ソフトバンクで購入したスマートフォンを利用して通信費を節約できないだろうか?とお考えの方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は、ソフトバンクの機種と格安SIMの相性や乗り換え方法、それぞれのMVNOの特長や注意点についてご紹介いたします。
■1.乗り換えたい格安SIMがソフトバンク回線を利用したMVNOかどうかを確認しよう
ソフトバンク回線を利用している格安SIMは、現在のところドコモやauと比べるととても少ない状況です。端末を購入したキャリアと回線のキャリアが異なる場合、格安SIMへの乗り換え時に色々な問題が出て来ることがあります。ですので、事前にそのMVNOがどのキャリアの回線を利用しているのかを確認しておくのは重要です。今回はその中でも人気の格安SIMについてご紹介いたします。
業界初のソフトバンク回線を導入した『U-mobile』
まずは、ドコモ・ソフトバンク・ワイモバイルと3つの回線を利用した7種類のプランを提供する『U-mobile』。7種類のうちの『U-mobile S』というプランがソフトバンク回線を利用したプランとなります。
データSIMのみの提供なので、機種変更などで使わなくなった昔のiPhone・iPadなど、回線の入っていないApple端末での利用におすすめです。動作確認が取れているのはiPhone 5c/5s以降、iPadは初代iPad以降の機種になり、ソフトバンク端末ならSIMロック解除なしで利用することができます。
U-mobileの公式サイトをみてみる↓
2017年、ソフトバンクもMVNOへ参入!日本通信の『b-mobile S 開幕SIM』
b-mobile S 開幕SIMはU-mobile Sのプランにそっくりのプラン体系です。
b-mobile S 開幕SIMもSIMロック解除不要でソフトバンク端末を利用でき、データSIMのみの提供となっています。U-mobileとは初期費用の若干の違い(U-mobile:3,384円・b-mobile:3,000円)はありますが、ほぼ同じ仕様です。
2017年3月より『スマモバ』も参入!
スマモバは今年の3月よりソフトバンク回線プランの提供を開始しました!スマモバ(S)もソフトバンクで購入したiPhoneならSIMロック解除なしで利用できます。
動作確認されているのはiPhone 5までになりますが、それ以前のモデルでも利用できるということです。
また、スマモバではiPhoneの修理やバッテリー交換を対応店舗で行っているので、画面の割れたiPhoneも復活する可能性があります!古いiPhoneもぜひ持ち込んでみましょう。
ワイモバイル(Y!mobile)はソフトバンク回線を利用していないの?
独自で回線を保有しているドコモ・au・ソフトバンクをMNOと呼ぶのに対し、それらの回線を借りて携帯電話サービスを行っている企業をMVNOと呼びますが、ワイモバイルは独自の回線を保有しているのでMNOに分類されます。
ワイモバイルはイーモバイルやウィルコムが前身のためそれらの回線を保有しており、それに加え、のちにソフトバンクと合併したことからソフトバンク回線も利用しているという形です。よってワイモバイルは格安SIMではありますが、厳密にいうとMVNOではないということになります。
ドコモやauの回線との違いについて
回線についてはキャリアごとに通信方式や利用周波数帯が変わってきます。
LTEの通信方式は3社とも同じ方式、3Gはドコモとソフトバンクが“W-CDMA”、auが“CDMA2000”と異なる方式をとっています。
テレビやラジオ、無線など、それぞれの業種で使っていい周波数帯は電波法で決められています。携帯電話も同じで、プラチナバンドと言われる800MHzから高速の3.5GHzなど、低い周波数から高い周波数まで様々な周波数を割り当てられているのです。しかし、キャリア3社がそのすべてを使っているわけではなく、キャリアごとに利用周波数は変わってきます。
また、キャリアが販売している端末はキャリアが利用している周波数帯に合わせて作られていることが多いため、「au回線では使えた電波がドコモ回線では使えない!」ということも起こりうるのです。【端末が対応する周波数】と【利用回線が対応する周波数】が一致して初めてその電波を使うことができます!
例えばiPhone SEであれば、docomo系の格安SIMならバンド19・3・1の周波数帯で利用でき、au系はバンド18/26・バンド1、ソフトバンク系はバンド8・3・1で利用できるというのが基本的な考え方です。
■2.ソフトバンクから格安SIMへ乗り換えるメリット・デメリットを確認して注意しよう
ここからは、ソフトバンク回線を利用した格安SIMにこだわらずにご紹介していきます。
データSIM・SMS付SIM・音声通話SIMについて
- データSIM
タブレットやルーター、2台目のスマホなど通話機能がいらない場合 - SMS機能付きSIM
データSIMにSMS機能のみを追加したSIM。アプリの認証でSMSを使いたい方向け - 音声通話SIM
MNPをしたい方、通常通り090/080の携帯番号での通話をしたい方
しかし現在のところ、先述のようにソフトバンク回線を利用した格安SIMにはデータSIMしかない状況です。MNPを希望の場合にはSIMロック解除を行いその他の回線を利用した格安SIMへ乗り換える必要があります。
速度や電波・通信品質とエリアについて
格安SIMを提供している企業をMVNOと呼びますが、MVNOは独自の回線を保有しているMNO、いわゆる大手通信キャリアの3社から回線を借りて携帯電話サービスを行っています。
なぜ『格安』にできるかというと、インターネット上や家電量販店での契約が多いため店舗を全国展開する必要がなく人件費や店舗運営費が節約できること、そして回線の維持に経費がかからず借りる分のみの料金だけで済むことが挙げられます。
また、回線をキャリアから借りることでもう一つメリットが生まれます!それは、借りる回線のキャリアと同等の通信品質とエリアを得られることです。回線が同じということは同じ電波を利用することになりますので、例えばドコモを使えるエリアならドコモ回線を利用した格安SIMでも使えるエリアというのが基本的な考え方となります。
格安SIMの注意点をあげるとすれば、“つながりやすさ”の違いです。回線の容量は決まっているため、利用者が増える時間帯は速度が遅くなりがちなのです。MVNOでは契約者数が増えると回線を増強してバランスをとっているのですが、ランチタイムなどはどうしても他の時間帯に比べて遅くなる傾向があります。
Android端末のバージョンアップデート(ソフトウェア更新)はできる?
もちろん可能です!セキュリティの面から言ってもできるだけ最新バージョンを使っていくことをおすすめします。ただし、iOSのアップデートには注意が必要で、格安SIMにそのバージョンが対応していなければ使えなくなってしまう可能性があります。格安SIMの公式サイトで対応になったことを確認してからアップデートすることをおすすめします。※アップデートの前にバックアップをとっておけるとより安心です。
おサイフケータイやテザリングは使える?
おサイフケータイは基本的には機種が対応していれば利用できますが、テザリングは端末と格安SIMの相性により使えなくなってしまう場合があります。対応については“動作確認済み端末”のページで確認しましょう!
ソフトバンク光の『おうち割』と格安SIMの『セット割』について
おうち割はソフトバンクのインターネットサービス『ソフトバンク光』と『ソフトバンクのスマホ・タブレット』のセット契約で割引を受けられるサービスです。
データ定額に応じて、1回線ごとに最大2,000円の割引が受けれらます。となると、例えば家族4人の場合月々8,000円が割引になるケースもあるのです!
格安SIMにもインターネットサービスとのセット割引がありますので、おうちにインターネット環境がある方や検討中の方は要チェックです!
例えばIIJmio、DMMモバイル、U-mobile、NifMoなどで提供しています。
このように比較してみると、ソフトバンクは一回線ごとの割引、格安SIMは契約全体からの割引という違いがあります。
ソフトバンクに格安プランはあるの?
ドコモがシンプルプラン/docomo with、auがピタットプラン/フラットプランを発表しましたので、ソフトバンクももしかしたらこの先新しい料金プランを発表するかもしれません。その際はここでもご紹介させていただきます!
■3.ソフトバンク機種と格安SIMの相性に注意しよう
ソフトバンクの端末は格安SIMで使えない?SIMロック解除について
端末を購入したキャリアと回線のキャリアが同じ格安SIMであれば、SIMを差し替えるだけで利用できる可能性が高くなります。よって、ソフトバンクの端末を利用したい場合、ソフトバンク回線を利用した格安SIMであればSIMロック解除の必要がない場合が多いということになります。
しかし先述の通り、現在はソフトバンク回線を利用した格安SIMが少なく、データSIMの提供しかない状況です。MNPをしたい場合はSIMロック解除をして、通話SIMを提供する格安SIMを選ぶ必要があります。
少し前のモデル『iPhone 5』『iPhone 6』もそのまま使える?
iPhoneシリーズもiPad・iPad miniシリーズも、上記のソフトバンク回線を利用した格安SIMで利用できますし、SIMロック解除を行えばドコモ・au回線の格安SIMも利用できるようになる可能性があります。この場合もしっかり“動作確認済み端末”のページを確認しましょう。
その他のAndroidスマートフォンについて
Xperiaなどの人気機種ももちろん対応している格安SIMがあります。過去に使っていたスマートフォンも対応していれば利用できるというのは格安SIMの魅力の一つですよね!
みまもりケータイには対応している?
キッズケータイは親と一緒にキャリア契約している場合に能力を発揮しますので、格安SIMでの運用はおすすめできません。
- 格安SIMをみまもりケータイに差し込めたとしても、使いたい機能を使えない可能性が高い
- 親は格安SIM、子供がキャリアのキッズケータイの場合、子供の位置情報確認ができない可能性がある
そのため、キッズケータイを利用したい場合には
- キャリアのキッズケータイと親用のキャリア端末を最安プランで契約
- 子供にも子供向けサービスのある格安SIMを持たせる
どちらかの方法がおすすめです。
ソフトバンクのWi-Fiルーターと格安SIMルーター、どっちがお得?
ソフトバンクのポケットWi-Fiなどモバイルルーターはキャリア特有の2年縛りがありますが、格安SIMで運用する場合は大抵縛りがありません。また、料金体系はソフトバンクの場合『LTEし放題』または『スマホのデータ量とのシェア』となり、格安SIMの場合は1GBから大容量プランまであるので利用量に合わせたプランを選ぶことができます。
SIM下駄ってなに?
古いモデルのiPhoneは動作確認がされていないだけでなく、公式にSIMロック解除がサポートされていない場合があります。その場合、”『SIM下駄』『脱獄』といった非公式の方法でSIMロック解除を行う方法“という情報がネット上で紹介されていることがありますが、この方法は非公式ということもあり、端末が動かなくなってしまったり、偽物の商品に出くわしてしまったり、また、この方法で格安SIMを利用してしまうと不具合が起きた場合サポートが受けられなくなってしまいます。どうしても!という場合は自己責任で行うこととなります。
■4.おすすめ・人気の格安SIMを比較する時に注意したいポイント
通話し放題・かけ放題、無料通話がある格安SIMは?
通話し放題オプションを提供する格安SIMは多数ありますが、時間制限があったり専用電話アプリからの発信のみ対象だったりと、キャリアのかけ放題とは少々違ってきます。格安SIMで時間無制限のかけ放題があるのは、楽天モバイルやもしもシークスの“電話アプリからの発信のみ時間無制限”というかけ放題サービスになります。
これらにより、長電話が多い人はキャリアのかけ放題の方が安く済んだり、格安SIMの選択肢が狭まってしまったりするかもしれません。
通信速度の評判がいいのは?無制限プランもチェック!
通信速度については、MVNOでは回線を借りていることもあり【借りている回線容量】と【契約者数】、そして【利用者数の多い時間帯】によって左右されます。よって、評判も現在時点の参考になりますが、2017年7月現在速度の評判がいいのは『UQモバイル』『mineo』『LINEモバイル』『楽天モバイル』などのようです。これはエリアによっても変わることがありますのでご了承ください。
また、無制限プランがあるのは『UQモバイル』『U-mobile』などですが、UQモバイルは速度が500kbpsとなります。
プリペイド形式の格安SIMはある?
プリペイド契約ができる格安SIMは多数ありますが、①使い切り②チャージで利用し続けられる③月額プランへ移行できる…の3タイプ存在しますので、用途に合わせたタイプを見つけてみてください。
無料Wi-Fiスポットを提供しているMVNOはどこ?
- UQモバイル:Wi2 300 for UQ mobile(全国のWi2 300エリアで利用可能)
- U-mobile:U-NEXT Wi-Fi (82,000か所)
- NifMo(ニフモ):BBモバイルポイント(2015年時点で5,200か所)
などのMVNOで無料Wi-Fiスポットが利用できます。
実店舗で契約できる格安SIMはある?
ヤマダ電機、ヨドバシカメラといった家電量販店では様々な格安SIMを取り扱っていますので、初めて格安SIMを契約する場合は安心感があるかと思います。また、mineo(マイネオ)、U-mobile、楽天モバイル、イオンモバイルなどは家電量販店以外にも店舗がありますので、近くに店舗がある場合にはぜひ利用していきましょう!
■5.乗り換え時の契約手続きについての注意点と確認事項
ソフトバンクの途中解約と違約金について
ご存知の通り、キャリアには契約解除料金というものがあり、タイミングが合わないと解約時に9,500円の支払いが必要になります。また、端末の分割金が残っていると残高の支払いも必要です。それを支払ってでも格安SIMへすぐに移行したほうが得なのか、それとも待ったほうが得なのかをしっかり比較する必要があります。
公式サイトの“動作確認済み端末“ページをチェック!
いざ格安SIMを差し込んだ時に『使えない!』という事態にならないためにも、動作確認が取れた端末での利用をおすすめします。動作確認が取れていないからと言って絶対に使えないというわけではありませんが、動作確認が取れている端末であれば確実にその格安SIMで使えることがわかり、安心ですよね!
即日で開通できる格安SIMはある?
MNPには開通方法が【①開通をした状態でSIMを発送してくれる格安SIM】【②SIMが届いてから自分で電話やインターネットで切り替える格安SIM】の2種類存在します。
この内②の方法が『即日MNP』と呼ばれるもので、自分で回線を切り替えられることで使えない期間がほぼなくという仕組みです。①の場合は手続き不要でSIMを差し込むだけで利用できますが、MVNOで発送前に切り替えてしまうため、発送から到着までの間は“スマホが使えない期間”となってしまいます。
回線の切り替えについても申し込み前に確認できると安心です。
番号そのまま!MNP(ナンバーポータビリティ)での乗り換え時に必要な手順と流れ
- 申し込みの前に『①MNP予約番号②購入者名義のクレジットカード(大抵の格安SIMでは必要です)③本人確認書類④連絡の取れるメールアドレス』の4つを用意
- 即日MNPの場合、SIMが到着次第回線の切り替えを行う
- SIMを端末に差し込み、初期設定を行う
※iPhoneの場合は、初期設定の中に【プロファイルのダウンロード】の手順があるため、Wi-Fi環境が必要な場合があります。
MVNOのサポート体制について確認しよう
格安SIMは大抵、店舗が大手通信キャリア程多くありません。「故障が起こった時はどこに連絡すればいいんだろう?」「わからないことがあるときには?」など、困ったときにどこへ問い合わせればいいのかを事前に確認できると安心です。
格安SIMとGPSについて
GPSは端末の性能と格安SIMとの相性により精度が変わってきます。格安SIMの公式ページにも詳しく書かれていない場合には、申し込み前に問い合わせておくと安心です!
■6.移行前にバックアップやデータ移行方法に注意しよう
バックアップとデータ移行について
Androidスマートフォンであればバックアップアプリなどを利用してSDカードへ、iPhoneであればiCloudやiTunesを利用して事前にバックアップを取っておきましょう。
キャリアメール以外のメールアドレスを準備しよう
格安SIMへ乗り換えてしまうとキャリアメールが使えなくなりますので、格安SIMの申し込み前にはGメールなどのフリーメールを準備しましょう!様々な会員登録にキャリアメールを設定している場合、その変更手続きも必要です。
■7.故障した時や機種変更時の注意点
故障したらどうする?
格安SIMへ移行する際、『持込用の端末保証』などに加入していれば修理をお願いすることができますが、大抵は発送となります。キャリアでの修理時にはすぐに代替機を貸し出してくれますが、発送となると2~3日使えない期間が発生する可能性もありますので、事前に流れを確認しておけると慌てずに済みます。
機種変更はどうする?白ロム・SIMフリーについて
格安SIMへ移行するとショップで機種変更をするということがなくなってしまいますが、その代わりにキャリアを超えて好きな機種を利用できるのも格安SIMの魅力です!キャリアの時には機種変更と言えば『新品』でしたが、格安SIMは中古という選択肢もあり、機種代を節約することも可能です。その中で『白ロム』という言葉が出てくることがありますが、これは単にSIMカードが入っていない端末を指します。
また、SIMロックとは“キャリアで購入した端末はそのキャリアのSIMでしか利用できない”という制限になりますが、SIMフリー端末はそのようなロックや制限がかかっていない端末になります。
スマホやiPadとガラケーの2台持ちをしたい!
長時間の電話が必要な方は、時間無制限のかけ放題プランが少ない格安SIMには向きません。しかし、かけ放題用にキャリア契約を残し、データ通信用にスマホやタブレットを持つという2台持ちという手もあります!これであればMNPをする必要もなく、キャリアメールも残せて安心です!
■【まとめ】ソフトバンクから格安SIMへ乗り換えよう!
- ソフトバンク回線を利用した格安SIMは、2017年7月現在『データ専用SIM』のみ!
- よってソフトバンク端末を利用してMNPをしたいなら、SIMロック解除は必須!
ソフトバンク回線を利用した格安SIMは少ない状況ではありますが、SIMロック解除を行えば選択肢は広がります!ぜひこの機会に自分にぴったりのスマホ運用を見つけてみてくださいね!
乗り換えを検討の際は再度、下記の項目について確認してみましょう!
- 契約解除料のかからない月や端末の分割残高を確認し、乗り換えのタイミングを見極める
- 自分にぴったりの格安SIMと料金プランを探す
- 検討中の格安SIMの“動作確認済み端末”のページに利用予定の端末名が記載されているかを確認
- この先端末が壊れてしまった際の修理の手順や機種変更になった場合のシミュレーションを行う
- MNP予約番号を取得し、格安SIMへ申し込む(必要に応じてSIMロック解除を行う)
- SIMが届き、回線切り替えを行った時点で乗り換え完了!
以上、ソフトバンクから格安SIMへの乗り換えについてのご紹介でした!