Googleのメッセンジャーアプリ「ハングアウト」がIP電話発信機能を持ちました。
メリットは非常に多いです。月額無料、米国及びカナダへの発信も無料、世界中の多様な地域が対応しており国際通話可能、固定電話への発信も可能、テキストメッセージ送受信可能。
国内で使う場合のメリットとしては、携帯電話宛の通話料が格安、電話番号を知らなくても発信・着信可能、そして元になる「ハングアウト」はSMSの送受信に対応させることができるほか、テキストメッセージの送受信、ビデオチャットも従来通り可能です。
いくつか注意点もありますので順を追って説明します。
まず最初に、「Hangouts Dialer」を使う時は最新版の「ハングアウト」アプリも必要になります。「Hangouts Dialer」は「ハングアウト」にダイヤラー画面を追加するような役割のため、インストールして一度起動したら、次回からは「ハングアウト」アプリを使うことになります。
ただし、「Hangouts Dialer」を使うとハングアウトのダイヤラー画面を直接呼び出せるようなので、お好きなほうを使うと良いかと思います。
ハングアウトアプリはSMSの送受信に使うことができるので、キャリアSIMなどSMSが使える場合、標準の「電話」アプリなどと併用する価値は十分にあります。
通話可能な地域&ハングアウトを利用した際の通話料金については下記から確認できます。
・通話料
日本への発信ももちろん可能。
ちなみに単位の「¢」は「セント」のことです。1セントの価値は約1円です。
国内への発信の場合、VoIPおよび固定電話宛なら1分3セント(約3円)、携帯電話宛なら1分9セント(約9円)となります。
たとえば「050 plus」の場合、固定電話宛なら3分8.64円(1分に換算すると2.88円)と同程度すが、携帯電話宛は1分17.28円、PHS宛は1分10.8円と、ハングアウトに軍配が上がります。
また「050 plus」は月額基本料が324円かかります。
月額基本料のかからない「SmarTalk」の場合、固定電話・携帯電話どちらも30秒8円(1分に換算すると16円)となっているため、やはりハングアウトに軍配が上がります。
続いて「無料」と言った根拠を説明します。
電話番号宛にかける時は画面中央に通話料の目安が表示されます。この画面では日本の携帯電話にかけているため、1分9セントと表示されています。
こちらは通話料が表示されていません。
ハングアウトユーザー同士であれば、SMSのほかにGoogleアカウント宛に「ハングアウトメッセージ」を送ることができます。
この要領で「ハングアウトユーザー宛に」電話(音声通話)発信することが可能。この場合無料です。
Android持ってる方なら1つはGoogleアカウント持ってるはずですよね。
※「ハングアウトユーザー宛」を言い換えると「ハングアウトアプリ宛」と捉えることができます。「相手のスマホの電話アプリで着信できる通話」だけでなく、「相手の端末のハングアウトアプリで着信できる通話」を行なうことができ、この場合無料ということです。
Googleの「連絡先」がますます活躍しそうですね。
・【Androidスマホのコツ】スマホに登録した連絡先を、Googleのアドレス帳にまとめてみよう
ハングアウトから電話番号宛に電話発信した場合、着信側にはこのように表示されます。
IP電話のため、自分の持っている「090」などの電話番号は使っておらず、またIP電話用の「050」などではじまる番号の取得もされません。デフォルトの場合は「不明」などと表示されることになります。
そのかわり、米国のGoogleボイスアカウント(Googleボイスで使用する米国の電話番号)を持っているならその番号を通知する、そしてその番号への着信をハングアウトで受けることができますが、持っていない場合は(電話番号宛の場合)発信専用となるようです。
・完全な Google Voice アカウントにアップグレードする – チャット ヘルプ
自分のハングアウトに向けられたの着信ならば受けることができます。
なお前述の通り通話用回線は使わないので、「楽天でんわ」のように標準の電話アプリを置き換えて使う、または「090」などの番号への着信をハングアウトで受けることはできません。電話番号を持っている場合はIP電話アプリと同じように併用することになります。
発信・着信の可否と有料・無料の対象など結構複雑になっていますので、図で描いてみます。
ハングアウトからの「発信」が可能な対象はこのようになります。
携帯電話番号、固定電話番号およびVoIP、そして相手のハングアウトに対しても通話発信ができます。
なおハングアウトから電話をかける場合はIP電話になるため、インターネット通信回線を使います。「通話料」だけでなく「パケット通信料」も発生する場合があります。
LTE等だけでなくWi-Fiも使えます。
・Android 版のハングアウトでの発信 – ハングアウト ヘルプ
対して「着信」が可能な対象はこのようになります。
「電話番号」からの着信をするにはGoogleボイス番号が必要になるわけです。
有り体に言ってしまえば公衆電話などと同じ、先にお金を入れる必要があります。
またこの画面について、Android 4.4.xを搭載する複数の端末(Nexusは含まず)で試してみましたが、「クレジットを追加」ボタンを押してもダイヤラー画面に戻ってしまい、チャージできませんでした(※TomはGoogleボイスの番号を取得していないので、このためかもしれません。)。
チャージは下記ページから行います。最低10ドルからのチャージとなるようで、クレジットカードが使えます。
・Google Voice – Call history
パソコンの場合、自分のアカウントで「Google Voice」にログインして、Gmailのように右上に表示される歯車から「Settings」を選んだ先の画面になります。
支払いがセントになるためドル単位でのチャージは逆に計算がしやすいかもしれませんが、チャージ時の支払額(円)には注意が必要です。
またGoogleボイスには「残高が指定の金額を下回った時にGmailで通知する」「その際に指定の金額を自動チャージする」機能などもあるようです。
なお無料の相手への発信(ハングアウト宛など)の場合にはチャージ画面は出現せず、そのままかけられます。
かなりいろいろな特徴があるため、細かな点も合わせて概要を箇条書きしておきます。
- 「ハングアウト」アプリから電話発信ができる
- 米国・カナダの電話番号宛は無料、その他世界中に格安通話可能、固定電話にもかけられる
- 音声通話時はインターネット回線を使う(IP電話)
- 通話料のほか、利用環境によってパケット通信料が発生することがある
- Wi-Fiが使える
- 専用の電話番号(050)は発行されず、「090」ではじまる番号も使われないため「発信者番号通知不可能」になる
- Googleボイスの番号を持っていればそちらが使える
- ハングアウトユーザー同士なら通話無料、着信も可
- ハングアウトへの発信時は、同じアカウントを設定した全ての「ハングアウト」アプリに着信する
- 「Hangouts Dialer」未インストール端末には「ビデオハングアウト」として通知される
これまでパソコン版Gmailで可能だった電話発信機能がハングアウトでもできるようになったというようなイメージで良いかと思います。
・Gmail から通話する – チャット ヘルプ
・パソコンのハングアウトからの発信 – ハングアウト ヘルプ
後者のリンクに払い戻しについても書かれていますので、クレジットをチャージする時は一度見てみることをおすすめします。
その他詳しい情報はGoogleのホームページで確認できます。