短尺・マイクロ動画の可能性と、動画広告の活用ノウハウ・広告効果を事例を交えてご紹介!

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facebook、Twitter、Instagram、YouTubeなどのプラットフォームで、様々なPRを仕掛け、成功経験を持つ各社による、最前線のマーケット動向や、実践的なノウハウを語ったセミナー記事です。
内容盛りだくさんなので、4回に分けて掲載します。
今回は4回目、テーマは「短尺・マイクロ動画の可能性と動画広告の最前線ノウハウ」です。

~会社立ち上げの経緯~

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ファイブ株式会社 代表取締役 菅野 圭介:ファイブの菅野と申します。よろしくお願いします。
まず簡単に私たちの会社が何をやっているかご紹介させていただきますと、日本のいろんなアプリメディアさんに対して、動画広告の配信のシステムを提供している、いわゆる動画プラットフォームの会社、と思ってもらえれば間違いないかなと思っています。
 
もともと会社を立ち上げたきっかけも少しお話すると、私は前職GoogleでYouTubeのマーケティングの担当をしていたんですね。
そのときに、ふと数字を見て気づいたことがありまして、それは何かというと、YouTubeのスキップができる動画広告あるじゃないですか。その動画広告で、デスクトップとモバイルとを比較したときに、当時モバイルのほうがスキップされる率がすごく高かったんです。
 
今はちょっと改善しているという話なんですけど、当時それはなんでかなって考えたときに、デスクトップで動画見るのとモバイルで動画見るのって、ユーザーの気持ちとか接触の態度とかってだいぶ違うんだな、と思って。
じゃあモバイルユーザーのために一から考えた専用のシステムとか、あとはそこに乗っかるコンテンツやクリエイティブの考え方みたいなのがあるんじゃないかな、ということで今日はその話中心にできればと思っております。
 

~人気アプリの変遷;バーティカルメディアの登場~

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僕が数年前Googleにいたときって、ストアを見ていても、まだ9割方ゲームだったんですよね。
スマートフォンが登場してから、アプリのメインストリームがゲームみたいな状態が長く続いていて、数年前からソーシャルメディアだったりメッセンジャーだったりとか、あとはいわゆるキュレーションメディアみたいなメディアが台頭してきました。
最近では、僕たちがバーティカルアプリとかバーティカルコミュニティと呼んでいる熱量の高いユーザーが集まる尖ったコミュニティが出てきているのですが、そこできれいに動画広告出せますよ、という状態になってきました。
 
その中で、僕らが注目しているコミュニティの一例として、MixChannelっていう、女子高生2人に1人が使ってるアプリとか、20代ぐらいの女性がたくさん見ているC CHANNELとか、あとnana musicってご存じですかね?音楽を録音して、みんなでコラボしたり、歌ってみた、みたいなのをスマホだけで完結できる、っていうアプリとか、そういうすごくいろんなサービスが出てきていて、むちゃくちゃ熱量の高い明確なコミュニティが、たくさん点在している状態になっているなと感じています。
 
僕らはそうしたコミュニティのなかで、動画でコミュニケーションできるようなプロダクトを作っています。
 

~人間のアテンションスパンは金魚以下?!動画が短尺である理由と集中力の関係~

最近Facebookとか見ていると、レシピの動画とかがよく流れてくるようになったなと思うのですが、あれって、早回しじゃないですか。
恐らく早回しがユーザーに支持されているから、ああいうことになっているんだと思うんですけど、そもそもなんで早回しになってるんだろう?って考えたことある方います?
想像つく部分もあるかな、と思うんですけど、要するにスマホって物理的にスクリーンいじっているじゃないですか。指先がせわしなく動いているんですよね、基本的には。何か面白いものないかな、って。
このせわしなく動いている状態から、ユーザーに指先を止めてもらわないと映像って届かないんですよね。タラタラと起承転結作ると一瞬で飛ばされちゃう。
 

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一つマイクロソフトさんが発表している面白い調査がありまして、人間の脳波を測定して一つのことに集中できる時間というのを測ってみました、みたいなことを定点的にやっているんですね。
2000年くらいには、脳波を計測したときに人間の集中力は12秒ぐらいは持続していたのが、スマホが出てきて、2013年にはなんと8秒まで落ちてしまっているという結果になっているんです。
ちなみに、金魚っていうのは集中できる時間が9秒っていうことで、人類は今金魚に負けつつあるみたいなことになっているわけです。
 
そういう注意力みたいなところでいうと恐ろしい状態なんですけど、これ裏を返すと、マーケティングしたりとかプロモーションするときも、このくらいシビアなアテンションというか、注意持続時間の中で戦っていかなきゃいけない、ということになるのかなと。
短い時間で人の注意をグッと引きつけて、そのまま時間を使ってもらうっていうことが、今の時代いかに大変かということがお分かりいただけるかと思います。
 
ちなみにこれって、若い人だけの話って思いがちかもしれないですけど、実はデジタルヘビーな人はみんなそうなんです。
つまり、「注意力が落ちているんじゃない。ただ面白いものが多すぎるんだ!」っていう状態ですね。世の中に面白いコンテンツがむちゃくちゃ増えちゃってて、そのスイッチングコストがめちゃくちゃ下がっているので、つまんなければ次行くし、っていう状態。指が動いている状態をクッと止めてもらうみたいな、そういうことが必要になってくるところだと思っています。
 

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僕たちの会社では、動画広告を提供しているわけなんですが、よくよく考えると映像ってそもそも時間軸という概念を持つんですよね。
写真やテキストって、自分のペースで物事を情報処理できるじゃないですか。文字読むのが速い人ってバーッと読み込みますよね。
 
でも映像って、ユーザーが作り手の作った映像の時間軸に沿って、そのまま付き合わなきゃいけないんですよね。
これがすごく重要な部分で、モバイルのユーザーは時間にむちゃくちゃシビアだという文脈の中で、さっきの問いに戻ると、レシピ動画が早回しになっているように、モバイルの動画はすごくクイックに結論を求めるようになるし、端的になっていくっていうのが、デバイスの特性としてあるのかな、と思っています。
 

~ユーザーはちゃんと広告を見て判断している~

実際の広告の配信データを見ていると、ユーザーってやっぱりちゃんと広告を見てくれているな、っていうのを感じます。
例えばECの場合、商品画像一つで興味の有無っていうのを、瞬時に察知する能力に長けていると感じます。若い子は特にそうですね。
興味がないものは動画を即飛ばす。クリックしてもコンバージョンしない、みたいなのがすごい明確で、そもそも自分が買わないものとか予算オーバーの高価なものとかって若い子は買えないし興味ないので、そういうメッセージが出てきた時点で、あ、自分に関係ないな、みたいに判断されてしまう。
 

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例えば同じフリマアプリのキャンペーンでも、見せ方一つでこんなに差が出る、みたいな話をご紹介します。
例えば配信するコミュニティが違った場合でいくと、若いユーザーが多いティーン系のコミュニティだったら、スマホカバーみたいなのがすごい人気だったりします。テイストもわりと一見チープな方がウケがよい。ところが、もうちょっと上の20代以上とかの、大人女子系メディアだと、やっぱりおしゃれなテイストのクリエイティブの方が明らかに反応が良いんです。反応する商材もアクセサリーとかブランド商品あたりになる。
 
あと、全体の傾向として面白いなと思っているのは、若い子は動画のなかでいっぺんに見れるアイテムの点数が多いほどいいというのがありますと。多分、目で追えるんですよね、まだ若いから。反射神経があるみたいな。(笑)
でも年代が高くなると、同じ秒数でも点数を抑えたほうが効果がいいみたいな傾向がありまして、そういうのって面白いなーと思ってます。
 

~カテゴリごとに作り分けてみる~

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あとは究極のパターンでいうと、同じメディアの中でも、ユーザーの属性ごとにクリエイティブを作り分ける、みたいなこともやっています。
とあるメディアさんなんですけど、自撮りとか恋愛とかアニメとか、アプリの中で多くのカテゴリに分かれているんです。
同じアプリのコミュニティなんだけども、カテゴリごとにユーザーの興味関心って明確に違うわけじゃないですか。
だとすれば、そのユーザーの興味関心ごとに、動画を作り分けてみたらどうなるんだろう、みたいなことをやっていて、そのアプリさんのユーザーをアクティブ文化系、真面目、チャラい、みたいに4象限に分けてマッピングをしてみたんです。
そしてそれぞれで、クリエイティブの出し分けをしてみたらどうだろう、みたいなことを実はやっていたりします。最終的には、ユーザーひとりひとりに合った動画そのものを作り分けることが理想形なのではないかと思っています。
 

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例えばカップル向けだとペアのミサンガとか、ペアリングとかを並べたり。あとは、カップルじゃなくて友達、友情、ニコイチみたいな、双子コーデみたいなのが実は流行っていたりするんですが、そういうのをリア充訴求としてクリエイティブにしてみたり。
あとはアイドルオタ向けクリエイティブを作って、それをアイドル好きが集まっているカテゴリのところにだけ流すみたいな、そういう取り組みですね。
 
まだ実験段階なんですけど、こういうことを割とカジュアルにやったりして、結構手ごたえを感じています。
広告ってユーザーは、あんまり好きじゃないとか、基本スルーするでしょ、みたいなのってあると思うんですけど、実際にいまほとんどのバナー広告は機能していないと思うし、これまでのやり方って多分もう厳しいなと思っていて。邪魔だし、誤クリックするし。
ただ、動画というあたらしいフォーマットでユーザーの目線に立ってここまでやると、わりとユーザーさん喜んでくれるな、というのが数字で見ていて思う部分ですね。
広告だからといって全部スルーされるわけじゃなくて、ちゃんと見て判断されているんだな、っていうのは、広告届ける側としてはすごく実感することだったりします。
 

~目的と求める機能で動画の尺は決まる~

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最後に、動画の尺の話なのですが、僕らってTVCM素材をそのまま流すこともあれば、短尺のものも流したりとかして、結局どっちがどうなの?みたいな話って結構よく聞かれるんです。
現時点で思っていることで、再度整理させてもらったものがこちらの図なんですけど、基本的には動画の目的と動画に求める機能によって、尺っていうのは自ずと決まるべきなのかなと思っています。
 
何かというと、短尺で深いコミュニケーションってできないんですよね。
なので、目的というのが、例えばバナーよりもリッチに伝えるとか、アクションを求めるみたいなこともありますし、あとは1メッセージ届けたい、商品のことを覚えてもらうとか、ポンと一言認知してもらう、ということの使い方。
 
タイミングとしては、フィードの中とか、ユーザーさんの指が動いている、何かやっているときには短尺の方が適していると考えています。
そういう掲載位置の在庫って、世の中には多いですね。
キャンペーンゴールがCPI(インストール単価)やCPA(獲得単価)を追うものに関しては、5秒から8秒ぐらいのものが適していると考えています。
 
一方で、長尺の動画に関しては、これは企業側の事情もあって、CMの映像素材をそのまま使いたいです、っていうのがある。
そのときの目的っていうのは、どっちかっていうと態度変容ですよね。テレビCMをやるときって、ブランドのことをよく覚えてもらって、好きになってもらって、ふと店頭でどれにしようかな、って思ったときに思い出してもらうために、大掛かりにCMを打ったりするわけです。
 
ただ長尺の動画を流す場合は、なるべくユーザーに長い時間見てもらえる瞬間を選ばないといけなくて、アプリの領域でいうと、すでに何かに没入している瞬間ではなくて、アプリを立ち上げて今日何しようかな、っていうときが見てもらいやすかったりします。
ただその代わり、その場所っていうのは少ないので、希少価値が高い、という感じですね。
その場合のKPIはどっちかというと視聴の完了率とか、態度変容、ブランドのことをどう思ったか、というポイントを、接触者と非接触者で比べてみることが多い、という感じですね。
 

~モバイル動画クリエイティブ制作の王道パターン~

最後に、モバイルで動画のコミュニケーションをするときに重要だなという要素は、最大公約数的にまとめます。
まず、「一目でわかること」。
それは動画冒頭の部分もそうですし、要素の大きさみたいなものもそうですね。
やっぱりスマホはスクリーンちっちゃいので、文字が小さいと見づらいわけですし、人もなるべく大きく映ったほうがいいとかっていうのもあります。
 
そして、「メッセージがクリアでわかりやすいこと」。配信先のコミュニティがたくさんあるので、そこに応じてなるべくメッセージを変えていくとか、ユーザーに自分と関係あるなと思ってもらうこと。
 
あとは「動画を見た後に何すればよいか明確にわかること」。たとえばアプリのプロモーションだったら、これを見ておしまいじゃなくて、インストールしてね、とか、ユーザーさんやっぱり動画見て何していいかわからない、というケースもありますので、きちんと行動を促すこと。
最後にエンドカードみたいなものをつけて、遷移してもらいたいんだったら、LPのほうに遷移してもらうとか、そういう取り組みというのが全般として言えるのかな、というところです。
ちょっとまとまってなかったかもしれないですけど、事例盛りだくさんでお送りしました。ありがとうございました。
 

取材協力:ファイブ株式会社
 

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