1993年に世界初のTCGとして登場してから20年以上が経過し、現在11の言語で70カ国に展開、未だに現役どころか2000万ものユーザーを抱えている。
規模においてもまぎれもなく世界最大級のTCG、それが「マジック:ザ・ギャザリング(通称MtG)」です。
RPGでも20年間遊び続けられるものとなると、FFやドラクエなどの最高峰一握りですよね。この不動の人気度がMtGの面白さを裏付ける何よりの証拠です。
昨年紹介した「マジック2014」の続編にして最新作「マジック2015」がいよいよ登場します。
前作「マジック2014」はこちら↓
・マジック2014 : 中毒性抜群!あの「マジック:ザ・ギャザリング」がAndroid&iOSでも遊べる!無料
カードの読み方など基本的なところは「マジック2014」のレビューで触れましたのでそちらをご覧ください。
その時にもちょっと書きましたが、MtGがここまで大きく、そして長く愛される理由がどこにあるかを考えると、ゲームに対する2方向からの「作り込み」の深さではないかと思われます。
1つ目はいわずもがな、ゲームシステム。シンプルに表現するなら、
「初心者だからルールを詳しく知りたいって?全部合わせると辞書より重くなるけどいい?」
という感じ。
例:ターン構成|ゲームの進め方|クリーチャーが持つ特殊能力|ルーリング
※ゲーム環境の変遷と共にルールは刻々と変わっており、またクリーチャーが持つ特殊能力もブロックやエキスパンションによって異なるため全てを覚える必要性はありません。
2つ目は背景ストーリーです。ただのカードゲームが小説化・映画化まで果たせるレベルといえばわかりやすいでしょうか。
コミカライズではなく小説であるところが、絵よりもストーリーが強い証拠です。絵だって十分負けてないんですけどね(画集もありますし)。
MtGは初出からずっとカードゲームです。ビデオゲームではありません。何が違うかといえば、映像化(=キャラクターが動く・喋ること)を前提としていません。
にもかかわらず、下手なRPGが裸足で逃げ出すほどの超緻密なストーリーを持ちます。
ちょっと触れただけでワクワクが止まらなくなるMtGのストーリーは、「フレイバー・テキスト」としてしっかりカードに記されています。
じゃ一体どのくらい緻密かって?
とりあえず年表が作られる程度の精度を持つことは間違いありません。
※上記ページは作りかけです。より詳しくはこちらへ。
そんなMtGが更に本気を出しました。
その前に今回のストーリーをざっと紹介。
キーパーソンはプレインズウォーカー、「野生語りのガラク」です。マジック2014のチュートリアル完了時にもらえた緑のデッキで展開されていた世界にも登場。
MtGをやる上で欠かせない要素である「プレインズウォーカー」とは、言い換えれば背景ストーリーにおける主人公のようなものです。このゲームは「プレーン(次元)」と呼ばれる世界が多数存在する「多元宇宙」が舞台で、これらの次元を渡り歩くほどの強力な力を備えた者をプレインズウォーカーと呼びます。
より詳しい解説はこちら。
もともと緑の力を持っていたガラクですが、黒のプレインズウォーカー、「リリアナ・ヴェス」との戦いに敗れ、現在は黒の力「鎖のヴェールの呪い」に染まっています。
緑だった頃は召喚を得意とする優秀な狩人だったガラクですが、黒に染まった現在はその矛先を獣より強力な存在……プレインズウォーカーへと向けています。
↑黒の呪いに染まったガラク↑
ここで一度話を切替えて、ゲームシステムを見てみます。
MtGにおいて、プレイヤーは「プレインズウォーカー」の1人として物語の中に入り込みます。システム上の「プレインズウォーカー」とは魔法使いのような存在で、集めたカードを「呪文」に見立て、クリーチャーを”召喚”したり、ソーサリーやインスタント、エンチャントといった”魔法”を駆使して戦うタイプのRPGです。
再度話を戻します。
ガラクの攻撃対象は「プレインズウォーカー」です。もうおわかりですね。
ガラクの狙いはアナタです。元々プレインズウォーカーとして非常に強力な力を持っていたガラクだけに、その強さはラスボス級。
逆にいえば、やられる前にガラクを倒すのが本ゲームの目的の1つになります。
そんなゲームの進行を強力に補佐してくれる頼もしい味方、「ジェイス・ベレレン」をご紹介します。
彼もプレインズウォーカーです。プレイヤー(アナタ)はガラクに見つかる前に倒すため、ジェイスの助力を求めていくことになります。
この「ジェイス・ベレレン」はゲーム中にセリフがあるわけですが、なんとその日本語版吹替に、人気声優の浪川大輔氏を起用!
「ネバーエンディング・ストーリー」「ロード・オブ・ザ・リング」「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」「BLACK LAGOON」などで活躍、更にハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオ氏の吹替もこなすことで有名な方です!
今度の「マジック」は声もアニメも大増量。特にアニメに関して、前作(マジック2014)では風景をパンした程度だったものが大幅に刷新され、映画さながらのクオリティを誇ります。
・[PV]マジック2015 — デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ|YouTube
こちらが公開されたトレーラーになります。もちろんゲーム進行時にも多数の”演出”が設けられており、ほかにも大量のド迫力映像が待っていますよ。
これは実物のカードでは味わえない、ゲームオリジナルの特典です。
「マジック:ザ・ギャザリング」は国内でも市販されているカードゲームです。「マジック2015」はそれを電子化したものになります。
基本的にストーリーやカードなどは一緒。おもちゃ屋でカードを買っても、アプリをダウンロードしても、同じように遊べます。
なら既にカードを持ってる人にとっては二度買いになる?
ぶっちゃけその通り。ただし、ゲームのほうはクエストクリア報酬でブースターが貰えることがあったりと実物よりもカードが揃えやすく、しかもブースターパックに関して特別な配慮がなされています。
MtGの大原則にもきちんと則っているため、ゲーム内の全てのカードに所持数制限がかけられているんです。
☆MtGのルールはゲーム形式によって異なりますが、最もオーソドックスなルールには原則として「デッキ1つにつき同じカードは最大4枚まで、制限カードは制限された枚数まで」しか入れてはいけないというものがあります。
※そのかわりデッキ自体に枚数制限はありません。
このため「マジック2015」では、同じカードは次の枚数しか持つことはできません。
- コモン … 4枚
- アンコモン … 3枚
- レア … 2枚
- 神話レア … 1枚
枚数の上限まで所持したカードはブースターパックから出現しなくなります。ブースターパックを開封する際は必ず、所持していない該当セットのカードが出てくるようになっています。
該当セットのカードが全て集まっている場合、該当のブースターパックはそもそも開封できないという形になります。
逆に言えば「一定以上の数のブースターパックを開封すれば必ずコンプリート出来る」ようになっているわけです。
これはルールに則るという意味合いだけでなく、カードの種類やデッキ構築のノウハウを熟知したプレイヤーと全くの初心者の間の実力差を極端に広げすぎないためのリミッターとしての側面も持ちます。
そこに加えて多種類のエフェクトやストーリーの読み上げ、ムービー挿入といった演出が目を見張り、更に初心者にも嬉しいデッキのオートコンプリートにも対応!
オートコンプリートとは、要となる重要なカードをいくつか選ぶとそれらを活かせるように残りのカードを自動的に選んでくれる機能のことです。
ゲームには非常に丁寧でわかりやすいチュートリアルステージが用意されています。
戦略がものをいうバトルシステムだけに、MtGのルールは非常に複雑。それらを1つずつ、徹底的に教えてくれます。もちろん、カードも説明も全部日本語です。
チュートリアルクリア時には好きな色のデッキが貰えるので、ぜひ挑戦してみてください。
この手のゲームをはじめる際、最もネックとなる要素が2つあります。
1つは値段。プレイヤーの年齢にもよりますが、大量のブースターパックなどを箱買いできる人はそう多くありません。
こちらは前述の所持数制限と重複しない設計によって緩和。
そしてもう1つは対戦相手の存在です。友達を誘えるならいいですが、1人ではじめてもCOM対戦ばかりで飽きちゃうようではちょっともったいないですよね。
「マジック2015」はオンライン対戦をサポート、更に現実でも行われている「マルチプレイヤー対戦」も可能!
練りに練った強力デッキで世界の強豪に挑んでください!
繰り返しになりますが「マジック:ザ・ギャザリング」は実在するカードゲームです。
「マジック2015」ではここに着目、ゲームとショップが連動します。
『マジック2015 ― デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ』の完全版を購入したプレイヤーのために、プロモブースターパック(6枚入り)とハーフデッキが用意されています。
ゲーム画面に表示されたコードをウェブ上で入力するとクーポンが貰えます。それを持って店舗まで行くと「プロモブースターパック」と「ハーフデッキ」が貰える!!
また公認店舗の場合「フライデー・ナイト・マジック」が開催されているところもあります。
スタンダード、モダン、シールドデッキ、ブースタードラフトといった多種多様なフォーマットでゲームを楽しめる「地域ごとの小さな大会」のようなもので、MtGファンにとって「マジックといえば金曜夜」と言わしめる知名度があります。
より詳しい情報は下記をどうぞ。
・フライデー・ナイト・マジック : Tournaments & Events : Trading Card Game : Magic: The Gathering
イベントおよび店舗検索にはこちらをどうぞ。
・Store & Event Locator – Wizards of the Coast
MtGには大小さまざまな規模の「大会」があり、集めたカード、作ったデッキ、苦心して編み出した戦法を駆使して思う存分戦える場が用意されています。
プレイヤーの最高峰、2012-2013年の世界チャンプが獲得した賞金(合計ではなく世界選手権1回分)は4万$(USD)もあったのだとか。
それだけの価値があるゲームです。
Tomは当時中学生、ちょうど基本セット第5版が発売した頃にMtGと出会いました。以来、一瞬で(第5版のパッケージに描かれていた「シヴ山のドラゴン」の絵だけで)虜になり、ウルザブロック3部作(サーガ・レガシー・デスティニー)まで続けました。
その結果、中学生の分際で1ヶ月に10万円使って親にぶっ飛ばされた事も、今となっては良い思い出です。
余談ですがこの「シヴ山のドラゴン」、7月18日より発売されるハーフデッキに入ってます。絵が変わってしまいましたが、どちらも非常にカッコイイ!最もドラゴンらしいドラゴンともいわれた雄姿をぜひご覧ください。
カードを並べてタップしてハイおしまいじゃあ到底つまらない。
絵が綺麗なだけではダメ、ストーリーだけでもダメ、システムが良いだけでも勿論ダメ。世界の頂はこれら全てを兼ね備え、子供だけが楽しむのではあまりにももったいない、大人も虜にするクオリティに仕上がっています。
・マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
・マジック:ザ・ギャザリング (Magic: The Gathering)|公式Facebook
・マジック:ザ・ギャザリング (mtgjp)さんはTwitterを使っています
・マジックチャンネル – ニコニコチャンネル:ゲーム
・フライデー・ナイト・マジック : Tournaments & Events : Trading Card Game : Magic: The Gathering
・MTG Wiki