格安SIMと呼ばれる通信サービスが増えてきました。通信料が安くなるということで注目を集めています。ただ格安SIMのサービスを行っているMVNO業者は非常に多く、総務省の平成26年度第2四半期(9月末)のデータによると169社もあるそうです。いったいどれを選んでいいのか迷ってしまいますよね。
・MVNOが前年同期比+58%!総務省が第2四半期の携帯契約数を公開 | オクトバ
そこで、今回は自分にピッタリのMVNO業者とプランの探し方について書いていこうと思います。
MVNO業者も、そのプランもたくさんありますが、その中で「最強」と呼べるものはありません。なぜなら使う人によって求めるもの必要な物が変わってくるからです。使う人のことを何も聞かずに「これが最強、これにしておけば間違いない」という人はちょっと怪しいですね。
格安SIMにはプランがたくさんあります。高速通信の容量や音声対応など細かい違いはたくさんありますが、まず大まかに以下の5つに分類してみます。
A. 期間(月単位)内に一定容量の高速通信が可能 | B. 期間(日単位)内に一定容量の高速通信が可能 |
C. 期間内に容量無制限で通信可能(高速) | D. 期間内に容量無制限で通信可能(低速) |
E. 一定期間もしくは容量まで使い切りのプリペイド型 |
これが現在最も多くのプランで採用されているものです。例えば、1ヶ月に3GB分の通信は高速で、それを超過すると250bpsの低速になる(けど通信は可能)というようなプランです。1ヶ月で使える高速通信量によって月額費用が変わってきます。
これはAとほとんど同じですが、期間が1日ごとになります。例えば、1日に100MBまで高速通信できて、それを超過したら250bpsの低速になる(けど通信は可能)というようなプランです。1日で使える高速通信量によって月額費用が変わってきます。OCNモバイルONEやSo-net PLAY SIMで用意されているプランです。
A.とB.の違いは高速通信を使える期間です。月あたりの合計容量としてはどちらも同じくらいになるのですが、使い方が変わってきます。
A.のように使える期間が1ヶ月あると、その中で「たくさん使う日」「あまり使わない日」と変化があっても損なく使うことができます。平日は通勤時くらいしか使わないから容量を節約して、週末の外出時にたくさん使う、という使い方ができます。
B.は1日という短い期間でリセットできるのが魅力です。今日たくさん使ってしまったとしても、明日になればまた高速通信できる、と考えると気が楽ですよね。1ヶ月の中で変化が少なく、毎日同じように使用する人にも向いています。
A.のように期間が長いと計画的に容量を使うことが必要になってきます。自分が1ヶ月で使う容量とほぼ同じくらいのプランを選択していると、いつ使い切ってしまうかビクビクしながら過ごすことになるかもしれません。そういった人には1日でリセットされるB.のプランをオススメします。
1ヶ月の間に、定額でいくらでも高速通信できるという夢の様なプランです。1ヶ月あたりの通信量がかなり多い人、外でテザリングしたり動画を見ることが多い人に向いています。
日本通信、U-mobile、ぷららモバイルLTEがあります。
いくらでも通信できるのは魅力的ですが、その分ほかのユーザーも通信量の多い人が集まってきます。そのため必然的に負荷は高くなるので、実際の速度が思ったよりも出ない、ということも多いです。
基本的に高速通信はできず、ずっと低速で通信できるプランです。高速通信がない分、500円程度の安価で利用できるのが強みです。動画は見ない、テキストサイトやメールが中心の人、いざという時のためのサブ回線として確保したい人などに向いています。
継続的な契約はせず料金は先払い、決められた期間または容量に達するまで使用でき、そのあとは通信できなくなるプリペイド型のものです。一時的に使用したい場合、お試しで使ってみたい場合などに使えます。クレジットカードを必要とせず、電話などで利用開始できるのも特徴です。
自分の通信量や使い方と照らし合わせれば、上の分類のどれが自分に合っているのか見えてくると思います。簡単に書けば…
- A.…自分の通信量が分かっていて、1ヶ月内でうまく使える人、使う日と使わない日がはっきりしている人
- B.…容量オーバーにビクビクしたくない人、毎日似たような通信量の人
- C.…テザリングしたり常に多くの通信を行う人
- D.…速さは気にしない人、サブとして回線を確保したい人
となります。
ちなみに、私の場合はA.を使っていて精神衛生上よろしくなかったのでB.に行き、サブとしてDを持ち、C.も使ってみたもののそこまで容量を使わなかった…ということでB.をメインにしています。ただ、A.も余裕あるプランなら容量超過を気にすることもほぼありません。
同じ分類の中でも多くの会社が似たようなプランを出しています。各社のプランについては、主要なものを以前にまとめてあるのでそちらも参考にしてください。
・どの格安SIMにする?MVNO14社の主要プラン比較まとめ | オクトバ
特に上記分類のA.はたくさんのプランが存在します。この中で、選ぶためのポイントとなるものをあげてみましょう。
- 容量と価格のバランス
- 実際の速さ
- 3日間制限があるか
- 余った容量の繰越はできるか
- 公衆無線LANは利用できるか
- 高速・低速の切り替えができるか
- 切り替えなどのアプリがあるか
- ウィジェットなどで素早く切り替えられるか
- 今後の容量増量などに期待できるか
- 他のプランへ切り替えられるか
- その会社ならではの特典があるか
実際の速度については、自分が使う場所や時間によっても変わってきます。オクトバでもスピード比較を行っていますので、参考にしてみてください。
・本当に使えるMVNOはどれ?8枚の格安SIMを実際に速度測定して比較してみました! | オクトバ
そのほかの項目についても、それをどれだけ重視するかは人それぞれです。自分に必要な物はなにか、よく考えて、それを満たすMVNOとプランを見つけましょう。
格安SIMは「安い」ということで興味を引きますが、同じ格安SIMの中では同じような価格帯となり差がつきにくいものです。差別化をはかるために、主要各社が行っている独自の特典を見てみましょう。
「OCN モバイル ONE」は、「OCN 光サービス」とセットで利用することで月額利用料が、毎月200円(税抜)割引になります。最大5契約、合計1,000円(税抜)まで割引となります。
・OCN光モバイル割 | OCN モバイル ONE
通話料が半額になる「みおふぉんダイアル」、家族間の通話が割引になる「ファミリー通話割引」があり、両方を組み合わせれば家族間の通話が60%引きになります。
・音声通話機能付きSIM(みおふぉん) | IIJmio
楽天モバイルで端末と同時購入した場合などに楽天スーパーポイントが付与されます。また、今後楽天モバイルの利用でポイントが付いたり、ポイントを楽天モバイルの料金に充てることもできるようになるようです。
・楽天モバイル: 特典・キャンペーン
専用のAndroidアプリを使ってショッピングをしたりアプリをダウンロードすることで、NifMoの利用料金が割引される「NifMo バリュープログラム」があります。
・おトクな仕組み | スマホ(スマートフォン)ならNifMo(ニフモ)
DMM mobileは時期によって様々なキャンペーンを行っていますが、特徴的なのはDMM mobileの利用金額によってDMMの他のサービスで使えるDMMポイントが付くことです。様々なコンテンツを提供しているDMMなので、利用の幅が広いのがいいですね。
・DMM mobileのお得な特典!キャンペーン情報
通話プラスプラン限定ですが、同社の動画配信サービス「U-NEXT」で使えるポイントが毎月1回600ポイントもらえます。(通話プラスLTE使い放題2の場合、ポイント付与は400ポイント)
・【通話プラス限定】動画配信サービス U-NEXT ポイントプレゼントキャンペーン|格安スマホ・SIMカードのU-mobile(ユーモバイル)
映画やドラマ、アニメやバラエティなど約3,000本のビデオ作品を、PC・スマートフォン・タブレットで視聴できる「ひかりTV」が月額無料で利用できます。
・ひかりTV エントリープラン|オプションサービス|ぷらら
どこも、元となっている会社と結びつきの強い特典を用意しています。スマホ以外で自分が使っているサービスとうまく連携できれば、よりお得に使うことができそうですね。
料金に関しては、どこの会社もほぼ横並びです。実際の速度については、多少の差はありますが設備増強などもあるので「今の結果」だけに囚われないようにしたいものです。
以上のことから、自分が選ぶべきプランは、自分の生活や使い方、もらえる特典などをよく考えて、そのバランスを見て決めることが大事です。周りの人が使っているから、あの人が使っているから、という選び方だと失敗するかもしれませんよ。
格安SIMの世界は移り変わりが激しいですが、あなたに合った最適のプランが見つかることを祈ります。