格安SIMにおける通話機能とMVNOの比較

今回は、格安SIMにおける通話機能について、知っておきたいポイントをまとめてご紹介いたします!格安SIMへの移行前に一通りチェックしてみましょう!

 
 

■格安SIMとは?

まずは『格安SIM』の成り立ちを見てみましょう!
 

MNO・MVNOの仕組みについて

格安SIMを提供している企業をMVNOと呼びますが、MVNOはドコモ(docomo)・au・ソフトバンクといった独自で回線を持っている企業から回線を借りて携帯電話サービスを行っています。回線を借りることで設備の維持費がかからないこと、また、インターネット上での契約がメインで全国に店舗展開する必要がないため人件費や店舗運営費も節約できることから、大手通信キャリアよりも低価格でサービスを提供できるのです

 

通話品質と回線について

先ほどご紹介したように、格安SIMでは大手通信キャリアの回線を利用していますので、【通信品質】【通信エリア】は借りている回線のキャリアと同等になります。
しかし、【各MVNOが借りている回線の容量】と【通信の利用者数】によって、回線の混み具合、つまり“つながりやすさ”が変わってきます。MVNOではそのバランスを保つために調整をしていますが、利用者数の多いランチタイムなどはどうしても遅くなってしまう傾向にあります

 

格安SIMの電波・周波数(バンド)について

総務省により電波法が定められていることから、携帯電話で使っていい周波数帯も決められています。携帯電話の場合、遠くまで電波の届きやすい800MHzから高速通信や大きいデータのやり取りに強い3.5GHzという幅広い周波数が割り当てられています。しかし、3社がすべて利用しているというわけではなく、キャリアごとに利用周波数は変わってきます。
 
例えば各大手通信キャリアで利用している周波数は以下の通りです。

 

例えばauで購入した端末はauの周波数に合わせた作りになっていることが多いため、ドコモ回線を利用した格安SIMでは利用できない可能性があるのです。例えば下記のauの端末で、あるドコモ回線を利用した格安SIMで使用する場合は、対応周波数4つのうち合致している2つの周波数を利用できることがわかります。

もちろん利用できるかどうかはこれだけではなく、SIMロック解除が必要など他にも条件が発生する可能性がありますので、“動作確認済み端末”の掲載ページで確認できると安心です
 

音声通話と音声通話SIMとは?

音声通話とは、090/080の携帯番号を利用した音声をやり取りできるサービスを言います。いわゆる『電話』の機能のことです。
SIMには機能別で3種類存在するのですが、

この内、090/080の携帯番号を利用した通話ができるのは『音声通話SIM』のみになりますので、MNPをしたい場合は必然的に音声通話SIMを選ぶことになります。また、110番・119番といった緊急通報ができるのも音声通話SIMのみです。
 

データSIMとの違いは?通話はできない?

データSIMやSMS機能付SIMには音声通話の機能が付きませんので、通話をする手段があるとすればLINE(ライン)の無料通話やIP電話サービスを利用する方法になります。
 

端末・本体の購入方法

『スマホセット』のような格安SIMと本体のセットを用意しているMVNOは多数存在します!中にはiPhoneを取り扱っているMVNOもありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。キャリアでの購入との違いは、

  • 一括支払いしかできない場合がある
  • 分割ができても、手数料が追加される場合がある
  • キャリアにある「ポイント購入」「月々のサポート割引」といったサービスはほぼない

 

月々の料金を抑えられる分、端末代に割引がないことが多いのです。しかし格安SIMの魅力と言えば、格安SIMとの相性さえよければ昔使っていたスマホでも、友人からもらったスマホでも、中古スマホでも使えるという応用力が挙げられます!料金を抑えたい方も、キャリア以外の端末を使ってみたい方にもフィットするのが格安SIMの良さの一つです。
 

災害時、格安SIMでも大丈夫?

災害時の通話

MVNOは通話の設備を持っていないため、規制関係はキャリアのものがそのまま反映されます
災害時は被災地を中心に緊急通報や安否確認の通話が増えます。通話の数が設備の能力を超えてしまった場合は設備が本来の能力を発揮できなくなってしまうため、それを避けるためにキャリアでは『発信規制』を行い、緊急通報や役所などの重要な通話分を確保する場合があります。その発信規制はもちろんMVNOにも及びます。

災害時のデータ通信

データ通信においてはMVNO独自の設備も利用するため、その設備に被害が出てしまった場合は利用できなくなってしまいます。こうした事態を避けるために複数の設備を整えているMVNOも出てきています。

緊急地震速報について

地震速報は格安SIMによって受信できる端末が限定される場合がありますので、事前に確認しておけると安心です。また、『Yahoo!防災速報』といった無料防災アプリをダウンロードしておくことでも地震速報を受け取ることができますので、是非チェックしておきましょう!
 
 

■格安SIMでの通話に関するメリット・デメリット

通話料金について

通話料金は発信した分のみ20円/30秒という設定の格安SIMがほとんどで、着信分は無料です。この料金設定はキャリアと同等となっています。また、通常の通話料金よりも安く設定されている『電話専用アプリ』を提供する格安SIMもあります!DMMモバイルの“DMMトーク“、U-mobileの”U-CALL“がこれにあたりますが、これは『プレフィックス番号』という番号が電話番号の先頭につくことで、料金が割引される仕組みです。ぜひ有効活用していきましょう!
 

DMMモバイル公式サイトをみてみる↓

 

U-mobile公式サイトをみてみる↓

 

格安SIMは長時間の通話に不向き?

キャリアのかけ放題プランには時間無制限のプランと5分かけ放題の2種類が用意されていますが、格安SIMで提供している『電話かけ放題』には5分や10分の時間制限があるものがほとんどのため、長時間の通話をしてしまうと料金が高くなってしまいます。楽天モバイル、もしもシークスでは通話無制限プランを提供していますが、専用アプリから発信した分のみ対象となっていますので注意が必要です

 

最低利用期間・縛りについて

大手通信キャリアの縛りは2年ごとの自動更新となっていますが、格安SIMは格安SIMごとに条件が変わってきます。データSIMはほとんどのところで縛りがない場合が多く、音声通話SIMは数カ月から1年の最低利用期間を過ぎれば、いつ解約をしても解約金を取られることがありません。もっと魅力的な格安SIMがあれば気軽に乗り換えることができるのも、格安SIMの大きなメリットです。
※ただし、乗り換える際は新規手数料数千円と、MNPの場合はさらにMNP転出料が発生する場合があります。
 

緊急通報は使える?

110番・119番といった緊急通報は『音声通話SIM』でしか利用することができません。IP電話や格安SIM独自の電話専用アプリからも発信できませんのでご注意ください。

 

留守番電話は使える?

留守番電話は格安SIMのオプションにあれば利用することができます。
 

LINE通話は使える?

もちろん利用することができます。LINE通話は音声回線ではなくデータ通信を利用するため、データSIMやSMS機能付SIMでも利用可能です。
 

LINEモバイル公式サイトをみてみる↓

 

【関連記事】格安SIM:LINEモバイルの評判と評価や他SIMとの比較

 

タブレットで音声通話SIMは使える?

iPadなどほとんどのタブレットでは、音声通話SIMを差し込んでも通話をすることができません。通話機能のあるタブレットであれば、もちろん通話が可能となります。
 

海外で使える?

国際ローミングに対応した格安SIMは多数あります。ただし、ほとんどが『通話』『SMS』のみの対応となりデータ通信は行えないため、データを利用したい場合はWi-Fiをおすすめします。
 

プリペイドSIMで通話はできるの?

プリペイドSIMではデータ通信のみ可能のため、通話やSMSの利用はできません。短期の利用や格安SIMのお試し、2台持ちの場合におすすめです。
 
 

■用途別おすすめのMVNOについて

もしもシークスが人気?『通話し放題(かけ放題)』

先述のように、格安SIMのかけ放題オプションには『5分』『10分』という制限付きのものが多い中、もしもシークスの『かけたい放題フル』というプランでは、専用アプリからの発信のみとなりますが時間無制限で電話し放題です!また、楽天モバイルの『楽天でんわ かけ放題by楽天モバイル』プランも同様に専用アプリを利用すると時間無制限です。このプランがあれば、通話専用のキャリア契約を残す必要がなくなります!
 

かけ放題オプションに専用電話アプリが必要な格安SIM・アプリ不要な格安SIM

専用電話アプリが必要な格安SIM

IIJmiomineo(マイネオ)LINEモバイルDMMモバイルNifMo(ニフモ)etc.

アプリ不要な格安SIM

UQモバイルU-mobile SUPER etc.
 

IIJmio公式サイトをみてみる↓

 

mineo公式サイトをみてみる↓

 

LINEモバイル公式サイトをみてみる↓

 

DMMモバイル公式サイトをみてみる↓

 

NifMo公式サイトをみてみる↓

 

UQモバイル公式サイトをみてみる↓

 

U-mobile公式サイトをみてみる↓

 

通話転送ができる格安SIM

mineo(マイネオ)UQモバイル・楽天モバイル・DMMモバイルIIJmioなど多数の格安SIMで利用することができます。
 

データ繰り越しができる格安SIM

ほとんどの格安SIMでデータの繰り越しができますが、代表的なところであればU-mobileでは繰り越しができません。その分U-mobileでは『LTE通信し放題』という魅力的なプランを提供しています!
 

データ量を2枚以上のSIMでシェアできる格安SIM

IIJmio(最大10枚)・DMMモバイル(最大3枚)・NifMo(最大7枚)などになります。家族での利用、スマホ+タブレットといった複数台持ちの場合に効率的にデータ量を分け合うことができます。

 

無料でWi-Fiスポットが使える格安SIM

  • UQモバイル
    Wi2 300 for UQ mobile(全国のWi2 300エリアで利用可能)
  • U-mobile
    U-NEXT Wi-Fi (82,000か所)
  • NifMo
    BBモバイルポイント(2015年時点で5,200か所)

などのMVNOで無料Wi-Fiスポットが利用できます。
 

UQモバイル公式サイトをみてみる↓

 

U-mobile公式サイトをみてみる↓

 

NifMo公式サイトをみてみる↓

 

家族契約におすすめの格安SIM

上記のデータシェアができる格安SIMの他には以下のようなお得な家族契約があります。

インターネットとのセット契約がお得な格安SIM

IIJmioDMMモバイルU-mobileNifMoなどでインターネットセット割引があります。

複数契約で割引になる格安SIM

UQモバイルでは2回線目以降500円/台割引、mineoでは50円/台割引となります。
 

IIJmio公式サイトをみてみる↓

 

DMMモバイル公式サイトをみてみる↓

 

U-mobile公式サイトをみてみる↓

 

NifMo公式サイトをみてみる↓

 

UQモバイル公式サイトをみてみる↓

 

mineo公式サイトをみてみる↓

 

テザリングが使える格安SIM

端末と格安SIMとの相性によってテザリングが使えるかどうかが変わってきますので、“動作確認済み端末”のページにて確認してみましょう!
 
 

■ガラケー用の格安SIM『携帯電話SIM』について

b-mobileの『携帯電話SIM』はドコモのFOMAケータイで使える【通話】【SMS】に特化した格安SIMです。データ通信は行えませんが、おうちに眠っているガラケーを通話専用として復活させることができます!エリアはドコモのFOMAエリア(3Gエリア)となります。料金プランは『音声プランS』『音声プランM』『音声プランL』となっており、プランに応じた無料通話も付いてきます!

 
 

■通話料金を節約しよう!

LINE通話を利用する

格安SIMでもLINEは通常通り利用することができます。ぜひLINEの無料通話機能を活用して通話料金を節約しましょう。
 

IP電話を利用する

電話番号が050から始まるIP電話を利用する方法もあります。例えばmineo(マイネオ)なら『ララコール』というIP電話を提供していますので、データSIMでもそのアプリを利用すれば通話が可能になります。
 

キャリア契約との2台持ちをする

楽天モバイルやもしもシークスには時間無制限かけ放題がありますが、その他の格安SIMを利用したい場合もありますよね。その場合はかけ放題付のキャリア契約とデータ通信専用の格安SIMという2台持ちもおすすめです!

 
 

■格安SIMへの乗り換え方法

MNP(ナンバーポータビリティ)するなら『音声通話SIM』を選ぼう

MNPは『携帯番号をそのまま移行』という意味になりますので、携帯番号付きの音声通話SIMを選ぶ必要があります。
 

解約金(契約解除金・違約金)を確認しよう

大手通信キャリアでは2年ごとの自動更新がありますが、格安SIMは多くの場合、最低利用期間以降は解約金なしで解約することができます。よって事前に最低利用期間を確認できると安心です。

 

支払い方法は?

格安SIMではクレジットカード払いが主流となっていますが、クレジットカード不要の格安SIMも一部存在します。

デビットカードで支払えるMVNO

楽天モバイル、mineoNifMoなど

口座振替(引き落とし)ができるMVNO

楽天モバイル、OCNモバイルONE、もしもシークス、BIGLOBE SIM(データSIMのみ可能)など
 

未成年も契約できる?

未成年でも契約できる格安SIMは一部存在しますが、【クレジットカード】【親の同意書】が必要になります。クレジットカードを必要とするところから考えても、契約は親名義+利用者登録の方法が簡単です。
 

法人契約はできる?

mineo、NifMo、IIJmio、楽天モバイル、OCNモバイルONEなどで法人向け格安SIMを提供していますので、検討中の方はぜひチェックしてみてください。

 

 

 

 

 

 

即日契約できるMVNOはある?

格安SIMには【①開通をした状態でSIMを発送してくれる格安SIM】【②SIMが届いてから自分で電話やインターネットで切り替える格安SIM】の2種類があり、この内②の方法が『即日MNP』と呼ばれるものになります。自分で回線を切り替えられることで使えない期間がほぼなくなるという仕組みです。①の場合は手続き不要でSIMを差し込むだけで利用できますが、MVNOで発送前に切り替えてしまうため、発送から到着までの間は“スマホが使えない期間”となってしまうのです。

契約からどのような段階を追って開通するのか事前確認できると安心です。
 

つながらないときの対処法・確認事項まとめ

 
 

■【番外】PSVita(PlayStationVita)で通話はできるの?

PSVitaには、ドコモの3G回線・Wi-Fiが使えるモデルがあります。以前はドコモで専用SIMを提供していたのですが終了となってしまい、現在はドコモ回線を利用している格安SIMを差し込めば3G通信を行うことができます!契約前にMVNOに問い合わせてみるとより安心です。なお、PSストアの『Skype』を利用すれば、通話も利用可能になりますのでお試しください。

 
 

■【まとめ】格安SIMの通話機能について理解し、自分にぴったりの使い方を見つけよう!

今回は格安SIMの通話機能についてのご紹介でした。仕組みがわかるとまた一つ、自分に合った格安SIMを選びやすくなると思います!節約しつつ、快適に利用できる格安SIMをぜひ見つけてみてくださいね!
 

他のおすすめの格安SIM関連記事

【関連記事】ドコモから格安SIMへ乗り換え・MVNO時の8つの注意点

 

【関連記事】auから格安SIMへ乗り換え・MVNO時の7つの注意点

 

【関連記事】格安SIM:格安SIMカードとは?初心者も安心の簡単選び方ガイド

 

【関連記事】格安SIM:LINEモバイルの評判と評価や他SIMとの比較


 
【関連記事】格安SIM:NifMoの評判と評価や他SIMとの比較


 
【関連記事】格安SIM:DMMモバイルの評判と評価や他SIMとの比較


 
【関連記事】格安SIM:IIJmioの評判と評価や他SIMとの比較


 
【関連記事】格安SIM:U-mobileの評判と評価や他SIMとの比較


 
【関連記事】格安SIM:mineoの評判と評価や他SIMとの比較


 
【関連記事】格安SIM:UQモバイルの評判と評価や他SIMとの比較