぼります。
「飛行」は常在型能力の一種です。「飛行」を持っているクリーチャーが攻撃した時、対戦相手は「飛行」または「到達」を持っているクリーチャーでしか防御を指定することができません。これらの能力を持たないクリーチャーは頭上を飛び越され、防御に参加できません。この特性から回避能力とも呼ばれます。
「絆魂」も常在型能力の一種です。常在型とは、場に存在しているだけで永続した効果を持つ(=「起動」動作がいらない)能力を指します。「絆魂」を持つクリーチャーが攻撃した場合、そのクリーチャーが対象(クリーチャーでもプレイヤーでも)にダメージを与えた際に、「絆魂」を持ったクリーチャーのコントローラーはダメージと同じ数値のライフを得ることができます。先ほど出されたソーサリー「血の味」と同じようにダメージを吸い取る感じですね。
というわけで「短剣広場のインプ」は1/1といえど脅威です。こちらのコントロールする「ルーン爪の熊」は「飛行」を持っていないため防御に参加できず、(「短剣広場のインプ」が毎ターン攻撃してくるなら)毎ターン1ダメージをくらい、逆に対戦相手は毎ターン1ライフずつ回復していってしまいます。ターンを重ねるほどにライフが開いてしまいますね。
ソーサリー・カードを引きました。
「超巨大化」は2マナでクリーチャー1体にターン終了時まで+4/+4の修正を与えるものです。ソーサリーですので前述したタイミング、更にP/Tの修正は戦闘前に行わないと戦闘時に威力を発揮しないため、このカードは基本的に自分のターンの「戦闘前メイン・フェイズ」で使うものです。このようにクリーチャーのP/Tにプラス修正を与える呪文や効果のことをを俗に「パンプアップ」といいます。
先のターンで対戦相手が「短剣広場のインプ」で攻撃を仕掛けてきた場合、「短剣広場のインプ」はタップ状態になっているはず。ということはこのクリーチャーに防御される心配はありませんね。
「ルーン爪の熊」に「超巨大化」を使い、1ターン限定の6/6にして殴ってみましょう。ダメージが通れば対戦相手のライフを一気に削れます。
しかし今回は、直前のターンで「短剣広場のインプ」は殴ってきませんでした。ぐぬぬ…ここはひとまず我慢して素の状態で殴ります。「短剣広場のインプ」は脅威ですがサイズが小さいため即刻対処が必要というほどでもありません。
対するこちらの「ルーン爪の熊」は2/2なので、これでもしどちらかの「ルーン爪の熊」が防御されたとしても「短剣広場のインプ」を倒すことができ、更に片方は確実に通るため最低でも2点のダメージが期待できます。
結果は防御されなかったので、対戦相手のライフを4点削りました。
対戦相手のターン、またしても吸血効果(しかもさっきの「血の味」より強力な2点ドレイン)を使われました。
しかも対象をこちら(プレイヤー)ではなく、こちらのコントロールする「ルーン爪の熊」に取られたため、タフネスが2の「ルーン爪の熊」は破壊されてしまいました。
この時点でライフ差は19対17になっています。2点吸われたことによるアドバンテージの喪失は痛いですが、事前にある程度ライフを削っていたため逆転には至らずほっと一息。
中盤にさしかかり、キーカードの1つを引きました。
「トランプル」は回避能力の一種で、戦闘時の余剰ダメージを対戦相手まで貫通させます。
引いたカードはこちら。「とげのベイロス」は4/2トランプル持ちです。
例えばこのクリーチャーの攻撃が「短剣広場のインプ」に防御されたとします。こちらは4/2、向こうは1/1なので、通常ならば戦闘時に4/1対1/-3になりますよね。
ところが「トランプル」を持ったクリーチャーの場合、相手のクリーチャーのタフネスが0(=破壊できる状態)になった時点で余った分のダメージ(この場合3点)を対戦相手まで貫通させます。
ザコクリーチャーを使って防御されてもダメージが通る、緑の得意な大型クリーチャーと非常に相性の良い能力になります。
「ファッティ」とは大型(=大きく膨れ上がる、”太った”という意)のクリーチャーを指す言葉です。MTG wikiによると少々面白い由来を持つようで、はっきりとした定義はありませんが、ゲームに影響を与える「効果」ではないため大型だと思ったら使って良いと思います。
大型クリーチャーやトランプル持ちが豊富な緑ならではのデッキとして、高速でパワーの高いクリーチャーを展開して押切る、転じて「対戦相手を大型クリーチャーの突進で踏み潰す」イメージからついたストンピィというデッキもあります。由来は日本語では「ドスンドスン」などと表現される擬音の英語版、”stomp”からとのことです。
デュエルも終盤が近づいており、双方ともに土地が潤沢になってきました。ここでこちらの場には4/2トランプル持ちがいるため、うまくすればこのまま押し切れるかもしれません。
一気に攻勢に出るため、「とげのベイロス」の召喚酔いが解けたタイミングで温存しておいた「超巨大化」を使います。
1ターン限定とはいえ、8/6ものサイズを誇るファッティが完成しました。しかもトランプルを持っているため、2/2程度に防御されても6点ものダメージを通すことができます。
ここは対戦相手がアンタップ状態でキープしている2/2のゾンビを警戒して、相打ちにならぬよう「ルーン爪の熊」の攻撃は見送ります。
これでアドバンテージを損ねることがなくなり、「とげのベイロス」が防御されようとされまいと対戦相手にダメージを与えられるでしょう。
結果は防御されなかったのて、対戦相手のライフを一気に8点削ってやりました。
対戦相手のターン。またしても嫌なカードを…なんとタフネスが6点もあるブロッカーを召喚されてしまいました。
しかもパワーも2あるため、パワーが6以下のクリーチャーを確実に防御すると共に6/2のクリーチャーとも相打ちになってしまいます。これはきつい。
更にこの後の行動によってこちらの「とげのベイロス」は破壊されてしまいました。万事休す!?
と思ったけど意外とそんなこともなかったぜ。またしても簡単なコンボを使います。
手札にあった「最上位のティラナックス」を召喚、こいつは6/5のファッティですがトランプルはありません。
これで「地下墓地のナメクジ」に勝てるクリーチャーが場に出ました。が、都合よく防御してくれるのを待つ気はありません。
同じく手札に引いていた「捕食」を唱えます。このカードは、自分と対戦相手がコントロールするクリーチャーをそれぞれ1体ずつ指定し、指定したクリーチャー同士での戦闘を強制するものです。「戦闘フェイズ」での戦闘ではないため召喚酔いがあっても使えますし、「攻撃」ではないため戦闘後にタップもされません。
6/5の「最上位のティラナックス」vs2/6の「地下墓地のナメクジ」で格闘を行わせ、「地下墓地のナメクジ」を破壊します。
この時点で「最上位のティラナックス」にはダメージが蓄積され6/3になっています。まだいけますね。
実はもう1枚「捕食」を引いていたので、更に対戦相手の場に出ている2/2のゾンビと格闘させ、破壊しました。
「最上位のティラナックス」は6/1でギリギリ生きています。
戦闘フェイズでは、未だ健在の「短剣広場のインプ」に防御され相打ちとなることを警戒し、今回は攻撃を行いません。これでターン終了時に「最上位のティラナックス」はダメージが回復して6/5に戻ります。もし「最上位のティラナックス」にトランプルがついていたなら強引に攻撃することで(「短剣広場のインプ」と相討ちになったとしても)5点ダメージを通せるんですけどね。
対戦相手のターンを経て自分のターンになり、更にソーサリー・カードを引きました。
「大型化」はターン終了時まで+7/+7の修正とトランプルを与えるかわりに、攻撃時に対戦相手が「防御できる状態(=アンタップ状態で、「防御に参加できない」などのデメリットがついていない状態)」のクリーチャーをコントロールしている場合、対戦相手の意向に関わらず必ず「大型化」のついたクリーチャーを防御しなくてはなりません。強引に対戦相手のクリーチャーを破壊できる可能性がある上にトランプルがつくため余剰ダメージを貫通させることも期待できます。
「最上位のティラナックス」につければターン終了時まで13/12という化け物にもなるのですが、対戦相手の場に6/5に対処できるクリーチャーがいないためここはあえて「ルーン爪の熊」につけます。
これでこちらのクリーチャーは6/5と9/9(トランプル)になります。
この2体で総攻撃をかけます。
「最上位のティラナックス」はトランプルを持っていないため、1体でもクリーチャーに防御されると(そのクリーチャーは破壊できるが)対戦相手までダメージを通すことはできません。
対して「ルーン爪の熊」はトランプルを持っています。
このターン、対戦相手は2/2のゾンビ2体を使って「最上位のティラナックス」と「ルーン爪の熊」をそれぞれブロックしてきました。結果は対戦相手のゾンビ2体が破壊され、「ルーン爪の熊」の余剰分である7点のダメージが対戦相手まで通ります。
以降、対戦相手は展開できるカードがなくなったのか何もしてこなくなったため、次の自分のターンで再度総攻撃を仕掛けることで勝利しました。
「防御するクリーチャーは防御側プレイヤーが決める」「ソーサリーによるパンプアップでザコクリーチャーをファッティに化けさせる」「トランプル持ちの攻撃でクリーチャーごと対戦相手を踏みつぶす」「格闘の強制で有利な条件での戦闘を実現する」など、序盤でも簡単なコンボは多数組むことができます。
次回はチュートリアルの3戦目、「エンチャント」カードの使い方について解説する予定です。お楽しみに。